
現場の悩み・働き方・制度を、立ち止まって確認できる視点で発信しています。
このページは、「介護を続けるか迷っている」方のためのページです。
「辞めたい気持ちはある。でも決めきれない」
「嫌いになったわけじゃないのに、続ける自信が持てない」
「今のままだと苦しい気がする。でも次が分からない」
この“迷い”は、弱さではありません。
むしろ、勢いで決めずに立ち止まれている時点で、あなたの中に大事にしたい基準がある証拠です。
ここでは、辞める・続けるを急がずに、判断の軸を整理するための視点をまとめます。
「今の自分はどこで消耗しているのか」「何が変われば続けられるのか」を、順番に確認していきましょう。
「続けるか迷う」状態はどんな状態?
- 限界ではないが、しんどさが慢性化している。
- 辞めたい理由と、続けたい理由が両方ある。
- 環境を変えれば何とかなる気もする。
- でも同じことを繰り返しそうで踏み切れない。
この状態は、よくある二極化(辞めたい or 続けたい)ではなく、判断に必要な情報が不足している状態とも言えます。
足りない情報が埋まれば、迷いは自然に薄れていくことも多いです。
迷いが長引きやすい人に共通するパターン
- 「まだ耐えられる」と自分に言い聞かせてしまう。
- 辞めた後の不安ばかりを先に考えてしまう。
- 「今より悪くなったらどうしよう」と考え続ける。
- 誰かに背中を押してほしくて、決断が保留になる。
迷いが長引くのは、優柔不断だからではありません。
介護の仕事は、利用者さん・同僚・現場の空気など、人との関係性が判断に絡みやすい仕事です。
だからこそ、「辞めること=裏切り」のように感じてしまったり、
「自分が弱いだけかも」と自己否定に寄ってしまったりして、判断が止まることがあります。
まずは「辞めたい理由」と「続けたい理由」を分けて考える
迷いを整理するためにおすすめなのが、辞めたい理由と、続けたい理由を切り分けることです。
どちらかを否定しなくて大丈夫です。両方あって当然です。
辞めたい理由の例:
・人手不足で余裕がない
・責任や判断を抱え込んでいる
・人間関係がしんどい
・疲れが抜けず、回復しにくい
続けたい理由の例:
・利用者さんとの関係がある
・介護そのものは嫌いではない
・資格や経験を活かしたい
・次の職場が想像できない
「辞めたい理由」が、仕事そのものなのか/環境なのか/人間関係なのか。
ここが整理できるだけで、次の打ち手が変わってきます。
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迷ったまま働き続けた場合に起こりやすい変化
- 疲労が抜けず、ミスが増える。
- 感情の余裕がなくなり、自己嫌悪が強くなる。
- 人間関係の衝突が増え、居心地がさらに悪くなる。
- 「辞める気力」すら湧かなくなる。
迷っている状態が続くと、判断力はむしろ落ちていきます。
「考えれば答えが出る」ではなく、疲れているほど考えはまとまりにくくなります。
だからこそ、迷いが続くときは、意思の強さではなく、整理の仕方を変えるのが近道です。
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判断の軸①:つらさの中心が「環境」か「自分の状態」か
続けるかどうかを考えるときに大事なのは、
「何がつらさの中心なのか」を見極めることです。
- 環境が中心:人手不足、ルール不備、相談できない空気、連携不全。
- 自分の状態が中心:疲労蓄積、感情の消耗、回復しにくさ、余裕の欠如。
環境が中心なら、配置・体制・職場の違いで改善する可能性があります。
自分の状態が中心なら、まずは負担を下げて回復させる方が、判断がぶれにくくなります。
判断の軸②:悩みが「人間関係」なのか「業務構造」なのか
同じ「つらい」でも、原因が違えば、選ぶべき対策も変わります。
- 人間関係:距離感、価値観、指導の強さ、空気の悪さ。
- 業務構造:優先順位が崩れる、記録が追いつかない、連携が噛み合わない。
人間関係は「相性・距離感」で消耗しやすく、長期化すると自己肯定感が削られます。
業務構造は「仕組み」が原因のことも多く、やり方や体制で改善余地がある場合があります。
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判断の軸③:「決める」より先にやると楽になること
- 迷いの原因を言語化する。
- 優先順位が崩れる場面を特定する。
- 今の負担を減らせる要素を探す。
続ける・辞めるを決める前に、
迷いの正体を言葉にするだけで楽になることがあります。
「何が嫌なのか」が曖昧なままだと、次の選択も曖昧になり、迷いが残ります。
逆に「これがつらい」が言語化できると、続ける場合も辞める場合も、後悔しにくくなります。
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「続ける」を選ぶなら:何を変えれば続けられるかを考える
「続けたい気持ちが残っている」場合は、
続ける前提で、何を変えれば続けられるかを考えるのがポイントです。
- 相談できる導線があるか。
- 役割や責任が偏っていないか。
- 業務の優先順位が崩れていないか。
- 疲労が溜まり続ける設計になっていないか。
「努力すれば回る」ではなく、
回る形に整えられるかを見ていきましょう。
「辞める」を検討するなら:判断を急がないための考え方
辞めることは、失敗ではありません。
ただし、勢いで決めると「次で同じ悩み」を繰り返しやすくなります。
おすすめなのは、判断を条件付きにすることです。
「この条件が変わらなければ次を考える」
「◯ヶ月だけ様子を見て、改善がなければ動く」
といった形で、迷いを“思考停止”にしない工夫をします。
まとめ:迷っている時点で、立ち止まっていい
- 迷いは弱さではなく、判断の途中。
- 辞めたい理由と続けたい理由を分けて整理する。
- 環境・構造・自分の状態を切り分けると楽になる。
介護の仕事は、感情と責任が重なりやすい仕事です。
だからこそ、迷いが出るのは自然なことです。
このページが、
「焦らなくていい」
「答えを急がず整理していい」
そう思えるきっかけになれば幸いです。
今の状況に近いテーマから、整理を続ける

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。






