介護福祉士国家試験には、第38回試験から「パート合格」の仕組みが導入されました。全体では不合格だった場合でも、基準を満たしたパートがあれば、その結果を次回以降の受験に生かせる制度です。
さらに、第39回介護福祉士国家試験からは、パート合格の有効期限内であれば合格済みパートの受験免除を利用できます。
ただし、「1科目だけ免除されるの?」「Aだけ合格したら翌年はBだけ受けられる?」「合格したパートは何年有効?」など、仕組みが少し分かりにくい部分もあります。
この記事では、社会福祉振興・試験センターが公表している第39回試験の情報をもとに、パートの分け方、合格判定、有効期限、翌年の受験方法まで整理します。
介護福祉士国家試験のパート合格制度とは
パート合格制度は、介護福祉士国家試験をA・B・Cの3パートに分け、全体で不合格になった場合にもパートごとの合否を判定する仕組みです。
第38回試験からパートごとの判定が始まり、第39回試験からは有効期限内の合格パートについて受験免除を利用できます。
たとえば第38回試験でAパートが合格、B・Cパートが不合格だった人は、第39回試験で一定の条件のもと、合格済みのAパートを免除して受験できます。
一度の試験ですべての基準を満たせなかった人にとって、合格した範囲を次回へ持ち越せることが大きなポイントです。
A・B・Cパートにはどの科目が含まれる?
第39回介護福祉士国家試験は、3パート・4領域12科目と総合問題1科目の計13科目、全125問で実施されます。
Aパート
- 人間の尊厳と自立
- 介護の基本
- 社会の理解
- 人間関係とコミュニケーション
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
Aパートは午前に実施され、出題予定数は60問です。
Bパート
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
Bパートの出題予定数は45問です。
Cパート
- 介護過程
- 総合問題
Cパートの出題予定数は20問です。B・Cパートは午後の試験に含まれます。
なお、パートは単純に「午前・午後」の2区分ではありません。午後の試験にはBとCの2パートがあるため、自分がどのパートに合格しているかを結果通知で確認することが重要です。
パート合格はどう判定される?
全パートを受験した場合、まず総得点などによる通常の合格判定が行われます。そこで不合格となった場合に、各パートについてパート合格の判定が行われます。
パートごとの判定では、全体の合格基準点を各パートの平均得点の比率を用いて按分した点数以上を取ることに加え、そのパートを構成する試験科目群すべてで得点があることが必要です。
つまり、パート全体の得点だけを見ればよいわけではありません。ある試験科目群が0点の場合は、パートの基準点を満たしていてもそのパートは不合格になります。
第39回の具体的な合格基準点は試験結果に応じて決まるため、試験前の段階で「Aパートは何点取れば必ず合格」と固定点で断定することはできません。
パート合格の有効期限はいつまで?
パート合格は、合格した試験の翌年・翌々年まで有効です。
たとえば第38回試験でAパートに合格した場合、そのAパートの合格は第39回・第40回試験まで有効です。
試験センターのFAQでは、前回合格したパートを次の試験で再び受験し、その回では不合格になった場合でも、もともとのパート合格は有効期限まで維持されると案内されています。
また、合格済みパートを再受験して再度パート合格した場合は、その結果をもとに有効期限が延びる仕組みもあります。
翌年はどのパートを受験する?具体例で確認
パート合格後の受験方法で特に注意したいのが、不合格だったパートの一部だけを自由に選んで受験できるわけではないことです。
Aが合格、B・Cが不合格の場合
第38回でAが合格し、B・Cが不合格だった場合、第39回ではAの免除を利用してB・Cを受験する選択肢があります。
このとき、Bだけ、またはCだけを選んで受験することはできません。試験センターも「A合格、B・C不合格の場合、翌年にBだけ、Cだけを受験することはできない」と明示しています。
A・Bが合格、Cが不合格の場合
A・Bが有効なパート合格となっていれば、合格パートの免除を利用し、残るCパートの合格を目指す形を検討できます。
合格済みパートも含めて全パート受験する場合
パート合格があっても、全パートを受験する方法があります。全パート受験を選んだ場合も、総得点で不合格となればパートごとの判定が行われます。
どの受験方法を選ぶかは、現在の合格パートと有効期限を確認して決める必要があります。受験申し込み後に受験方法を変更することはできないため、申し込み前の確認が大切です。
自分の合格パートはどこで確認する?
