訪問先で想定外のトラブルが起きた時の対応は?|一人で抱え込まないための基本行動と再発防止の考え方

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訪問介護の現場では、事前に情報を把握していても、
実際に訪問してみて初めて起こる「想定外のトラブル」に直面することがあります。

例えば、

  • 利用者さんの急な体調変化
  • 転倒・ヒヤリハット
  • 家族との認識の食い違い
  • サービス内容の急な変更要求
  • 環境面の危険(物が散乱している、暖房が効かない等)

訪問介護は基本的に一人で現場対応をする仕事だからこそ、
トラブル時に「どう動けばいいか分からない」「判断を間違えたらどうしよう」と不安になりやすいものです。

この記事では、訪問先で想定外のトラブルが起きた際に、
まず何を優先すべきか
どこまで一人で判断してよいのか
あとから自分を守るために必要な行動について、現場目線で詳しく解説します。

① 何よりも優先すべきは「利用者さんと自分の安全」

想定外の出来事が起きたとき、焦るとつい

「サービスを予定通りやらなきゃ」

と考えてしまいがちですが、最優先すべきなのは安全の確保です。

具体的には、

  • 利用者さんの命や身体に危険がないか
  • 自分自身が無理な介助や危険な環境にいないか

を最初に確認します。

転倒や体調急変などの場合は、
サービス継続よりも安全確保・見守り・緊急対応を優先して問題ありません。

また、暴言・暴力・危険物がある環境など、
自分の身に危険を感じる場合は、無理に対応し続けないことも大切です。

② トラブル時は「一人で抱え込まない」が鉄則

訪問介護では、「現場は自分しかいない」という状況になりやすいため、
つい一人で何とかしようとしてしまう人も少なくありません。

しかし、想定外のトラブルこそ、

一人で判断し続けないことが重要

です。

判断に迷った時点で、

  • 事業所
  • サービス提供責任者
  • 担当者

へ早めに連絡を入れましょう。

「これくらいで連絡していいのかな」と悩む必要はありません。
迷った時点が連絡のタイミングです。

③ 連絡時は「状況を簡潔に整理して伝える」

トラブル発生時の連絡では、
感情的に説明するよりも、事実を簡潔に伝えることが大切です。

伝えるポイントの例:

  • 何が起きたか(事実)
  • いつ起きたか
  • 利用者さんの状態
  • 今、どんな対応をしているか
  • 判断に迷っている点

例:

「訪問中に利用者さんが立ち上がろうとして転倒しそうになりました。
今はベッド上で安静にしており、痛みは訴えていませんが、対応について相談したいです」

このように伝えることで、
責任者側も状況を把握しやすく、適切な指示が出やすくなります。

④ サービスを中断・変更しても問題ないケースは多い

想定外のトラブルが起きた場合、
予定していたサービス内容を中断・変更する判断が必要になることもあります。

例えば、

  • 体調不良が強く、入浴が危険な場合
  • 不穏や混乱が強く、通常介助が難しい場合
  • 環境的に安全が確保できない場合

こうした場面では、

「できなかった=悪い」ではありません。

安全を優先してサービスを変更・中止することは、
専門職として正しい判断です。

必ず責任者と共有し、指示を仰いだうえで対応しましょう。

⑤ トラブル後は「経過を記録に残す」ことが自分を守る

トラブルが落ち着いた後に必ず行いたいのが、
経過の記録です。

記録に残す目的は、

  • 事実を正確に共有するため
  • 自分の対応を客観的に残すため
  • 後から責任を一人で背負わないため

記録では、

  • 主観的な感想
  • 感情的な表現

は避け、

「何が起き、どう対応し、指示はどうだったか」

を事実ベースで記載します。

これが、後々のトラブル防止や、自分を守る大切な材料になります。

⑥ 再発防止は「個人の反省」ではなく「チームで考える」

想定外のトラブルが起きると、
「自分の対応が悪かったのでは」と一人で抱え込んでしまいがちです。

しかし、多くの場合、

トラブルの原因は個人ではなく環境や仕組み

にあります。

再発防止として話し合いたいポイント:

  • 事前情報は十分だったか
  • サービス内容や時間設定は適切だったか
  • リスクが想定できていたか
  • 今後どんな工夫が必要か

これらをチームで共有することで、
次に同じケースが起きたとき、誰もが落ち着いて対応できるようになります。

⑦ 想定外の対応ができるのは「経験を積んでいる証拠」

訪問介護でトラブルに遭遇すると、
不安や自信喪失を感じることもあるかもしれません。

しかし、

想定外の出来事に直面するのは、現場に出ているからこそ

です。

一つひとつの対応経験が、
判断力や視野を広げ、介護職としての力を確実に高めていきます。

まとめ:想定外のトラブル時は「安全・共有・記録」が基本

訪問介護で想定外のトラブルが起きたときは、
慌てず、次の流れを意識しましょう。

① 利用者さんと自分の安全を最優先
② 一人で抱え込まず早めに連絡
③ 状況を簡潔に整理して共有
④ 必要ならサービスを中断・変更
⑤ 経過を事実ベースで記録
⑥ 再発防止はチームで検討
⑦ 経験として次に活かす

想定外の出来事にどう向き合うかは、
介護職としての「信頼」を積み重ねる大切なポイントです。

一人で背負わず、チームとつながりながら、
安心して訪問介護を続けていきましょう。

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