介護休暇と介護休業の違いは?日数・使い方・給付金と仕事を辞める前の活用法

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親の介護と仕事を両立しようとすると、「介護休暇と介護休業は何が違う?」「通院の付き添いならどちらを使う?」「長く休むと給料はどうなる?」と迷うことがあります。

名前は似ていますが、介護休暇と介護休業は役割が異なります。介護休暇は通院の付き添いやケアマネジャーとの打ち合わせなど、日常的な介護の用事にスポットで対応するときに使いやすい制度です。一方、介護休業は一定期間仕事を休み、その間に介護サービスの手配や家族の役割分担など、今後も働きながら介護できる体制を整えるために活用できます。

この記事では、介護休暇と介護休業の違い、取得できる日数、対象となる家族、介護休業給付、2025年4月から強化された両立支援、実際の使い分けを整理します。

介護休暇と介護休業の大きな違いは「短い用事」と「介護体制づくり」

介護休暇と介護休業は、どちらも要介護状態にある対象家族を介護する労働者を支える制度ですが、想定されている使い方が異なります。

介護休暇は、通院への付き添い、介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、介護に関する用事へ短時間・短期間で対応するときに利用できます。

介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して取得できる制度です。単に93日間ずっと家族だけで介護するためではなく、介護サービスの導入や今後の生活・仕事の組み立てなど、長期的に仕事と介護を両立する体制を整える期間として考えることが重要です。

介護休暇とは?年5日または10日まで時間単位でも取得できる

介護休暇は、要介護状態にある対象家族の介護や世話をするために取得できる休暇です。

取得できる日数は、対象家族が1人なら1年間に5日まで、2人以上なら1年間に10日までです。1日単位だけでなく、時間単位でも取得できます。

たとえば次のような場面で利用できます。

  • 親の通院に付き添う
  • ケアマネジャーとの打ち合わせに参加する
  • 介護サービスの手続きや調整をする
  • 一時的に家族の介護や世話をする

会社の就業規則に申請方法が定められている場合は、その方法も確認します。法律上、介護休暇の申出は書面だけに限定されていません。

介護休業とは?対象家族1人につき通算93日・3回まで

介護休業は、要介護状態にある対象家族を介護するため、一定期間仕事を休める制度です。

対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割取得できます。希望する日から休業を始めるためには、原則として休業開始予定日の2週間前までに事業主へ申し出ます。

介護休業中にできることは、家族自身が介護することだけではありません。

  • 要介護認定や介護サービス利用の手続きを進める
  • ケアマネジャーと今後の介護体制を相談する
  • デイサービスや訪問介護などを組み合わせる
  • 兄弟姉妹や親族の役割分担を決める
  • 遠距離介護や緊急時の連絡方法を整える
  • 会社と復帰後の働き方を相談する
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介護休業の93日を「自分だけで介護する93日」と考える必要はありません。休業後も働き続けられる介護体制をつくるための期間として使う視点が大切です。

介護休暇・介護休業の対象になる家族は?

対象となる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。

「親の介護」で利用する場合、自分の父母だけでなく配偶者の父母も対象に含まれます。

制度を利用するには、対象家族が負傷、疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態であることが基本となります。

なお、介護保険の要介護認定と、育児・介護休業法上の「要介護状態」は同じ制度ではありません。要介護認定を受けていないことだけを理由に自己判断で対象外と決めず、勤務先の担当部署などへ確認しましょう。

介護休暇と介護休業はどう使い分ける?

迷ったときは、「その日だけ対応すればよい用事か」「介護体制そのものを組み直す必要があるか」で考えると整理しやすくなります。

数時間の通院付き添いやケアマネジャーとの面談なら、時間単位の介護休暇が使いやすい場合があります。

一方、親が急に退院することになり、要介護認定、在宅サービス、福祉用具、家族の役割分担、会社との働き方調整をまとめて進める必要がある場合は、介護休業を検討する余地があります。

両方を二者択一にする必要はありません。介護休業で体制を整えたあと、日常的な通院や打ち合わせには介護休暇を使うなど、状況に合わせて組み合わせます。

介護休暇・介護休業中の給料は?介護休業給付も確認する

介護休暇や介護休業を取得した日の賃金が支払われるかどうかは、会社の就業規則などによって異なります。法律上の制度があることと、その休暇・休業期間が会社から有給になることは分けて確認する必要があります。

