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厚生労働省は2026年9月18日、令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の内示(1回目)を公表しました。
この基金は、介護施設等の整備や介護従事者の確保など、地域の介護体制を支えるために都道府県で活用される財源です。介護職の給与が直接その日に上がるという話ではありませんが、施設整備、人材確保、職場環境の改善、介護テクノロジー導入支援など、介護現場の働きやすさに関わる施策とつながる可能性があります。
この記事では、今回の発表で何が示されたのか、介護職・介護事業所・利用者家族にどのような関係があるのか、今後どこを確認すべきかを整理します。
確認日:2026年9月27日
何が発表されたのか
厚生労働省は、2026年9月18日付で「令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の内示(1回目)」を公表しました。発表ページでは、各都道府県あてに内示を行ったこと、別添として「令和8年度 地域医療介護総合確保基金(介護分)内示額一覧」と「令和8年度 地域医療介護総合確保基金 介護施設等整備分 内示額一覧」が示されています。
公式発表はこちらです。厚生労働省「令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の内示(1回目)について」
「内示」と聞くと難しく感じますが、簡単にいうと、国から都道府県に対して、基金の配分見込みを示す手続きです。個別の介護施設や介護職員に、その場でお金が直接支給されるという意味ではありません。
今回のポイントは、地域ごとの介護体制を支える予算が、都道府県単位で動き始めたことです。
地域医療介護総合確保基金とは
地域医療介護総合確保基金は、医療・介護サービスを地域で確保するため、都道府県に設けられる基金です。介護分では、介護施設等の整備や介護従事者の確保などに活用されます。
厚生労働省の介護・高齢者福祉ページでも、介護分野の施策として、介護施設等の整備、介護職員・介護支援専門員、人材確保、生産性向上、介護テクノロジーなどに関する情報が整理されています。参考:厚生労働省「介護・高齢者福祉」
介護分の活用先は、年度や都道府県の計画によって異なりますが、主に次のような領域と関係します。
- 地域密着型サービスや介護施設等の整備
- 施設開設準備や改修への支援
- 介護人材の参入促進
- 介護職員の資質向上や研修
- 介護職員の定着支援
- 職場環境改善や業務負担軽減に関する取り組み
つまり、基金は「介護保険サービスを地域で続けるための土台づくり」に使われる性格が強いものです。
介護職への影響はある?
介護職にとって気になるのは、「自分の給料や働き方に影響があるのか」という点です。
今回の基金内示は、処遇改善加算のように給与へ直接結びつく制度そのものではありません。ただし、都道府県や市区町村が基金を活用して人材確保・定着支援・研修・職場環境改善を進める場合、結果的に介護職の働き方に関係してくることがあります。
たとえば、次のような変化につながる可能性があります。
- 介護職向けの研修や資格取得支援が増える
- 新人職員・未経験者向けの定着支援が行われる
- 介護ロボットやICT機器の導入支援が進む
- 職場環境改善や業務負担軽減の取り組みが広がる
- 地域の介護人材確保イベントや職場体験が実施される
ただし、どの支援が実施されるかは、都道府県ごとの計画や募集要項によって変わります。全国一律に同じ内容が始まるわけではありません。
給与面については、別途、介護職員等処遇改善加算の動きも確認が必要です。厚生労働省は処遇改善加算について、令和8年6月から加算がさらに拡充されると案内しています。参考:厚生労働省「介護職員の処遇改善」
介護事業所が確認したいポイント
介護事業所にとっては、今回の内示を受けて、所在地の都道府県がどのような補助・支援事業を出すのかが重要です。
特に、施設整備、ICT、介護テクノロジー、人材確保、研修、職場環境改善に関する補助金や支援事業は、都道府県ごとに募集時期・対象事業・補助率・提出書類が異なります。
事業所が確認したいのは、次の点です。
- 自法人・自事業所が対象になるか
- 対象経費に何が含まれるか
- 補助率や上限額はいくらか
- 申請期限はいつか
- 見積書・計画書・導入効果の説明が必要か
- 交付決定前に契約・購入してよいか
- 導入後の報告や効果測定が必要か
補助金は、制度名が似ていても、自治体ごとに条件が違います。とくに機器導入や改修では、交付決定前に契約すると補助対象外になる場合があります。
