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実務者研修を調べていると、「介護過程Ⅲ」という科目を見て、具体的に何をするのか、難しくないのかと不安になる方もいるでしょう。
介護過程Ⅲは、実務者研修で学んだ知識を使い、利用者の情報を整理して介護計画を考え、実践・評価につなげるスクーリング科目です。厚生労働省の基準では45時間とされ、事例を使った介護過程の展開と介護技術の評価が中心になります。
この記事では、介護過程Ⅰ・Ⅱとの違い、スクーリングで行うこと、評価の考え方、つまずきやすいポイント、受講前に準備しておきたいことを順番に整理します。なお、実際の日数・時間割・評価方法・欠席時の扱いは養成施設によって異なるため、最終的には受講先の案内を確認してください。
介護過程Ⅲとは?実務者研修の45時間のスクーリング科目
介護過程Ⅲは、介護福祉士実務者研修のカリキュラムに含まれる45時間のスクーリング科目です。
厚生労働省が示す養成課程では、介護過程Ⅲについて「多様な事例を設定して介護過程を展開すること」と「介護技術の評価」を行い、知識・技術を総合的に活用する分析力・判断力・応用力を評価する内容が示されています。
つまり、用語を暗記するだけの科目ではありません。利用者の状態や希望を読み取り、「なぜこの支援が必要なのか」を考え、計画し、実践につなげる力を確認する科目です。
介護過程Ⅰ・Ⅱとの違い
大まかに整理すると、介護過程Ⅰでは介護過程の目的や基本的な展開を学び、介護過程Ⅱでは事例を使って情報収集、アセスメント、計画立案、実施、モニタリング、見直しまでを考えます。
介護過程Ⅲでは、それまでに学んだ内容をスクーリングで総合的に使います。「知っている」から「事例に合わせて使える」へ進む段階と考えると分かりやすいでしょう。
介護過程Ⅲでは何を学ぶ?中心は事例展開と介護技術
介護過程Ⅲの中心は、利用者の事例をもとに介護過程を展開することです。養成施設によって授業の組み方は異なりますが、主に次のような流れを学びます。
- 利用者に関する情報を収集・整理する
- 心身の状態、生活歴、環境、希望などからアセスメントする
- 生活上の課題や必要な支援を整理する
- 本人の希望を踏まえて目標を設定する
- 具体的な介護計画を立案する
- 計画をもとに介護技術を実践する
- 実施後に評価し、必要に応じて計画を見直す
アセスメントでは「情報」と「解釈」を分ける
初めにつまずきやすいのがアセスメントです。事例文に書かれた事実をそのまま並べるだけでは、介護計画にはつながりません。
たとえば「歩行時にふらつきがある」という情報があれば、それだけで支援方法を決めるのではなく、身体機能、普段の移動方法、本人の希望、住環境、転倒歴などを組み合わせて考えます。
大切なのは、事実→考えられること→必要な支援のつながりを意識することです。
介護計画では本人の生活を中心に考える
介護計画は「介護職が何をしてあげるか」を並べるものではありません。利用者がどのような生活を送りたいのかを確認し、その実現に必要な支援を考えます。
安全だけを優先して本人のできることまで奪っていないか、目標が介護者側の都合になっていないか、といった視点も重要です。
介護技術は計画とのつながりが問われる
実技では、単に手順を再現するだけでなく、利用者の状態に合わせて安全に支援できるかがポイントになります。声かけ、説明、残存能力の活用、安全確認、尊厳への配慮などを含めて考えます。
介護技術そのものだけでなく、なぜその方法を選んだのかを介護計画と結びつけて説明できるようにしておくと理解が深まります。
介護過程Ⅲのスクーリングは何日?授業の流れを確認
介護過程Ⅲの時間数は45時間ですが、何日間に分けるかは養成施設によって異なります。実際に5日程度で組む学校もあれば、7日間などで実施する学校もあります。
そのため、「介護過程Ⅲは必ず5日」と決めつけず、申込先のスクーリング日程を確認することが大切です。
授業ではグループワークやロールプレイも行われる
介護過程Ⅲでは、講義を聞くだけでなく、事例検討、グループワーク、ロールプレイ、介護技術演習などが行われることがあります。
自分一人では気づかなかった視点を他の受講者から得られるのが、スクーリングの大きな意味です。現場経験がある人でも、普段の介護を言葉にして説明することで新しい気づきにつながります。
スクールによって授業順序は違う
ある養成施設では、基礎知識から始め、事例検討と介護技術を進め、最終日に習得度を評価する構成が採られています。一方、別の施設では45時間を7回に分け、アセスメント、計画立案、介護技術の実践、評価へ進む日程が示されています。
受講日数だけでなく、事前課題の締切・スクーリング参加条件・振替の可否まで確認しておきましょう。
介護過程Ⅲの評価では何を見られる?