自分がどのパートに合格したかは、試験結果通知で確認します。
結果通知には、パート別の試験結果や試験科目群・科目別の得点を確認するための情報が記載されます。次回以降の受験申し込みでも、過去の受験番号やパート別の結果が必要になるため、結果通知は捨てずに保管しておきましょう。
過去の受験票を紛失するなどして合格パートが分からない場合は、社会福祉振興・試験センターへの問い合わせが案内されています。
パート合格制度で勉強方法はどう変わる?
パート合格制度があっても、初めて受験する人は「一部だけ合格すればよい」と考えるより、まず全体合格を目標に勉強するのが基本です。
特に注意したいのは、合格判定には科目群の無得点条件があることです。得意分野だけで点数を稼ぎ、苦手な科目群を完全に捨てる勉強方法にはリスクがあります。
勉強するときは、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 過去問を解いて全体の得意・苦手を確認する
- 頻繁に間違える科目を重点的に復習する
- 苦手な科目群でも0点を避けられる基礎力をつける
- 試験が近づいたら125問を意識して時間配分も練習する
具体的な学習計画は、介護福祉士国家試験の勉強方法と過去問の使い方で詳しく整理しています。
第39回介護福祉士国家試験の日程も確認
第39回介護福祉士国家試験は、2027年1月31日(日)に実施予定です。受験票は2026年12月11日(金)発送、合格発表は2027年3月23日(火)に試験センターホームページへ掲載され、結果通知は3月26日(金)発送予定とされています。
受験票が届く時期や届かなかった場合の対応は、第39回介護福祉士国家試験の受験票が届く時期も確認してください。
また、試験そのものの難易度や直近の合格率が気になる方は、介護福祉士国家試験の難易度と合格率も参考になります。
介護福祉士国家試験のパート合格でよくある質問
パート合格は第39回から始まるのですか?
パートごとの合否判定は第38回試験から始まっています。合格パートの受験免除は第39回試験から適用されます。
1科目だけ合格して翌年免除できますか?
基本となる単位はA・B・Cの「パート」です。科目を1つずつ自由に免除する制度ではありません。
パート合格なら介護福祉士になれますか?
パートの一部に合格しただけでは、介護福祉士国家試験そのものの合格とはなりません。最終的に必要なパートの基準を満たし、国家試験の合格要件を満たす必要があります。
合格したパートを翌年もう一度受けてもいいですか?
全パート受験を選択することは可能です。以前のパート合格は有効期限内であれば、再受験した回でそのパートが不合格でも直ちに失効するわけではありません。
第39回のパート別合格点はもう決まっていますか?
試験前の時点では、実際の受験者の得点状況を反映した具体的なパート別基準点は確定していません。固定の予想点だけで判断せず、公式発表を確認してください。
公式情報を確認するときのポイント
介護福祉士国家試験の制度や日程は変更される可能性があるため、受験申し込みや受験方法を決める際は、社会福祉振興・試験センターの最新情報を確認してください。
受験資格や申し込み手続きも含めて確認したい場合は、第39回介護福祉士国家試験の申し込み方法もあわせて確認すると流れを整理しやすくなります。
まとめ|パート合格は「合格した範囲を次回へ生かせる」制度
介護福祉士国家試験のパート合格制度では、試験をA・B・Cの3パートに分け、全体で不合格だった場合にもパートごとの合否が判定されます。
第39回からは、有効期限内の合格パートについて受験免除を利用できるようになります。パート合格は合格した試験の翌年・翌々年まで有効です。
ただし、不合格パートを好きな組み合わせで受験できるわけではなく、科目群の無得点にも注意が必要です。まずは自分の結果通知で合格パートと有効期限を確認し、次回の受験方法と学習範囲を決めましょう。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
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