
現場の悩み・働き方・制度を、立ち止まって確認できる視点で発信しています。
「もう今の介護施設を辞めたい。でも、次の仕事が決まっていない状態で退職して大丈夫だろうか」と迷うことがあります。
結論からいえば、次が決まる前に辞めること自体が間違いとは限りません。ただし、生活費の見通しや転職活動に使える期間を確認せずに退職すると、焦って次の職場を決めてしまう可能性があります。
この記事では、在職中に転職先を決める場合と、先に退職する場合の違いを整理しながら、介護職が後悔しにくい進め方を解説します。
次が決まっていなくても辞められる|大切なのは「辞める順番」より準備
介護職の転職では、「必ず次を決めてから辞めなければならない」と考える必要はありません。在職中に求人を探す方法にも、いったん退職してから探す方法にも、それぞれメリットがあります。
判断するときは、世間一般の正解ではなく、今の職場を続けられる状態か、収入が途切れても生活できるか、落ち着いて次を選べるかを分けて考えることが重要です。
「辞めたい理由そのもの」を整理したい場合は、介護職の転職理由と辞めたい主な原因も参考にしてください。
次の仕事が決まる前に退職するなら確認したい4つのこと
1. 収入がない期間の生活費を確認する
最初に確認したいのは、退職後にどの程度の期間なら無理なく生活できるかです。家賃、住宅ローン、食費、通信費、保険料など、毎月必要になる支出を書き出してみましょう。
転職活動が想定より長引く可能性もあるため、「すぐ決まるはず」と考えて予定を組むより、余裕を持って見積もるほうが安心です。
2. なぜ辞めたいのかを言葉にする
夜勤、人間関係、給与、身体的負担、休みの取りにくさなど、退職理由によって次に選ぶべき求人条件は変わります。
たとえば夜勤が原因なら、単に施設を変えるだけでなく日勤中心の職場を探す必要があります。人間関係が理由なら、求人票だけでなく見学や面接で職員の様子を確認することが大切です。
3. 退職後に必要な手続きの予定を確認する
退職後は、次の勤務先が決まる時期によって健康保険、年金、雇用保険などの手続きが必要になることがあります。個々の状況で必要な対応は異なるため、勤務先から受け取る書類を確認し、不明点は公的窓口などで確認しましょう。
4. 退職を伝える時期と引き継ぎを確認する
「もう辞める」と決めても、伝え方や引き継ぎで悩む人は少なくありません。就業規則なども確認しながら、現実的な退職日を考えます。
具体的な進め方は介護職の退職の伝え方・引き継ぎマナーで整理しています。
先に辞めてから転職活動する選択が向いているケース
次のような状況では、「転職先が決まるまで耐える」ことだけを優先しないほうがよい場合があります。
- 出勤を続けること自体が大きな負担になっている
- 夜勤や長時間勤務で転職活動の時間を確保しにくい
- 休日も仕事の疲れが強く、求人比較や面接準備が進まない
- 退職後しばらく収入が途切れても生活できる見通しがある
- 一度働き方や今後の方向性を整理してから次を選びたい
特に、仕事を続けながらでは求人を十分に比較できず、「早く決めたい」という気持ちだけで応募先を選びそうな場合は注意が必要です。
今の職場に在籍しながら転職先を探すほうが向いているケース
一方で、現在の勤務を一定期間続けられ、転職活動の時間も確保できるなら、在職中に次を決めるメリットは大きいです。
- 収入を維持しながら求人を比較したい
- 生活費の余裕が少なく、無収入期間を避けたい
- 今すぐ退職しなければならないほどの切迫感はない
- 希望条件に合う求人が出るまで待ちたい
在職中なら「条件に合わなければ応募しない」という判断もしやすくなります。転職を始める時期に迷う場合は、介護職の転職タイミングと求人探しを始める時期も確認してみてください。
次が決まってないまま辞めるデメリットも知っておく
収入が途切れると求人選びを急ぎやすい
貯蓄が減っていく状況では、「条件より早く働けること」を優先したくなることがあります。その結果、退職理由だった夜勤回数、人員体制、通勤時間などを十分に確認しないまま入職してしまうことがあります。
転職活動が長引くと不安が大きくなることがある
