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親の介護を考え始めたとき、「要介護認定はどこで申請する?」「認定調査では何を聞かれる?」「結果が出るまで介護サービスは使えない?」と戸惑う方もいるでしょう。
要介護認定は、介護や支援がどの程度必要な状態なのかを判定する仕組みです。介護保険サービスを利用するときの重要な入口になります。
手続きは大きく、市区町村への申請→認定調査・主治医意見書→審査判定→結果通知→ケアプラン作成という流れで進みます。
この記事では、初めて親の申請を手伝う家族にも分かるように、要介護認定の申請方法と流れ、認定調査前に整理しておきたいこと、結果が出た後の動き方を解説します。
要介護認定とは?介護サービスを利用するための入口
要介護認定(要支援認定を含む)は、その人が要介護・要支援状態にあるか、またどの程度の介護や支援が必要なのかを判定する仕組みです。
厚生労働省によると、認定は全国一律の基準に基づいて行われ、市町村に設置される介護認定審査会で審査・判定されます。
ここで注意したいのは、病気が重いほど必ず要介護度が高くなるわけではないことです。要介護認定では、病名だけでなく、日常生活でどの程度の介護の手間が必要なのかが重要になります。
認定結果は8つに分かれる
認定結果は、要支援1・2、要介護1〜5、非該当に分かれます。認定された区分によって利用できる介護保険サービスや支給限度額などが変わります。
要介護認定はどこで申請する?
要介護認定は、本人が住んでいる市区町村の介護保険担当窓口に申請します。自治体によって担当課の名称や提出方法、必要書類が異なる場合があるため、申請前に公式サイトや窓口で確認しましょう。
「そもそも認定を申請した方がよいのか分からない」という段階なら、地域包括支援センターで相談できる内容や利用方法を確認し、相談してから進める方法もあります。
本人だけで申請しなければならない?
本人や家族だけで手続きを抱える必要はありません。地域包括支援センターや居宅介護支援事業者などで、申請手続きを支援・代行してもらえる場合があります。
親と離れて暮らしている場合も、まず親が住んでいる自治体や地域包括支援センターに相談すると、その地域での進め方を確認しやすくなります。親が一人で暮らしている場合は、一人暮らしの親に介護が必要になったときの支援の整え方も参考にしてください。
要介護認定の申請から結果までの流れ
厚生労働省が示す要介護認定の基本的な流れは次のとおりです。
- 市区町村へ要介護・要支援認定を申請する
- 認定調査を受ける
- 市区町村が主治医意見書を依頼する
- 認定調査などをもとに一次判定が行われる
- 介護認定審査会で二次判定が行われる
- 市区町村から認定結果が通知される
認定調査では普段の生活状況を確認する
申請すると、市区町村の職員などによる認定調査が行われます。本人への面接を通じ、心身の状態や生活環境などを確認します。
調査の日だけ頑張れてしまったり、本人が家族の前では見せない困りごとがあったりすると、普段の状態を伝えにくいことがあります。家族が日常的に介護している場合は、可能なら調査日程を調整し、普段困っていることを具体的に伝えられるようにしておきましょう。
一次判定と二次判定がある
認定調査結果や主治医意見書をもとに、まずコンピュータによる一次判定が行われます。その後、一次判定結果や主治医意見書などをもとに、保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が二次判定を行います。
最終的には、その判定結果に基づいて市区町村が要介護・要支援認定を行います。
認定調査の前に家族が整理しておきたいこと
認定調査を「良く見せる場」「重く見せる場」と考える必要はありません。重要なのは、普段の生活で実際にどのような介助や見守りが必要なのかを正確に伝えることです。
調査前には、次のような状況をメモしておくと説明しやすくなります。
- 立ち上がりや歩行で支えが必要になる場面
- 入浴、着替え、排泄で手伝っていること
- 食事の準備や摂取で困っていること
- 薬の飲み忘れや管理上の問題
- 物忘れや同じ質問を繰り返す頻度
- 一人で外出したときの不安や見守りの必要性
- 夜間に家族が対応していること
- 直近で起きた転倒やヒヤリとした出来事
「毎日ではないから言わなくていい」と省略するのではなく、頻度も含めて伝えると日常の状況を理解してもらいやすくなります。
主治医意見書とは?自分で病院へ取りに行くの?
