
現場の悩み・働き方・制度を、立ち止まって確認できる視点で発信しています。
介護現場で多くのスタッフが悩むのが、「記録を後回しにしてしまう問題」です。
「対応が優先で書く時間がない」「あとでまとめて書こうと思って忘れる」「書いたつもりが抜けていた」——こうした積み重ねが、注意や差し戻し、ストレスにつながりやすくなります。
本記事では、現場目線で記録の“抜け・漏れ”を減らす現実的な考え方と、今日からできる小さな改善を整理します。
なぜ介護現場では「記録が後回し」になりやすいのか
- 現場対応が最優先になる。
- 「まとめて書く」前提になりがち。
- 記録が評価されにくい。
介護の仕事は、利用者対応が最優先です。コール・排泄・食事・見守りが続く中で、記録はどうしても後回しになりやすくなります。
また、「あとでまとめて書こう」という前提があると、記憶頼みになり、時間ズレや抜けが起きやすくなります。
さらに、記録は“やって当たり前”と見られやすく、評価されにくい仕事だと感じてしまうことも、後回しの一因です。
現場で起きている“記録トラブル”
- 記載漏れ・あいまい表現。
- 申し送りと内容が合わない。
- 事故時に説明できない。
後回しにした結果、「たぶんこの時間」「様子変わりなし」といった曖昧な表現が増え、事実関係が追えなくなることがあります。
申し送りでは話した内容が、記録には反映されていない、あるいは逆に記録だけ残っているなど、情報の不一致も起きがちです。
ヒヤリ・事故が起きた際に、「いつ・何があったか」を説明できず、自分を守れない状況になることもあります。
よくあるケース:
・排泄介助の時間が曖昧で、夜勤者が判断に迷う。
・不穏対応を申し送ったが、記録に残っておらず共有されない。
・転倒後の対応はしたが、経過の記載がなく振り返りができない。
記録を「ためない」ための現実的な考え方
- 記録を動線に組み込む。
- 完璧を目指さない。
- 「3行で足りる」と考える。
記録は「時間が空いたら書く」ではなく、動線の一部として組み込むのがポイントです。
たとえば、排泄介助後に手洗い→消毒→その場で一言入力、という流れを固定化します。
また、完璧な文章を目指す必要はありません。事実・対応・結果の3点が押さえられていれば十分です。
「3行で足りる」と考えることで、心理的ハードルが下がり、書きやすくなります。
3行記録の考え方:
① 事実:14:30 トイレ誘導、失禁あり。
② 対応:陰部洗浄・更衣実施。
③ 結果:皮膚トラブルなし、表情落ち着く。
今日からできる小さな改善
- 記録タイミングを決める。
- 定型フレーズを持つ。
- チームで基準を揃える。
まずは、「どのケアのあとに、いつ記録するか」をあらかじめ決めておくことが有効です。
次に、よく使う表現を定型フレーズとして持っておくと、入力時間を短縮できます。
さらに、「この内容は必ず書く」「これは省略OK」といった基準をチームで共有することで、迷いが減り、抜けも防ぎやすくなります。
定型フレーズ例:
・「声かけにて落ち着き、拒否なし」
・「転倒なし、見守り強化で対応」
・「体調変化なく経過観察」
「記録=自分を守る道具」という視点
- 記録は責任追及のためだけではない。
- 自分の判断を裏付ける材料になる。
- 次のスタッフを助ける情報になる。
記録は「怒られないため」だけに書くものではありません。
その時点で最善の判断をしたことを残すための、自分を守る道具でもあります。
また、次のシフトのスタッフが迷わず動けるようになることで、結果的に自分の負担も減るというメリットがあります。
まとめ:記録は“あとで書くもの”から“今を助けるもの”へ
- 後回しは抜け・漏れの原因になる。
- 短く・その場で・事実ベースが基本。
- 記録は自分とチームを守る。
記録が後回しになるのは、個人の意識の問題だけではなく、現場の構造による部分も大きいものです。
だからこそ、完璧を目指さず、ためない工夫を取り入れることが重要です。
今日の勤務から、まずは「3行でいい」「今の動線で一言残す」ことを意識してみてください。
その小さな積み重ねが、抜け・漏れを減らし、現場を少しずつラクにしていきます。
🤝「人間関係・待遇・働き方」に悩んでいる方へ

「今の職場、ちょっと合わないかも…」と感じたら、まずは話をしてみませんか?介護職専門のアドバイザーが、あなたの希望や悩みを丁寧に聞き取り、ぴったりの職場や非公開求人をご紹介します。
待遇交渉や面接の調整、就業後のフォローまで、すべてのサポートが完全無料。 職場の雰囲気や人間関係など、ひとりでは分かりづらい情報も事前に確認できます。転職するかどうか迷っている段階でも大丈夫。相談を通して自分の強みや、より良い働き方のヒントが見えてくるはずです。
※ すべてのサービスを0円でご利用いただけます。ご相談内容は外部に共有されません。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。






