2025年7月に実施された福祉用具貸与価格の改定は、介護現場にさまざまな影響をもたらしました。
今回の改定では、62品目の貸与価格が見直され、平均価格・上限価格の明確化が進められました。
この記事では、その制度変更を振り返りながら、現場スタッフが今後の用具選定にどう活かせるかを解説します。
価格改定の背景と狙い
- 市場価格と貸与価格の差を是正するため。
- 適正な選定と利用者説明を促すため。
- 用具品質の安定化と透明性向上を図るため。
近年、同一機種でも事業所ごとに貸与価格の差が大きく、「どこで借りるか」で利用者負担が変わるという課題がありました。
そこで国は、全国平均価格を基準にした上限設定を行い、公平で分かりやすい価格体系を目指しました。
現場で起きた変化とスタッフへの影響
- 価格交渉や説明の場面が増加。
- 利用者・家族への比較提案が求められるようになった。
- レンタル事業者との情報共有が活発化。
価格改定により、利用者は「なぜこの価格なのか」をより明確に知ることができるようになりました。
その分、介護スタッフにも選定理由・機能差の説明責任が求められるようになっています。
また、レンタル事業者との連携が強化され、「専門職同士で選ぶ介護用具」という意識が浸透し始めました。
スタッフが今後に活かすべきポイント
- 用具の基礎知識をアップデートする。
- 説明用ツール・比較資料を整える。
- 利用者目線の提案力を磨く。
改定によって、用具価格が明示されやすくなった今こそ、スタッフの“提案力”が試されます。
「この価格で、この機能」「この人に合う理由」を伝えることで、利用者の納得感と信頼を高められます。
また、最新カタログやメーカー研修を定期的に確認することで、機能・価格の変化に対応しやすくなります。
現場チェックリスト:用具選定・説明対応
- 自施設で扱う用具の価格・品目を最新化したか。
- 利用者に提示する価格資料が分かりやすいか。
- スタッフ間で「選定基準」の共通理解があるか。
これらを定期的に見直すことで、用具選定時のトラブルや誤解を防げます。
特に、スタッフごとの判断基準の差を減らすことが、利用者満足度の安定につながります。
まとめ:過去の改定を“次の改善”につなげる
2025年の福祉用具価格改定は、単なる制度変更ではなく、「選ぶ・説明する介護」への転換点でした。
今後も用具市場は進化を続けます。スタッフがその変化を理解し、利用者の視点で提案できるようになることが、介護の質を高める第一歩です。
過去の改定を振り返りながら、次の改善へと生かしていきましょう。
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飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。