「国が内示した」段階と「自治体が事業所向けに募集を開始した」段階は別です。事業所は、都道府県の公式サイトや担当課の通知を確認する必要があります。
利用者・家族に関係すること
利用者や家族にとっては、基金の内示そのものは直接見えにくいニュースです。しかし、地域の介護サービス基盤に関わるため、長期的には無関係ではありません。
たとえば、介護施設等の整備が進めば、地域によっては入所・通所サービスの選択肢が広がる可能性があります。また、介護人材の確保や定着支援が進めば、サービス提供体制の維持につながる可能性があります。
一方で、今回の発表だけで「すぐに施設の空きが増える」「すぐに利用料が下がる」と考えるのは早いです。施設整備や人材確保は、自治体の計画、事業者の応募、整備期間、人材採用などを経て進むものです。
家族が確認するなら、次のような情報が役立ちます。
- 住んでいる都道府県・市区町村の介護保険事業計画
- 地域密着型サービスや施設整備の予定
- 認知症施策や在宅介護支援の取り組み
- 家族介護者向け相談窓口や支援事業
- 介護サービス情報公表システムでの事業所情報
基金は「地域で介護を受け続けられる体制」を支える制度の一部です。利用者や家族は、自治体の広報や介護保険課、地域包括支援センターの情報も合わせて見ると理解しやすくなります。
決定事項と未定事項を分けて見る
制度ニュースを見るときは、決まったことと、これから確認が必要なことを分けて考えることが大切です。
現時点で確認できること
2026年9月18日に厚生労働省が、令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の1回目内示を公表したことは確認できます。発表ページでは、都道府県あてに内示を行ったことと、内示額一覧の資料が掲載されています。
現時点では個別確認が必要なこと
一方で、各事業所が利用できる補助金の詳細、申請期限、対象経費、補助率、自治体ごとの優先分野などは、都道府県や市区町村の募集要項を確認する必要があります。
また、介護職一人ひとりの給与や勤務条件がどう変わるかは、基金だけでは判断できません。給与面は処遇改善加算、法人の賃金規程、事業所の加算取得状況、配分ルールなども関係します。
今回のニュースは「現場がすぐ変わる決定」ではなく、「地域の介護施策が動く入口」として見るのが現実的です。
今後の確認ポイント
今後、介護職・事業所・家族が確認したいポイントを整理します。
介護職が確認したいこと
- 勤務先が処遇改善加算をどの区分で取得しているか
- 職場環境改善やICT導入の予定があるか
- 資格取得支援や研修制度が利用できるか
- 自治体の介護人材支援事業を使えるか
事業所が確認したいこと
- 都道府県の補助金・支援事業の募集開始日
- 対象サービス種別と対象経費
- 事前相談や見積書の要否
- 導入後の報告・実績提出の内容
家族が確認したいこと
- 地域の施設整備やサービス整備の予定
- 在宅介護支援や認知症支援の相談先
- 地域包括支援センターで相談できる内容
- 介護サービス情報公表システムでの事業所比較
特に介護職の場合、求人を見るときに「ICT導入」「見守り機器」「インカム」「記録ソフト」「資格取得支援」などの記載があるかを確認すると、職場の負担軽減への姿勢を見やすくなります。
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今回の基金内示は、介護報酬改定、人材確保、給与、働き方のニュースともつながります。あわせて確認しておくと、制度の流れを理解しやすくなります。
- 2027年度介護報酬改定の議論が本格化|3回の関係団体ヒアリングで見えた主な論点
- 介護職の給与相場2026年版|平均月収・資格・施設別に最新データで比較
- 現場が悲鳴をあげている:介護スタッフ9割以上が“人員増”を求める理由
まとめ
厚生労働省は2026年9月18日、令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の1回目内示を公表しました。
このニュースは、介護職の給与が直接すぐに変わるものではありません。しかし、介護施設等の整備、介護人材の確保、研修、職場環境改善、介護テクノロジー導入など、地域の介護体制を支える施策につながる可能性があります。
重要なのは、国の内示後に、都道府県がどのような事業を募集・実施するかを確認することです。
介護職は勤務先の加算取得状況や職場環境改善の予定を、事業所は自治体の募集要項を、利用者・家族は地域の介護サービス整備や相談窓口を確認していきましょう。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
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