介護過程Ⅲでは、養成施設ごとの修了認定基準に基づいて評価が行われます。具体的な試験形式や合格基準は受講先によって異なるため、「全国一律で何点なら合格」と考えないようにしましょう。
一方、厚生労働省のカリキュラム上は、次のような力を身につけることが到達目標として示されています。
- 利用者の状況に応じて介護過程を展開できる
- アセスメントから計画、実施、モニタリング、見直しまでを系統的に行える
- 安全確保や事故防止を考えられる
- 家族、多職種、他機関との連携を考えられる
- 利用者の状態に応じた介護技術を実践できる
評価は「完璧な介護職か」を判定するものではない
受講前からすべてを完璧にできる必要はありません。授業で学んだ考え方を使い、根拠を持って介護を組み立てられるようになることが重要です。
分からないところを放置せず、講師のフィードバックを受けて修正する姿勢も学習の一部と考えましょう。
介護過程Ⅲが難しいと感じやすい4つのポイント
介護過程Ⅲは、暗記だけでは進めにくいため、初めは難しく感じることがあります。特につまずきやすいのは次の4点です。
1.事例から必要な情報を拾えない
事例文には、身体状況だけでなく、生活歴、家族関係、本人の言葉、環境など複数の情報が含まれます。最初から結論を決めず、「本人は何を望んでいるか」「生活上どこに困りごとがあるか」と分けて整理すると考えやすくなります。
2.アセスメントが感想になってしまう
「かわいそう」「危ないと思う」といった感想だけでは、支援の根拠として不十分です。どの情報からそう考えたのかを言葉にしましょう。
「ふらつきがあるため危ない」で終わらせず、移動状況や環境、本人の能力などを確認して、必要な支援につなげます。
3.目標と援助内容がつながらない
長期目標・短期目標を書いても、具体的な援助内容との関係が弱いと計画全体が分かりにくくなります。
「この援助を続けると、どの目標に近づくのか」と逆方向から確認すると、計画のズレを見つけやすくなります。
4.実技で緊張して普段通りに動けない
評価を意識すると、手順を思い出すことだけに集中しがちです。しかし、利用者への説明、安全確認、できる動作を活かすことなども重要です。
練習では手順だけでなく、「声かけ→確認→支援→確認」のように利用者とのやり取りを含めて反復すると、本番でも流れを作りやすくなります。
介護過程Ⅲの受講前に準備しておきたいこと
スクーリング前にすべてを予習する必要はありません。ただし、介護過程Ⅰ・Ⅱで学んだ基本を軽く振り返っておくと、事例演習に入りやすくなります。
アセスメントから評価までの順番を確認する
最低限、情報収集→アセスメント→課題の整理→目標→介護計画→実施→評価・見直しという流れを、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
ICFは「分類名の暗記」だけにしない
ICFを学ぶ際は用語だけでなく、心身機能・活動・参加・環境などが利用者の生活にどう影響し合うのかを考えることが大切です。
現場の利用者を思い浮かべ、「できないこと」だけでなく「できること」「環境を変えればできそうなこと」を探す練習も役立ちます。
受講先のルールを先に確認する
介護過程Ⅲはスクーリング科目なので、学習内容と同じくらい出席管理も重要です。次の点は事前に確認しておきましょう。
- 全日程と開始・終了時刻
- 遅刻・早退・欠席の扱い
- 振替授業や補講の有無
- スクーリング参加までに終える課題
- 持ち物や服装
- 評価方法と再評価の扱い
欠席したらどうなる?不合格が心配なときの確認点
介護過程Ⅲは45時間のスクーリングとして設定されているため、欠席や遅刻を軽く考えないことが大切です。養成施設によっては、所定時間の受講を評価の前提としているところもあります。
ただし、振替・補講・再評価などの扱いは学校によって異なります。仕事や家庭の事情で欠席の可能性がある場合は、申し込み前に規定を確認しておくと安心です。
評価で基準に届かなかった場合も受講先へ確認する
評価基準に届かなかった場合の再試験・再評価・補講の有無も、養成施設の規定によります。ネット上の「誰でも受かる」「一度落ちたら終わり」といった断定だけで判断せず、受講先の正式な案内を確認してください。
実務者研修全体で不合格や修了できないケースが気になる方は、実務者研修で落ちる人はいる?試験・評価と修了できないケースも参考にしてください。
介護過程Ⅲと一緒に確認したい実務者研修の学習
介護過程Ⅲだけを切り離して対策するより、実務者研修全体の流れの中で理解したほうが学びやすくなります。
カリキュラム全体を先に把握する
実務者研修には介護過程だけでなく、こころとからだのしくみ、認知症、障害、医療的ケアなど複数の科目があります。全体像は実務者研修の20科目・450時間のカリキュラムで整理しています。
課題が進まないなら勉強方法を見直す
スクーリング前の通信課題で止まっている場合は、勉強時間を増やすだけでなく、提出期限から逆算して進めることが重要です。実務者研修の勉強方法と働きながら課題を進めるコツも確認してみてください。
スクーリング全体を知りたい場合
介護過程Ⅲ以外の通学内容や持ち物などを含めて確認したい方は、実務者研修のスクーリング内容・日程・持ち物もあわせて読むと整理しやすくなります。
まとめ|介護過程Ⅲは「根拠のある介護」を組み立てる科目
実務者研修の介護過程Ⅲは、45時間のスクーリングを通して、事例から利用者を理解し、アセスメント、介護計画、実践、評価・見直しまでを総合的に学ぶ科目です。
難しく感じやすいのは、暗記ではなく「情報から考える」「根拠を説明する」ことが求められるためです。ただ、介護過程Ⅰ・Ⅱの基本を振り返り、本人の希望を中心に事実と解釈をつなげていけば、考え方は整理しやすくなります。
また、日数や評価方法、欠席時の扱いは養成施設によって異なります。受講前には、スクーリング日程だけでなく、事前課題、出席条件、振替・再評価のルールまで確認しておきましょう。
実務者研修そのものを取るか迷っている段階なら、実務者研修を取るか迷っている方へ|目的・負担・将来性を整理するガイドから確認すると、自分に必要な学びか判断しやすくなります。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。






