「面接の前に施設見学をしたけれど、どこを見ればいいのか分からない…」
そんな不安を感じたことはありませんか?
介護職の転職では、施設見学が“職場選びの分かれ道”になります。
表面だけでは分からない職場の実態を見抜くために、この記事では施設見学で確認すべき7つのポイントを具体的に解説します。
なぜ施設見学が重要なのか?
求人票や面接の情報だけでは、実際の職場環境までは分かりません。
施設見学は、「人間関係」「働きやすさ」「運営体制」など、現場のリアルを知る絶好の機会です。
また、見学での印象は転職後の満足度に直結します。
「なんとなく違和感があったけれど入職したらブラックだった…」という失敗を避けるためにも、
チェックポイントを明確にして臨むことが大切です。
施設見学でチェックすべき7つのポイント
① 職員の表情と挨拶
見学時にまず注目すべきは職員の表情や雰囲気です。
スタッフが笑顔で利用者や同僚と接しているか、見学者に対しても自然に挨拶があるかを観察しましょう。
無表情・無反応が多い施設は、職場のストレス度が高い可能性があります。
チェックのポイント:
・見学者にも笑顔で対応してくれるか
・スタッフ同士の声かけがあるか
・忙しさの中にも余裕が感じられるか
② 利用者の表情・言葉づかい
職員の対応だけでなく、利用者の表情にも注目してみましょう。
笑顔が多く、落ち着いた雰囲気の利用者が多ければ、日常的に丁寧なケアが行われている証拠です。
反対に、利用者が職員の顔色をうかがうような様子なら注意が必要です。
チェックのポイント:
・利用者が安心して過ごしているか
・職員の声かけが優しいか
・利用者が笑顔で職員に話しかけているか
③ 清掃・整理整頓の状態
施設の清潔感は、運営体制と職員の意識を映す鏡です。
廊下・トイレ・食堂などにゴミやにおいがないか、備品が整然と並んでいるかを確認しましょう。
見学時に気になる異臭や埃は、職員の衛生意識や人員不足のサインかもしれません。
チェックのポイント:
・床やトイレが清潔に保たれているか
・物品が整理整頓されているか
・消毒液や掃除用具が適切に設置されているか
④ スタッフの人数と動き
介護現場では人手の多さと動線のスムーズさが働きやすさに直結します。
スタッフが常にバタバタしていたり、1人で複数の利用者を抱えている場合は人員不足の可能性があります。
チェックのポイント:
・スタッフが慌ただしすぎないか
・利用者への対応に余裕があるか
・介助や記録が一人に偏っていないか
⑤ 管理者・見学対応者の姿勢
見学時に案内してくれる管理者やリーダーの対応も重要です。
質問に丁寧に答えてくれるか、現場スタッフとの関係が良好そうかを観察しましょう。
管理職がスタッフを尊重している施設は、風通しが良く離職率も低い傾向があります。
チェックのポイント:
・質問に対して誠実に答えてくれるか
・現場スタッフと自然に会話しているか
・見学を“採用活動”ではなく“職場紹介”として対応しているか
⑥ 研修・教育体制の有無
未経験・ブランクありの方は、研修制度の充実度を確認しましょう。
「先輩が教えるから大丈夫」という曖昧な回答は要注意。
具体的な研修期間や教育担当者の有無を質問してみるのがおすすめです。
チェックのポイント:
・新人研修やOJT制度が明確か
・資格取得支援制度があるか
・マニュアルや指導体制が整っているか
⑦ 残業・休憩時間の実態
求人票の「残業ほぼなし」「休憩1時間あり」が本当かどうかは、
現場を見ればある程度分かります。
職員が昼休憩を取れているか、シフト表が現実的かを確認しましょう。
チェックのポイント:
・スタッフがきちんと休憩を取っているか
・勤務中に焦りや疲労の色がないか
・実際のシフト表を見せてもらえるか
ブラック施設に共通する3つの特徴
見学中に次のような雰囲気を感じた場合は、注意が必要です。
- 職員が見学者を避けるような態度を取る
- 質問に対して具体的な回答が得られない
- 管理者が現場の状況を把握していない
こうした施設は、離職率が高く人手不足に陥っている可能性があります。
“人”と“環境”の両方をよく観察し、違和感があればその直感を大切にしましょう。
見学時に聞いておくと良い質問例
- 新人教育はどのように行っていますか?
- 1日の職員配置は何人くらいですか?
- 残業や夜勤の頻度はどのくらいですか?
- 職員同士で意見交換する場はありますか?
質問内容からも「働く意欲」や「現場理解の深さ」をアピールできます。
面接を兼ねた見学の場合にも好印象を与える質問です。
施設見学を成功させる3つの準備
- ① メモ帳・筆記用具を持参
見たこと・聞いたことをその場でメモしておくと、比較時に役立ちます。 - ② 服装は清潔感を意識
派手すぎず、落ち着いた色の服装で訪問しましょう。 - ③ 笑顔とあいさつを忘れずに
見学も「採用選考の一部」と思って臨むと好印象です。
まとめ:見学は“働く自分”をイメージする時間
施設見学は、単なる見学ではなく「将来自分が働く場所を確かめる大切な時間」です。
求人票の条件だけでなく、職員の雰囲気や働く環境を自分の目で見て判断することが、転職成功のカギになります。
焦らず複数の施設を見比べて、「ここなら安心して働けそう」と思える職場を見つけましょう。
介護の仕事は、環境が整えば長く続けられる素晴らしい職業です。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。