重度訪問介護の統合課程とは?20.5時間のカリキュラム・実習・喀痰吸引を解説

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重度訪問介護で働くための研修を調べると、「基礎課程」「追加課程」「統合課程」という名称が出てきます。なかでも統合課程は、喀痰吸引や経管栄養に関する内容も含むため、何を学べるのか分かりにくい研修です。

統合課程は、介護職員初任者研修130時間を短縮・統合した研修ではありません。重度訪問介護従業者養成研修の基礎課程・追加課程に相当する内容と、喀痰吸引等研修(第三号研修)の基本研修に相当する内容を組み合わせた課程です。

この記事では、公的な研修カリキュラムをもとに、標準例として使われている20.5時間の内訳と、修了後にできること・できないことを整理します。

重度訪問介護の統合課程とは

重度訪問介護従業者養成研修は、常時介護を必要とする重度障害のある人への支援に必要な知識・技術を学ぶ研修です。都道府県等の指定を受けた研修事業者が実施しています。

統合課程は、重度訪問介護従業者養成研修の基礎課程・追加課程と、喀痰吸引等研修(第三号研修)の基本研修に相当する内容を統合した課程として位置づけられています。

介護職員初任者研修は130時間の別制度です。統合課程を修了しても、介護職員初任者研修を修了したことにはなりません。

統合課程そのものの特徴や、どんな人に向くかを先に確認したい場合は、重度訪問介護の統合課程のメリットと注意点で整理しています。

カリキュラムは標準例で20.5時間

東京都、埼玉県、千葉県などが示す統合課程のカリキュラムでは、合計20.5時間が基準例となっています。

区分 時間
講義 11時間
演習 1時間
実習 8.5時間
合計 20.5時間

ただし、全国すべての講座が20.5時間・同じ日数とは限りません。国の基準以上の内容を都道府県が定めることができ、たとえば大阪府では統合課程を30時間としています。

受講日数も、1日あたりの研修時間や実習方法によって変わります。「統合課程は必ず2日」「必ず3日」と全国共通の日数で説明することはできません。

講義11時間で学ぶ内容

20.5時間のカリキュラム例では、講義は合計11時間です。

主な科目 時間
重度の肢体不自由者の地域生活等に関する講義 2時間
基礎的な介護技術に関する講義 1時間
コミュニケーションの技術に関する講義 2時間
喀痰吸引を必要とする重度障害者の障害と支援・緊急時対応等 3時間
経管栄養を必要とする重度障害者の障害と支援・緊急時対応等 3時間

重度訪問介護では、身体介助だけでなく、利用者の地域生活やコミュニケーションを理解することも重要です。また、喀痰吸引・経管栄養については、手順だけでなく危険防止や緊急時対応も学習内容に含まれます。

喀痰吸引等の演習は1時間

標準的なカリキュラムでは、喀痰吸引等に関する演習が1時間設けられています。

対象となる内容には、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引や、胃ろう・腸ろう、経鼻による経管栄養に関する手順が含まれます。

ただし、この演習を受けたことだけを理由に、利用者へ喀痰吸引等を実施できるわけではありません。実際の実施要件は後述する第三号研修の実地研修等と分けて考える必要があります。

実習8.5時間で学ぶ内容

20.5時間のカリキュラム例では、実習は合計8.5時間です。

実習 時間
基礎的な介護とコミュニケーション技術 3時間
外出時の介護技術 2時間
重度障害者の介護サービス提供現場での実習 3.5時間

基礎的な介護では食事、排泄、衣類の着脱、体位・姿勢交換などを学び、外出時の介護では車いすの取り扱いや移動介助などを扱います。

さらに、サービス提供現場での実習がカリキュラムに含まれます。研修の実施方法は指定基準や研修事業者の学則によって確認する必要があります。

修了すれば喀痰吸引等をすぐできる?

統合課程を修了しただけで、すべての利用者に喀痰吸引や経管栄養を実施できるわけではありません。

統合課程の一部科目は、特定の人を対象とする喀痰吸引等研修「第三号研修」の基本研修に相当します。しかし第三号研修では、基本研修に加えて、実際に支援する特定の利用者に対応した実地研修を修了する必要があります。

法令上も、第三号研修については基本研修と実地研修が区別され、実地研修を修了した特定行為が対象となります。都道府県への認定証の申請や、勤務先側の登録なども関係します。

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「統合課程で医療的ケアを学ぶ」ことと、「修了直後から誰にでも喀痰吸引等を実施できる」ことは別です。実地研修や認定、事業者側の体制まで確認しましょう。

基礎課程・追加課程との違い

重度訪問介護従業者養成研修には複数の課程があります。自治体の標準例では、基礎課程は10時間、追加課程も10時間、統合課程は20.5時間です。

課程 主な位置づけ 標準例
基礎課程 重度訪問介護の基礎的な知識・技術 10時間
追加課程 基礎課程の内容を深め、緊急時対応等を学ぶ 10時間
統合課程 基礎・追加に相当する内容+第三号研修の基本研修に相当する内容 20.5時間

統合課程と介護職員初任者研修は別の研修です。統合課程の修了によって、介護職員初任者研修の修了認定を得られるわけではありません。

重度訪問介護で働くことを目的にする場合は、勤務予定の事業所がどの課程の修了を求めているか、医療的ケアを担当する予定があるかを確認して選びましょう。

受講前に確認したいポイント

統合課程を選ぶときは、「最短日数」だけでなく、研修が都道府県等の指定を受けているか、実習がどのように行われるかを確認します。

  • 研修事業者が指定を受けているか
  • 総研修時間と通学日数
  • サービス提供現場での実習方法
  • 受講料・教材費・補講費等の総額
  • 欠席時の振替・補講条件
  • 第三号研修の実地研修まで対応するか
  • 就職支援や勤務条件が受講条件になっていないか

費用や日数は研修事業者によって異なります。比較するときは、統合課程の費用・期間とスクール比較の注意点を確認すると、受講料以外の条件も整理できます。

修了後にどのような仕事やキャリアにつながるか知りたい人は、統合課程修了後の仕事とキャリアまで確認してから受講を決めると、研修取得自体が目的になるのを避けやすくなります。

まとめ

重度訪問介護従業者養成研修の統合課程は、基礎課程・追加課程に相当する内容と、喀痰吸引等研修(第三号研修)の基本研修に相当する内容を統合した研修です。

東京都・埼玉県・千葉県などのカリキュラム例では、講義11時間、演習1時間、実習8.5時間の合計20.5時間ですが、都道府県によって基準以上の時間を設定する場合があります。

また、統合課程修了だけで喀痰吸引等をすべての利用者へ実施できるわけではありません。実際に医療的ケアを担当する場合は、特定の利用者に対応した実地研修や認定、事業者側の要件まで確認する必要があります。

制度確認:厚生労働省告示・社会福祉士及び介護福祉士法施行規則、東京都・埼玉県・千葉県等の重度訪問介護従業者養成研修カリキュラムをもとに2026年10月6日確認。

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