主治医意見書は、本人の心身の状態や疾病などについて医師が記載する書類で、要介護認定の審査に使われます。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、主治医意見書は市区町村から主治医へ依頼すると案内されています。申請者が意見書の作成料を負担するものではありません。
主治医がいない場合には、市区町村の指定する医師の診察が必要になります。普段受診している医療機関がある場合は、申請時に主治医について正確に伝えましょう。
要介護認定の結果はいつ出る?原則30日以内
要介護認定の結果通知は、原則として申請から30日以内とされています。
ただし、認定調査の日程調整や主治医意見書の入手、審査会の日程などによって時間を要する場合があります。厚生労働省も認定審査期間の短縮に向けた取り組みを進めています。
申請後しばらくしても調査日程の連絡がない、結果通知について確認したいといった場合は、申請した市区町村の担当窓口へ問い合わせましょう。
急いで介護サービスが必要なときは相談する
退院が迫っている、家族だけでは在宅生活を維持できないなど、結果を待っている間にも支援が必要になることがあります。認定結果が出るまで自己判断で待ち続けるのではなく、市区町村や地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへ早めに相談してください。
要介護認定の結果が出た後にすること
認定結果が出たら、次は実際にどのような介護サービスを利用するかを考えます。
要介護1〜5で在宅サービスを利用する場合は、居宅介護支援事業者と契約し、ケアマネジャーにケアプラン作成を依頼するのが基本的な流れです。施設入所を希望する場合は、希望する施設へ申し込みます。
要支援1・2の場合は、地域包括支援センターの担当職員や居宅介護支援事業者のケアマネジャーなどが介護予防ケアプランを作成します。
認定後に担当者を探す段階では、ケアマネジャーの探し方・選び方と合わないときの対応を参考にしてください。
要介護度だけでサービスを決めない
同じ要介護度でも、一人暮らしか同居か、家族がどの程度支援できるか、認知面の状態、住宅環境などによって必要なサービスは異なります。
「要介護2だからこのサービス」と機械的に決めるのではなく、本人が困っていることと家族が継続できる支援範囲をケアマネジャーへ伝えましょう。
要介護認定の申請でよくある疑問
本人が申請を嫌がる場合はどうすればいい?
「自分はまだ介護されるほどではない」と感じ、申請に抵抗する方もいます。無理に「介護が必要」と説得するより、生活で困っていることや家族が心配している場面を具体的に話し、必要に応じて地域包括支援センターなど第三者へ相談してみましょう。
入院中でも要介護認定を申請できる?
退院後に介護サービスが必要になる見込みがある場合は、病院の医療ソーシャルワーカーや退院支援担当者、市区町村などへ早めに相談してください。本人の状態や退院予定によって進め方が変わることがあります。
認定調査では家族も同席した方がいい?
家族が普段の介護状況を把握しているなら、可能な範囲で同席できるよう日程を調整すると状況を補足しやすくなります。厚生労働省の認定調査員向け手引きでも、家族等の介護者がいる在宅の対象者については、介護者が不在の日を避けるよう示されています。
非該当だったら何も利用できない?
要介護・要支援認定が非該当でも、自治体の介護予防・生活支援などにつながる可能性があります。困りごとが残っている場合は、地域包括支援センターや市区町村に利用できる支援がないか確認しましょう。
介護保険だけでは足りない生活支援もある
要介護認定を受けたからといって、家族が必要とする支援をすべて介護保険で利用できるとは限りません。
保険内サービスで対応できない生活上の支援がある場合は、介護保険外サービスの種類・費用・利用メリットを確認しておくと選択肢を広げられます。
利用を具体的に考える段階では、介護保険外サービスを利用するまでの流れや、介護保険外サービスの費用相場も参考にしながら、介護保険サービスとどう組み合わせるかを検討しましょう。
まとめ|要介護認定は「申請して終わり」ではなく支援につながる第一歩
要介護認定は、市区町村への申請から始まり、認定調査、主治医意見書、一次判定・二次判定を経て結果が通知されます。結果通知は原則として申請から30日以内です。
大切なのは、認定調査で状態を重く見せることでも軽く見せることでもなく、本人の日常生活と家族が実際に行っている介助を正確に伝えることです。
そして認定結果が出たら、ケアマネジャーなどと相談しながら必要なサービスを組み立てます。申請するべきか迷っている段階でも、家族だけで判断せず、地域包括支援センターや市区町村の窓口へ相談してみましょう。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
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