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「記録が終わらず毎日残る」「申し送りや会議で定時に帰れない」「残業を申請しづらい」。介護職を続けたい気持ちはあっても、残業が積み重なると「この職場はもう辞めたほうがいいのでは」と考えることがあります。
大切なのは、残業があることだけで結論を急ぐのではなく、残業の原因・改善できる余地・残業時間が適切に扱われているかを分けて確認することです。今の職場で改善できるケースもあれば、職場そのものを変えたほうが希望する働き方に近づきやすいケースもあります。
この記事では、介護職で残業が多くなる理由、サービス残業を含めて確認したいこと、続ける・相談する・転職する判断基準、辞める前に整理しておきたいことを中心に解説します。「残業が少ない求人をどう探すか」ではなく、「今の職場を続けるかどうかをどう判断するか」を整理したい方に向けた内容です。
介護職で残業が多くなりやすい主な理由
介護職の残業は、単純に「仕事が遅いから」発生するとは限りません。利用者対応を優先すると記録が後ろにずれたり、交代勤務の申し送りが長引いたりと、現場の仕組みや人員配置によって残業が発生することがあります。
記録や入力作業が勤務時間内に終わらない
食事・排泄・入浴・服薬・事故やヒヤリハットなど、介護現場では記録する内容が多くあります。日中に利用者対応が続くと、記録をまとめて終業前後に入力する職場もあります。
申し送り・家族対応・急なケアで退勤が遅れる
交代勤務では、次の職員へ状態変化や注意点を伝える必要があります。さらに、転倒などの突発的な対応、家族からの連絡、受診対応が重なると、予定どおりに業務を終えにくくなります。
会議・委員会・研修が勤務時間外に設定されている
介護施設では事故防止、感染対策、身体拘束適正化などの会議や研修が行われます。参加が必要なものが勤務時間外に設定されていると、通常業務とは別に時間が必要になります。
人手不足で一人あたりの業務が増えている
欠勤者のフォロー、入浴や食事介助の応援、予定外のシフト変更が常態化すると、個人の工夫だけでは残業を減らせないことがあります。
「サービス残業かも」と感じたときに確認したいこと
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間とされ、明示または黙示の指示により業務に従事する時間は労働時間に当たるとされています。業務上参加が必要な研修や、指示された準備・後始末なども、状況によって労働時間として扱う必要があります。
また、法定労働時間は原則として1日8時間・週40時間で、時間外・休日労働を行わせる場合には36協定などのルールがあります。所定労働時間外の労働に対して必要な賃金や割増賃金を支払わない「賃金不払残業」は認められていません。
まずは次の点を事実として整理してみてください。
- 実際に仕事を始めた時刻と終えた時刻
- タイムカードや勤怠システム上の時刻
- 残業申請をした時間と実際に働いた時間
- 終業後に行っている記録・申し送り・会議・研修
- 残業申請を控えるよう求められていないか
労働時間に当たるかは個別の状況で判断されます。制度を確認したい場合は、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」や「労働時間・休日」も確認できます。
「今日は残業できない」と伝える方法や、残業を断れる・断りにくいケースを確認したい方は、残業の断り方と角が立ちにくい例文で詳しく整理しています。
残業を理由に辞めるか迷ったときの判断基準
「残業がある=すぐ辞めるべき」「少し我慢すればいい」と一律には決められません。見るべきなのは、一時的な忙しさなのか、改善しにくい状態が続いているのかです。
今の職場で改善を試しやすいケース
- 特定の時期や欠員によって一時的に残業が増えている
- 上司が業務量やシフトについて相談に応じてくれる
- 記録方法や業務分担の見直しが進んでいる
- 残業時間が正しく記録され、手当も支給されている
この場合は、まず「どの業務が何分程度残っているか」を具体的に伝えると、業務分担や担当変更を相談しやすくなります。
職場を変える選択肢も具体的に検討したいケース
- ほぼ毎回の勤務で残業が発生している
- 残業申請をしづらい・申請しないことが慣例になっている
- 人手不足が長期間続いても業務量の調整がない
- 相談しても「みんな残っているから」と改善されない
- 家庭生活や休息時間を確保しにくい状態が続いている
介護の仕事そのものを辞めたいのではなく、「今の職場の働き方を続けるのが難しい」だけなら、同じ介護職でも環境を変える余地があります。残業、夜勤、休日、身体的負担など、何を変えたいのかを切り分けることが次の判断につながります。
辞める前にできる4つの整理
1. 2〜4週間ほど実際の残業を記録する
「毎日かなり残っている」という感覚だけでなく、退勤時刻、残業になった理由、残った業務を簡単に記録します。曜日やシフトによって偏りがあるかも見えてきます。
2. 残業の原因を「自分で変えられるもの」と「職場の仕組み」に分ける
記録入力の順番を変えることで短縮できる場合もあれば、人員配置や会議時間のように個人では変えにくい問題もあります。後者が中心なら、努力だけで解決しようとしないことが大切です。
3. 上司には「つらい」だけでなく具体的な業務を伝える
たとえば「遅番のたびに記録が30分ほど残る」「委員会の日は通常業務後に1時間かかる」など、状況を具体化します。業務の優先順位、担当変更、記録時間の確保などを相談しやすくなります。
4. 退職前に求人を見て選択肢を把握する
すぐ応募しなくても、残業時間、夜勤回数、年間休日、勤務時間などを見ておくと、「今より条件を変えられるのか」を現実的に比較できます。
次の仕事を決めてから辞めるか迷っている場合は、介護職は次が決まっていないまま辞めても大丈夫かを整理した記事も参考になります。
転職を考えるなら「何を変えたいか」を先に決める
残業がつらくて転職を考えるときも、「残業なし」という1条件だけで求人を選ぶと、給与、通勤、夜勤、休日など別の条件でミスマッチが起きることがあります。まずは今の職場で何が一番つらいのか、次の職場では何を変えたいのかを整理します。
- 月の残業時間を減らしたい
- 夜勤をなくしたい・回数を減らしたい
- 年間休日や希望休を増やしたい
- 給与や手当を大きく下げたくない
- 通勤時間を短くしたい
- 身体介助の負担を減らしたい
- 子育てや家族事情と両立しやすくしたい
そのうえで、譲れない条件を2〜3個に絞ると、求人同士を比較しやすくなります。
夜勤なし・残業少なめの求人をどう探すかは、検索意図を分けて介護職で夜勤なし・残業少なめの求人を探す方法で詳しく解説しています。この記事では求人選びを深掘りせず、「今の職場を続けるかどうか」の判断に絞ります。
転職サイトや求人サービスを比較したい段階なら、介護転職サイト・求人サービスの目的別比較も参考になります。
まとめ
介護職で残業が多く「辞めたい」と感じたときは、まず残業が発生する原因と、それが改善できる問題かどうかを整理してみてください。
記録や申し送りが毎回勤務時間外に残る、残業を申請しにくい、人員不足が長期化している、相談しても改善されない場合は、今の職場だけに選択肢を限定する必要はありません。
一方で、介護職そのものを辞めなくても、職場を変えることで残業・夜勤・休日などの条件を変えられる可能性があります。「介護を辞めたい」のか、「今の働き方を変えたい」のかを分けて考えることが、次の行動を決める手がかりになります。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
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