介護の仕事をしていると、休みの日にもふと
- 「次のシフト大丈夫かな…」
- 「あの対応、間違っていなかったかな」
- 「明日○○さんどうなっているだろう」
と、仕事のことが頭から離れないことがあります。
身体は休んでいるはずなのに、頭や心がずっと勤務中のまま。
この状態が続くと、疲れが取れない・気持ちが切り替わらない・仕事へのしんどさが増すといった悪循環に陥りやすくなります。
この記事では、休みの日に仕事を引きずってしまう理由を整理しながら、
介護職でも無理なく実践できる「気持ちをオフにする工夫」について詳しく解説します。
① 仕事を引きずってしまうのは「真面目さ」の裏返し
休みの日でも仕事のことを考えてしまう人は、
責任感が強く、利用者さんや現場のことを真剣に考えている人がほとんどです。
特に介護職は、
- 人の生活を支える仕事
- 「もしも」が事故につながる仕事
- 感情や人間関係が密接に関わる仕事
であるため、意識的に切り替えないと、心が常に仕事モードになりやすい傾向があります。
まず大切なのは、
「休めない自分が弱いわけではない」
と理解することです。
そのうえで、「どうすれば気持ちを休ませられるか」を考えていきましょう。
② 「考え続ける状態」が心の疲労を蓄積させてしまう
仕事を引きずる状態で一番の問題は、
頭がずっと緊張したままになること
です。
よくある状態:
- 何もしていなくても仕事の場面が浮かぶ
- 失敗やヒヤッとした場面を何度も思い出す
- 次の勤務の段取りを頭の中でシミュレーションしてしまう
これでは、身体は休んでいても、
脳と心はずっと働き続けている状態になります。
その結果、
- 休んだはずなのに疲れが残る
- 休日明けからすでにしんどい
- 仕事への気力が回復しない
といった状態につながってしまいます。
③ 休みの日は「仕事情報から距離を取る」意識が大切
気持ちを切り替えるために効果的なのが、
意識的に仕事との距離を取ることです。
例えば、
- 休みの日は業務連絡を必要以上に確認しない
- 職場のグループチャットを開かない時間を作る
- 仕事用メモやスケジュールを見返さない
もちろん、緊急連絡が入る可能性がある職場もありますが、
「ずっと気にしておく」必要はありません。
休みの日は、
「今は仕事の時間ではない」
と自分に許可を出すことが大切です。
④ 意識を“今ここ”に戻す時間を作る
仕事を引きずってしまうとき、
頭の中は「過去(昨日の出来事)」か「未来(次のシフト)」に向いています。
気持ちをオフにするには、
意識を“今この時間”に戻すことが有効です。
おすすめの方法:
- 趣味に没頭する時間を作る
- 家族や友人との会話を意識的に楽しむ
- 散歩や軽い運動で身体感覚に集中する
- 料理や掃除など、目の前の作業に意識を向ける
「仕事を考えないようにしよう」とするより、
別のことに意識を向ける方が、自然に切り替えやすくなります。
⑤ 自分なりの“オフのスイッチ”を決めておく
オンとオフの切り替えが上手な人は、
無意識のうちに「切り替えの合図」を持っています。
例:
- 帰宅後に服を着替えたら仕事は終了
- シャワーを浴びたら気持ちをリセット
- 休みの日の朝は仕事用の目覚ましを使わない
- 特定の音楽や香りでオフに入る
こうした小さな習慣でも、
脳は「今は休む時間」と認識しやすくなります。
自分に合った“オフのスイッチ”をいくつか持っておくと、
仕事を引きずりにくくなります。
⑥ どうしても頭から離れないときは「書き出して区切る」
それでも仕事のことがぐるぐる考えてしまうときは、
頭の中だけで処理しようとせず、一度外に出すのがおすすめです。
具体的には、
- 気になっていることを紙に書き出す
- 「次の勤務で確認すること」としてメモに残す
こうすることで、
「考えなくても忘れない」という安心感
が生まれ、気持ちを手放しやすくなります。
⑦ 休むことは“甘え”ではなく、仕事を続けるための力
介護職は、真面目で責任感の強い人ほど、
「休んでいいのかな」「もっと頑張らないと」と自分を追い込みがちです。
しかし、
しっかり休めない状態が続くと、長く働き続けることは難しくなります。
休みの日に心まで休ませることは、
利用者さんに良いケアを提供し続けるためにも必要なことです。
まとめ:休みの日は「心も休ませる」と決めていい
休みの日でも仕事を引きずってしまうのは、
介護の仕事に真剣に向き合っている証拠です。
ただし、その状態が続くと、心身の回復が追いつかなくなってしまいます。
① 仕事を引きずるのは真面目さの裏返し
② 考え続ける状態が疲労を蓄積させる
③ 休みの日は仕事情報から距離を取る
④ 今この時間に意識を戻す
⑤ 自分なりのオフのスイッチを決める
⑥ 書き出して気持ちに区切りをつける
⑦ 休むことは働き続けるための大切な力
「休みの日は休んでいい」。
そう自分に許可を出しながら、
無理なく働き続けられるリズムを整えていきましょう。
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飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。




