
現場の悩み・働き方・制度を、立ち止まって確認できる視点で発信しています。
このページは、「体力的にきつくなってきた」「年齢的にこの先が不安」と感じている介護職の方向けのページです。
「前は普通にこなせていた業務が、今はしんどい」
「疲れが抜けにくく、回復に時間がかかる」
「この仕事、何歳まで続けられるんだろう」
こうした感覚は、決して特別なものではありません。
長く現場に立ってきたからこそ出てくる、ごく自然な変化です。
ここでは、体力や年齢への不安を感情ではなく構造として整理し、
「続けられるか」「どう続けるか」を考えるための視点をまとめています。
体力・年齢への不安が強まりやすいタイミング
- 腰・膝・肩などに慢性的な痛みが出てきた。
- 夜勤後の回復に、以前より時間がかかる。
- 連勤や残業が生活全体に影響し始めた。
- 若い職員と同じ動きができないと感じる瞬間が増えた。
これらは「能力が落ちた」サインではありません。
身体と働き方のバランスが崩れ始めたサインです。
介護現場では「動けるうちは現場」という暗黙の前提が強く、
不安を言葉にしにくい空気が生まれがちです。
体力の問題は「個人差」ではなく「蓄積」の問題
体力に不安を感じ始めると、
「自分だけが弱くなったのでは」
「年齢のせいでついていけなくなったのでは」
と考えてしまう方が多いです。
しかし実際には、長年の身体的・精神的負担が積み重なった結果として表面化しているケースがほとんどです。
介護の仕事は、
・中腰姿勢
・移乗や体位変換
・常に気を張る判断の連続
といった、消耗が蓄積しやすい構造を持っています。
若い頃に問題なくこなせていたのは、負担がなかったのではなく、
回復力で相殺できていただけとも言えます。
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体力不安が強まる人に共通しやすい状態
- 「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせている。
- 不安はあるが、忙しさで考える余裕がない。
- 体調不良を我慢することが増えている。
- 辞めるほどではない、と判断を先送りしている。
この状態は、限界の一歩手前で踏みとどまっている段階とも言えます。
不安を感じられているうちは、まだ調整できる余地が残っています。
体力の不安を放置した場合に起こりやすいこと
- 慢性的な痛みやケガが悪化する。
- 疲労が抜けず、判断ミスが増える。
- 仕事への自信が削られていく。
- 「続けたいのに続けられない」状態に近づく。
体力の不安を抱えたまま働き続けると、仕事の質だけでなく、生活全体にも影響が出やすくなります。
特に、「まだ動けるから」と無理を続けた結果、選択肢が残っているうちに動けなくなるケースも少なくありません。
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夜勤が「体力不安」を一気に強めることがある
体力・年齢への不安が強まるきっかけとして、夜勤が影響しているケースも多いです。
夜勤は、睡眠・食事・集中力・判断力のすべてに影響しやすく、疲れが抜ける前に次の勤務が来ることで、蓄積が加速します。
夜勤そのものが悪いわけではありません。
ただ、体力の不安が出たタイミングでは、夜勤との相性を一度見直した方が楽になることがあります。
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体力・年齢の不安とキャリア不安が重なる瞬間
体力に不安を感じ始めると、次に出てきやすいのが、
「今さら他の仕事はできないのでは」
「現場を離れたら価値がなくなるのでは」
「この年齢で環境を変えるのは遅いのでは」
といった、キャリア側の不安です。
この不安が強いほど、「辞める・続ける」だけで考えてしまい、調整の選択肢が見えづらくなります。
ですが、体力が落ちた=介護職として終わり、ではありません。
体力が落ちても続けられる理由
介護の現場では、体力以外にも求められる力が数多くあります。
- 状況判断の速さ。
- 利用者さんとの距離感。
- トラブルを未然に防ぐ視点。
- 新人職員へのフォロー。
これらは、年齢や経験を重ねてきたからこそ身についている力です。
体力だけで勝負し続ける必要はありません。役割を変えながら続ける道もあります。
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体力・年齢に不安が出たときの現実的な選択肢
- 夜勤回数を減らす、夜勤なしへ寄せる。
- 常勤から非常勤・短時間勤務へ。
- 身体介助の比重が低い業務へ。
- サポート・教育寄りの役割へ。
負担を下げることは、後退ではなく調整です。
体力に不安が出た時点で調整できるほど、選択肢は多く残ります。
判断を急がないための整理の仕方
- 「今つらい点」を具体的に書き出す。
- 何を減らせば楽になるか考える。
- 続ける前提・変える前提の両方で想像する。
体力や年齢の不安があるときほど、すぐに答えを出そうとしないことが大切です。
整理するだけでも、「辞めるしかない」という思い込みが緩むことがあります。
まとめ:不安が出た時点で、見直していい
- 体力・年齢への不安は自然な変化。
- 能力の問題ではなく、負担の蓄積。
- 続け方を変えれば道は残る。
介護の仕事は、無理を続けた人が残る仕事ではありません。
このページが、
「この先を考えてもいい」
「調整しながら続ける道もある」
そう思えるきっかけになれば幸いです。
今の状況に近いテーマから、整理を続ける

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。