退職直後は気持ちが楽になっても、応募や面接が思うように進まないと焦りが出る場合があります。退職前に「いつごろから求人を見るか」「何を優先するか」だけでも決めておくと動きやすくなります。
休む期間と転職活動の開始時期を曖昧にしない
休養が必要なら、休むこと自体を否定する必要はありません。ただし、何となく時間が過ぎると再スタートが重くなることもあります。体調や事情に合わせて、「まず休む」「その後に条件整理」「求人を見る」と段階を分ける方法があります。
退職後の介護転職は「条件整理→比較→見学・面接」の順で進める
ステップ1:前職でつらかった条件を反転させる
「夜勤が多かった」なら夜勤なし・回数少なめ、「休みが少なかった」なら年間休日や希望休、「身体介助が負担だった」なら仕事内容や施設形態というように、退職理由を次の求人条件に変換します。
ステップ2:絶対条件と希望条件を分ける
すべての条件を満たす求人だけを探すと選択肢が狭くなります。「絶対に譲れない条件」と「できれば欲しい条件」を分けておくと比較しやすくなります。
ステップ3:1社だけでなく複数求人を比べる
求人票を1件ずつ見るだけでは、その給与や休日数が自分にとって良い条件なのか判断しにくいことがあります。同じエリア・施設形態・雇用形態で複数求人を並べて比較しましょう。
応募数の考え方は介護職の転職は何社に応募するかで詳しく解説しています。
ステップ4:必要なら転職サービスも比較手段として使う
自分で求人検索するほか、介護職向け転職サービスを使って希望条件を伝え、候補を比較する方法もあります。サービスによって求人の探し方やサポート範囲が異なるため、登録前に違いを確認することが大切です。
選択肢をまとめて見たい場合は、介護転職サイトおすすめ比較も参考にしてください。
「辞めてから転職」で同じ失敗を繰り返さない職場選び
次が決まる前に辞める最大のメリットは、いったん立ち止まって職場選びをやり直せることです。せっかく時間を取るなら、求人票の給与だけで決めず、前職を辞めた原因が次の職場にもないか確認しましょう。
- 夜勤の回数・時間帯・人員体制
- 残業の発生状況と記録業務の進め方
- 希望休や有給休暇について確認しやすいか
- 入職後の教育・フォロー体制
- 職員同士の声かけや見学時の雰囲気
- 身体介助の量と担当する利用者像
- 給与・手当・雇用条件を書面で確認できるか
退職理由を「次の職場で確認する質問」に変えることが、同じミスマッチを避けるポイントです。
介護職が次を決めずに辞めるときのよくある質問
次が決まっていないことは面接で不利になりますか?
退職後に応募することだけで一律に判断されるとは限りません。面接では、前職の不満だけを並べるより、「何を見直し、次はどんな働き方をしたいか」を説明できるよう準備しておくことが大切です。
退職してからどのくらい休んでも大丈夫ですか?
必要な休養期間は人によって異なります。大切なのは、生活面の見通しを確認し、休養と転職活動を自分の中で区切ることです。体調面に不安がある場合は、転職活動を急ぐより医療機関など適切な相談先につながることを優先してください。
辞めたいのに引き止められたらどうすればいいですか?
強く引き止められると、退職の意思を伝えにくくなることがあります。すでに退職を決めているなら、感情的な議論を続けるより、退職意思と希望時期を整理して伝えることが重要です。詳しくは介護職が退職を引き止められたときの対処法で解説しています。
まとめ|次が決まってない不安より「退職後に焦って選ばない準備」をする
介護職は、必ずしも次の仕事を決めてから退職しなければならないわけではありません。今の職場を続けられる状態、生活費の見通し、転職活動に使える時間によって適した順番は変わります。
先に辞める場合は、退職前に生活面を確認し、辞めたい理由を次の求人条件へ変換しておくことが大切です。反対に、働きながら比較できる余力があるなら、収入を維持したまま希望条件に合う求人を待つ方法もあります。
「早く次を決める」ことだけを目標にせず、前の職場で何が合わなかったのかを整理し、同じ理由で再び悩みにくい職場を選びましょう。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。





