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家族はデイサービスを利用してほしいのに、親から「行きたくない」「知らない人ばかりで嫌だ」「家にいたい」と拒まれることがあります。
介護する家族としては、入浴や運動の機会を確保したい、日中安心して過ごしてほしい、自分も仕事や休息の時間を取りたいという事情があるでしょう。そのため、断られると「どう説得すればいい?」と焦りやすくなります。
ただし、デイサービスを嫌がる理由は人によって違います。まず「行かせる方法」を考えるより、本人が何を嫌だと感じているのかを確認することが大切です。
この記事では、親がデイサービスを嫌がる主な理由、家族ができる対応、ケアマネジャーや事業所へ相談するときのポイント、どうしても合わない場合の選択肢まで整理します。
親がデイサービスを嫌がる主な理由
「行きたくない」という言葉だけでは、本当の理由が分からないことがあります。本人にとって何が負担なのかを一つずつ確認しましょう。
知らない場所や人に不安がある
初めての施設へ行き、知らない利用者や職員と長時間過ごすことに緊張する人はいます。もともと集団行動が苦手な人なら、なおさら負担に感じる可能性があります。
「介護される場所」という印象に抵抗がある
本人がまだ自分は元気だと感じている場合、「デイサービスに行く=介護が必要な人になった」と受け止め、抵抗を感じることがあります。
本人の自尊心に関わるため、「みんな行っている」「もう一人では無理」と押し切るより、本人が何に抵抗しているのかを聞くことが大切です。
活動内容が本人の好みに合っていない
レクリエーションが苦手、静かに過ごしたい、運動をしたいのに希望する活動が少ないなど、事業所の雰囲気やプログラムが合っていない場合があります。
入浴や着替えを他人に手伝われたくない
家族には言いにくくても、他人に身体を見られることへの抵抗や、入浴介助への恥ずかしさが利用拒否につながっていることがあります。
実際に嫌だった出来事がある
すでに利用している場合は、送迎、席、食事、ほかの利用者との関係、職員とのやり取りなど、具体的な出来事が理由になっていないか確認します。
「認知症だから気分で嫌がっている」と決めつけず、本人なりの理由がないか探すことが重要です。
無理に説得する前に確認したいこと
家族が必要性を感じていても、本人にとってデイサービスの目的が分からなければ「なぜ行かなければならないのか」と感じます。
まず、家族側でも利用目的を整理しましょう。
- 自宅では難しい入浴を安全に行いたい
- 身体を動かす機会をつくりたい
- 日中の見守りが必要
- 人と交流する機会をつくりたい
- 家族が仕事へ行く時間を確保したい
- 介護者が休める時間をつくりたい
目的が分かれば、「今の事業所へ通わせること」だけにこだわらず、別の方法で解決できるかも考えられます。
デイサービスを嫌がる親に家族ができる対応
理由を聞くときは否定から入らない
「行けば楽しいよ」「家にいても仕方ない」と返す前に、「どんなところが嫌だった?」「何が心配?」と本人の感覚を確認します。
理由が一度で分からない場合もあります。利用日の朝だけ嫌なのか、帰宅後も嫌だったと話すのかなど、拒否が強くなる場面を見てみましょう。
見学や体験利用で雰囲気を確かめる
利用前なら、可能な範囲で見学や体験利用について事業所やケアマネジャーに確認しましょう。実際の雰囲気や職員との相性を知ることで、不安が小さくなることがあります。
本人の興味に合う事業所を探す
デイサービスは事業所によって特徴が異なります。運動を重視するところ、少人数で過ごすところ、認知症の方への対応を重視するところなどがあります。
厚生労働省の資料でも、通所サービスを嫌がるケースについて、本人の興味を引き出すようなデイサービスを調整する考え方が示されています。本人が好きだったことや、どのような環境なら過ごしやすいかをケアマネジャーへ伝えてみましょう。
最初から長時間・多い回数に固定しない
本人にとって環境変化が大きい場合は、利用時間や頻度を含めて無理のない始め方が可能か、ケアマネジャーや事業所へ相談します。
具体的な利用回数や時間は本人の状態、ケアプラン、事業所の対応などによって異なるため、一律に決めず個別に確認してください。
認知症の親がデイサービスを嫌がる場合は?
認知症があると、初めての場所への不安が強くなったり、利用する理由を理解しにくかったり、以前の嫌だった経験が感情として残ったりすることがあります。
その場合も、本人の訴えをすぐ訂正するより、不安や嫌な気持ちを受け止めたうえで、ケアマネジャーや事業所と対応方法を共有しましょう。
毎回の説得で家族が疲弊しないようにする
利用日のたびに家族が長時間説得し、本人と口論になる状態が続けば、介護者側の負担も大きくなります。
送迎時の声かけ、本人が安心しやすい職員、利用前の過ごし方など、事業所側で工夫できることがないか相談してみましょう。
デイサービスを嫌がるときはケアマネジャーに何を伝える?
