介護職員初任者研修の受講中に、「最後の試験に落ちたら資格を取れない?」「一度不合格になったら最初から受け直し?」と不安になる方は少なくありません。
結論からいうと、初任者研修には全科目の履修後に行う修了評価(筆記試験)があり、一定の理解度が求められます。ただし、不合格時の再評価・補講などの扱いは都道府県の実施要領や研修事業者の学則によって異なります。一度の不合格だけで「もう資格を取れない」と決めつける必要はありません。
この記事では、初任者研修の試験で落ちることはあるのか、不合格になったときに何を確認すればよいのか、試験前にどこを復習すべきかを整理します。
初任者研修の試験に落ちることはある?
初任者研修は、講義や演習に出席するだけで自動的に修了できる仕組みではありません。全科目を履修した後、学んだ知識が身についているかを確認する修了評価が行われます。
たとえば東京都の実施細目では、介護職員初任者研修課程の筆記試験を1時間以上とし、100点満点で70点以上にあたるC評価以上を基準としています。一方、具体的な運用は地域や研修事業者によって異なるため、全国すべての講座で「70点が絶対基準」と考えるのではなく、自分が受講している講座の学則・修了認定基準を確認することが大切です。
大阪府の実施要領でも、全科目修了後に1時間以上の筆記試験による修了評価を行うことが定められています。
つまり、初任者研修の試験は形式だけのものではなく、理解が不足していれば基準に届かない可能性があります。ただし、介護職の入口に位置する研修として、授業で学んだ基本事項を理解しているかを確認する性格が強い試験です。
研修全体の難しさが気になる方は、初任者研修は本当に難しい?つまずく人の共通点と判断基準も参考にしてください。
修了評価で不合格になったらどうなる?
最も重要なのは、不合格後の扱いを受講中のスクールへすぐ確認することです。
都道府県や研修事業者によって、再評価の方法、補講の有無、受けられる回数、期限、追加費用などが異なる場合があります。大阪府の介護職員初任者研修に関するQ&Aでは、修了評価試験で不合格となり再評価が必要な受講者について、研修事業者が速やかに対応する必要があると示されています。
不合格だった場合は、次の項目を確認しましょう。
- 再試験・再評価を受けられるか
- 再評価までに補講が必要か
- 再評価の日程と申込方法
- 再評価や補講に追加料金がかかるか
- 修了できる期限がいつまでか
- 再評価で重点的に確認される範囲
スクールから渡された学則、受講案内、修了認定基準にも記載されていることがあります。ネット上の別スクールの体験談だけで判断せず、必ず自分の受講先のルールを確認してください。
初任者研修の試験で落ちる人に考えられる原因
「頭が良くないと受からない」というより、学習範囲の取りこぼしや復習不足が影響しやすいと考えたほうが対策しやすくなります。
授業内容を復習せず試験直前を迎えた
初任者研修では、介護保険制度、尊厳と自立支援、認知症、老化、障害、コミュニケーション、こころとからだのしくみ、生活支援技術など幅広い内容を学びます。用語だけを直前に暗記しようとすると、似た概念を混同しやすくなります。
まず全体像を確認したい場合は、初任者研修のカリキュラム内容と学習の流れを見ながら、苦手分野を洗い出すと整理しやすくなります。
問題文を急いで読み、選択肢を取り違える
知識があっても、「適切なもの」「適切でないもの」などの条件を読み落とすと失点につながります。試験では問題文の条件を確認してから選択肢を見る習慣をつけましょう。
実技の手順だけ覚え、理由を理解していない
介助方法は「この順番だから」と丸暗記するより、利用者の安全、自立支援、尊厳、ボディメカニクスなどの理由と結びつけて覚えるほうが理解しやすくなります。
実技の手順がなかなか身につかない方は、初任者研修の実技が覚えられないときの7つのコツで、練習方法を確認できます。
試験前に優先して復習したいポイント
試験対策で大切なのは、教材を最初から何度も読み返すことではなく、理解が曖昧な部分を見つけて埋めることです。
- 授業やレポートで間違えた問題を解き直す
- 講師が繰り返し説明した重要事項を確認する
- 介護の基本原則を「なぜそうするのか」まで説明する
- 認知症・老化・障害の特徴を混同していないか確認する
- 介護保険や職業倫理など用語が多い分野を整理する
- 生活支援技術を安全・尊厳・自立支援と結びつける
特に間違えた問題は、その答えだけでなく「なぜ他の選択肢が違うのか」まで確認すると応用が利きやすくなります。
実際に落ちたときの立て直し方
すでに不合格の結果を受け取った場合は、落ち込んだまま教材を最初から読み直すより、次の順番で動くほうが効率的です。
- スクールへ再評価の条件と期限を確認する
- 自分の得点や苦手分野を確認できるか聞く
- 間違えた分野を教材・レポートに戻って復習する
- 分からない部分を講師へ質問する
- 再評価の日から逆算して短時間でも毎日復習する
再試験まで時間が短い場合は、範囲を広げすぎないことも重要です。理解できている分野より、間違いが多かった分野や説明できない項目を優先しましょう。
「実技で失敗したら不合格?」と不安な場合
初任者研修では実技演習も重要ですが、授業中に一度手順を間違えたことと、研修そのものを修了できないことは同じではありません。研修では知識・技術の習得度を確認しながら進めるため、苦手な動作があるなら早めに講師へ確認し、練習で修正していくことが大切です。
東京都の実施細目でも、修了時の評価ポイントに示す知識・技術の習得が十分でない場合、必要に応じて補講等を行い、筆記試験前に到達目標へ達するよう努めることが示されています。
「実技が覚えられない=落ちる」と考えるより、苦手な動作を具体化して一つずつ修正しましょう。
これから受講する人は再試験・サポートも確認しよう
これから初任者研修を選ぶ方は、受講料や通いやすさだけでなく、学習サポートも確認しておくと安心です。
- 欠席時の振替や補講制度
- 課題について質問できる方法
- 修了評価で基準に届かなかった場合の対応
- 再評価・補講の費用
- 受講期限
講座選びで迷っている方は、初任者研修の通信講座おすすめ比較と選び方もあわせて確認してみてください。
初任者研修の試験でよくある疑問
試験は何点取れば合格ですか?
修了認定基準は受講地域・研修事業者の規定を確認してください。例として東京都では、100点満点の70点以上にあたるC評価以上を基準としています。全国一律の数字として思い込まず、受講先の学則を確認するのが確実です。
不合格なら130時間すべて受け直しですか?
一律に「全科目を最初から受け直す」とは限りません。再評価や補講の扱いが設けられている場合があります。まず受講先へ、不合格後の手続きと修了期限を確認してください。
試験問題はスクールによって違いますか?
具体的な問題は研修事業者側で作成されます。東京都では、定められた修了時の評価ポイントに沿って各対象科目から問題を設定することが求められています。授業や教材から離れた特殊な知識を追うより、受講中に扱った基本事項を確実に復習することが重要です。
まとめ|落ちたら再評価の条件を確認し、苦手分野から立て直そう
初任者研修には修了評価があり、理解が基準に届かなければ不合格になる可能性はあります。しかし、不合格になったからといって、その時点で資格取得を諦める必要はありません。
まず受講先へ再評価・補講・期限・費用を確認し、自分が間違えた分野を絞って復習することが大切です。これから試験を受ける方も、レポートや授業でつまずいた部分を早めに整理しておけば、直前の負担を減らせます。
初任者研修そのものを受けるか迷っている段階なら、初任者研修を取るか迷っている方のための判断ガイドから、自分に必要な資格か整理してみてください。
参考情報

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。