介護休業については、雇用保険の被保険者が一定の要件を満たす場合、介護休業給付の対象になることがあります。支給額は原則として休業開始時賃金日額に支給日数を掛けた額の67%相当ですが、休業中に会社から賃金が支払われた場合などは支給額が調整されることがあります。

実際に受給できるか、支給額がいくらになるかは雇用状況や休業中の賃金などで変わるため、勤務先やハローワークで確認してください。

介護休暇・介護休業だけではない|短時間勤務や残業制限もある

仕事と介護を両立する制度は、介護休暇と介護休業だけではありません。

事業主には、対象家族を介護する労働者が利用できる短時間勤務等の措置として、短時間勤務、フレックスタイム、時差出勤、介護サービス費用の助成などから、一定の措置を設けることが求められています。

また、要件を満たせば所定外労働の制限や時間外労働・深夜業の制限を利用できる場合があります。

「丸一日休むほどではないが毎日の勤務時間を調整したい」という場合は、休暇だけを見るのではなく、勤務時間に関する制度も勤務先へ確認しましょう。

2025年4月から介護離職防止のための会社の対応が強化された

2025年4月1日から、育児・介護休業法の改正により、介護離職を防ぐための両立支援が強化されています。

労働者が介護に直面したことを勤務先へ申し出た場合、事業主は介護休業や両立支援制度などを個別に周知し、利用の意向を確認することが義務付けられました。

また、介護に直面する前の早い段階として、40歳前後の労働者への制度情報の提供も事業主に求められています。

介護休暇については、2025年4月から「継続雇用6か月未満」を労使協定によって対象外にできる仕組みが廃止されました。ただし、週の所定労働日数が2日以下の労働者については、労使協定により対象外となる場合があります。

親の介護で仕事を辞める前に制度を使って介護体制を整える

介護が始まった直後は、通院、申請、サービス調整などが一度に重なり、「仕事を続けるのは無理」と感じることがあります。

ただし、介護の状態は変化するため、退職を決める前に、介護休業や介護休暇、短時間勤務などを使って、働きながら続けられる体制を作れないか確認することが重要です。

会社への相談だけでなく、親の介護サービスについてはケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談し、家族だけで担っている介護を減らせないか検討します。

仕事との両立全体を整理したい場合は、親の介護と仕事を両立できないと感じたら?も参考にしてください。

介護そのものをどこから始めればよいか分からない場合は、親の介護は何から始める?、相談先を知りたい場合は地域包括支援センターは何を相談できる?で整理しています。

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会社には「介護で大変です」だけでなく、通院の曜日、必要な時間帯、今後調整したい働き方を具体的に伝えると、利用できる制度を確認しやすくなります。

介護休暇と介護休業でよくある疑問

介護休暇は有給休暇とは別ですか?

年次有給休暇とは別の制度です。ただし、介護休暇を取得した日の賃金が有給になるか無給になるかは、勤務先の規定を確認する必要があります。

介護休業を93日連続で取らないといけませんか?

いいえ。対象家族1人につき通算93日の範囲で、3回まで分割して取得できます。

介護休暇は1時間だけでも使えますか?

原則として時間単位で取得できます。ただし、時間単位での取得が困難と認められる業務について、労使協定で時間単位取得の対象外となっている場合があります。

パートやアルバイトでも使えますか?

雇用形態だけで一律に対象外になるわけではありません。介護休暇・介護休業にはそれぞれ対象要件や、労使協定によって対象外となる場合の条件があります。有期契約の場合は契約期間に関する要件もあるため、勤務先へ確認してください。

介護休業中はずっと親のそばにいなければいけませんか?

介護休業は、直接介護だけでなく、介護サービスの手続きなどを含め、今後の介護体制を整えるためにも活用できます。休業後に仕事へ戻ることを見据えて、外部サービスや家族の役割分担を整えることが重要です。

まとめ|介護休暇は短い対応、介護休業は働き続ける体制づくりに活用する

介護休暇と介護休業は名前が似ていますが、使い方は異なります。

介護休暇は、対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、1日または時間単位で利用できます。通院付き添いやケアマネジャーとの打ち合わせなど、日常の介護に伴う短い対応に使いやすい制度です。

介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。仕事を辞めずに介護を続けるための体制を整える期間として活用することがポイントです。

介護が始まったときは、介護休暇・介護休業だけでなく、短時間勤務や残業制限なども含めて勤務先へ確認し、同時にケアマネジャーや地域包括支援センターと介護サービスを整えていきましょう。

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