「本人が行きたがりません」だけでなく、いつ、どんな言葉で拒否するか、利用後の様子はどうかを具体的に伝えると状況を整理しやすくなります。
- 利用日の朝だけ拒否するのか
- 前日から不安を訴えるのか
- 帰宅後はどのような様子か
- 特定の活動や入浴を嫌がっていないか
- 送迎時に困っていることがないか
- 本人が以前好きだった活動は何か
- 家族がデイサービスを必要としている理由
ケアマネジャーをまだ探している段階なら、ケアマネジャーの探し方・選び方も参考にしてください。
デイサービス自体が合わない場合は別の選択肢もある
工夫しても本人の拒否が強い場合、現在の事業所が本人に合っていない可能性や、そもそも通所型サービス以外の支援が適している可能性があります。
介護保険の通所介護は、施設へ通って入浴・排泄・食事などの介護や日常生活上の支援、機能訓練などを受けるサービスです。
一方、在宅では訪問系サービス、短期間宿泊するショートステイ、通い・訪問・宿泊を組み合わせる小規模多機能型居宅介護など、状況に応じて異なるサービスがあります。ショートステイも本人が嫌がる場合は、ショートステイを親が嫌がるときの理由と家族の対応も参考にしてください。
どれが利用できるかは本人の認定状況や地域、必要な支援によって異なるため、ケアマネジャーなどと相談してケアプラン全体を見直しましょう。
本人が嫌がっても家族の負担を我慢しすぎない
本人の希望を尊重することは大切ですが、介護する家族が休めない、仕事へ行けない、睡眠不足が続くといった状態を放置する必要はありません。
厚生労働省の家族介護に関する資料では、本人が通所サービスを嫌がる場合について、本人の興味を踏まえたデイサービスの調整や、訪問サービスなども含めて介護者が休息できる支援体制を検討する考え方が示されています。
本人の希望と家族が介護を続けられる条件の両方を考えることが必要です。
すでに介護負担が大きくなっている場合は、在宅介護の限界のサインと施設入居を考えるタイミングも確認してください。デイサービスを利用できず仕事との両立が難しくなっている場合は、親の介護と仕事を両立できないときに確認したい制度・相談先もあわせて整理しておくとよいでしょう。
親がデイサービスを嫌がるときによくある疑問
嫌がっていても無理に連れて行ったほうがいい?
本人の安全や緊急性など個別事情があるため一律には判断できません。まず拒否する理由を確認し、ケアマネジャーや事業所と対応を相談してください。家族だけで毎回強く説得する状態が続くなら、サービスや利用方法の見直しも検討します。
行く前は嫌がるのに帰宅すると機嫌がいい場合は?
出発前の環境変化や送迎への不安が強い可能性もあります。事業所で実際にどう過ごしているかを職員に確認し、本人の様子を家族・事業所・ケアマネジャーで共有しましょう。
別のデイサービスへ変えてもいい?
現在の事業所が合わないと感じる場合は、ケアマネジャーへ相談し、別の事業所を含めて検討できます。サービス内容や受け入れ状況は事業所ごとに異なるため、見学などで本人に合う環境か確認するとよいでしょう。
デイサービスに行かないと在宅介護はできない?
在宅介護で必要なサービスは家庭ごとに異なります。デイサービスだけが選択肢ではありません。本人の状態と家族の介護力を踏まえて、訪問系サービスなどを含めた支援体制をケアマネジャーと検討します。
どうしても利用が難しいときは「目的」から支援を組み直す
デイサービスを利用したかった理由が入浴なら別の入浴支援、見守りなら日中の支援、家族の休息ならショートステイなど、目的から別の方法を考えられる場合があります。
介護保険だけでは補いにくい家事や外出などの生活支援が必要なら、介護保険外サービスの種類・費用・利用メリットも選択肢の一つです。
まだどこへ相談すればよいか分からない場合は、地域包括支援センターで相談できることから確認してください。
まとめ|デイサービスを嫌がる理由を知ることから始める
親がデイサービスを嫌がるときは、家族が必要性を説明し続けるだけでは解決しないことがあります。
知らない環境への不安、活動内容、入浴への抵抗、過去の嫌な経験など、本人が何を負担に感じているのかを確認しましょう。
そのうえで、本人に合う事業所への変更、利用方法の調整、別の介護サービスなどをケアマネジャーと検討します。
「デイサービスへ行かせること」ではなく、本人の生活と家族の介護を無理なく支えることが目的です。本人の拒否も家族の負担も抱え込まず、支援の組み合わせを見直していきましょう。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
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