
北海道で介護の仕事を考えている方へ。このページでは、北海道の介護求人の特徴・給与相場・夜勤回数・地域ごとの働き方の違いなどを、全国47都道府県のデータを比較しながらわかりやすくまとめています。
介護業界は、全国どこでも人手不足が続いていますが、実は地域によって「働きやすさ」や「仕事内容」「給与水準」が全く違うことをご存じでしょうか。
特に北海道は、広大な移動距離・積雪時期の勤務・訪問介護の需要・車通勤の必須度など、独特の特徴が多い地域です。「北海道で介護職として働く強み・注意点」を知っておくことで、転職の満足度は大きく変わります。
この記事では、北海道の介護求人を、札幌市〜地方エリアまで徹底的に解説します。
1|北海道の介護求人の全体傾向
■ 北海道全体の求人数
北海道は全国でも突出して面積が広く、人口の多くが札幌市周辺に集中している一方、地方エリアは人口密度が低いという特徴があります。そのため、介護求人も「札幌を中心とした都市部」と「道央・道南・道北・道東の地方エリア」では、求人数・職場の種類・採用ハードルがはっきり分かれます。
- 札幌市:圧倒的に求人数が多い(道内の約半数を占める)
- 旭川市・函館市・帯広市:中規模で、比較的安定した求人量
- 小樽・北見・釧路・網走:求人は少なめだが、その分採用率は高め
地方部は慢性的な人手不足のため、未経験者・ブランクありの方でも採用されやすく、研修を充実させて育てる方針の施設も多いのが特徴です。都市部は選択肢が広い分、事業所のカラーや待遇差が出やすいため、比較しながら選ぶことが重要です。
■ 給与水準の特徴
北海道の基本給は全国平均よりやや低めですが、その分夜勤回数が多めに設定される施設が多く、手当を含めると総支給は平均に近づきやすい傾向があります。特に特養や老健は夜勤の入り方によって収入が安定しやすく、月給よりも「総支給額」で比較するほうが実態に合っています。
- 有料老人ホーム:月給20.5〜23万円前後
- 特養・老健:月給20〜24万円前後(夜勤回数により変動)
- 夜勤回数:4〜6回が一般的(地方では月7回以上のシフトも珍しくない)
夜勤手当が一定して支給されるため、総支給額では全国平均と大きな差が出にくいというメリットがあります。また、地方の特養・老健では、夜勤回数が多い分「収入を上げたい人には向く環境」と言えます。
■ 働き方の傾向
北海道で介護職として働く場合、気候・地理的条件が働き方に直接影響します。他の都府県と比べても「冬季の勤務計画」や「通勤手段」の重要性が高い点が大きな特徴です。
- 車通勤がほぼ必須(特に札幌以外の地域は公共交通が弱い)
- 冬季の雪道・交通事情により、勤務シフトや通勤時間が変動しやすい
- 訪問介護は全国的にも需要が高く、移動距離が長くなりやすい
- 中規模〜大規模法人が多く、研修制度・OJTが整った職場も多い
特に訪問介護では、冬の雪道を運転しながら移動する負担を理解したうえで事業所を選ぶことが必須です。都市部は比較的アクセスが良いものの、地方エリアは「移動時間の計算」「車両の状態管理」「冬季の安全確保」も仕事内容の一部として考える必要があります。
2|北海道で多い施設種別の特徴
北海道では、都市部と地方エリアで施設構成が大きく異なります。札幌などの都市部は有料老人ホームや大規模法人が多く、地方は地域密着型の小規模施設・訪問サービスが中心です。ここでは、北海道で特に多い主要施設の特徴を整理します。
■ 特別養護老人ホーム(特養)
- 北海道は特養の割合が全国的にも高い
- 介護度が高い利用者が多く、身体介助が中心
- 実務経験を積みたい・技術を磨きたい人に向く
北海道は地域の高齢化率が高いエリアも多く、特養のニーズが強い地域です。夜勤が安定して入れる・医療と連携しながら重度ケアを経験できるなど、経験値を積みたい人に適した環境が整っています。
■ 介護老人保健施設(老健)
- 医療法人が運営する施設が多く、リハビリ色が強い
- 医師・看護師との連携が多く、医療的知識を学べる
老健は「在宅復帰支援」が目的のため、他の施設よりもリハビリスタッフや看護師との連携が密。医療寄りの現場に興味がある人、改善支援に関わりたい人に向いています。北海道は老健も多く、道内では比較的バランスよく求人があります。
■ 有料老人ホーム
- 札幌市を中心に年々増加している
- 接遇・サービス品質が重視される施設が多い
都市部では民間企業による有料老人ホームが増えており、介護+接客スキルが求められるのが特徴です。利用者の生活の質(QOL)を重視するため、「丁寧な対応が得意」「ホテルのような雰囲気が好き」な方が活躍しやすい傾向があります。
■ グループホーム・小規模多機能
- 地方エリアに非常に多い
- 少人数ケアで、利用者との距離が近い
- アットホームな雰囲気で働きたい人に向く
道内の地方エリアでは、地域密着型サービス(グループホーム・小多機)の割合が高めです。1ユニット9名の少人数ケアが基本となるため、「一人ひとりをじっくり見たい」というタイプにぴったり。地域に根ざした温かい環境で働きたい人から人気です。
■ 訪問介護
- 北海道ならではの主流カテゴリー
- 利用者宅への移動はほぼすべて車
- 「運転が得意」「雪道に慣れている」人に特に向く
北海道は土地が広く、在宅介護のニーズが全国的に見ても高い地域です。訪問介護は自宅ケアを支える重要なサービスで、都市部でも地方でも求人が安定して多いのが特徴。冬季は雪道の運転が必須となるため、安全運転・時間管理のスキルが求められます。その一方で、利用者との関わりが深く、やりがいを感じやすい分野でもあります。
3|札幌市・地方エリアの違い
北海道はエリアによって介護求人の傾向が大きく異なります。ここでは、道内でもっとも求人数が多い札幌市と、旭川・函館・北見・帯広などの地方主要都市を比較し、それぞれの特徴をわかりやすくまとめます。
■ 札幌市の特徴
- 求人数が豊富で、職場選びの選択肢が圧倒的に多い
- 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が急増
- 夜勤回数はやや少なめ(2〜4回程度が一般的)
- 電車・地下鉄・バス移動のみで通勤できる職場も多い
札幌市は道内でもっとも介護求人が集中しており、施設種類・勤務形態・法人規模のバリエーションが非常に豊富です。都市部特有の「接遇を重視する施設」「教育体制が整った大規模法人」などが多く、働き方の自由度が高いのも大きな強みです。また、公共交通機関が整っているため、車を持っていなくても勤務できるケースが多い点は、北海道としては貴重な環境です。
■ 地方エリアの特徴(旭川・函館・北見・帯広など)
- 特別養護老人ホーム(特養)・老健が中心で、重度ケアを経験しやすい
- 夜勤回数は多め(4〜6回以上のシフトも一般的)
- 訪問介護・在宅支援の需要が非常に高い
- 車通勤が必須で、勤務先までの移動距離が長くなる傾向がある
地方エリアは都市部よりも人手不足が深刻で、未経験・無資格からの採用にも積極的な職場が多いのが特徴です。地域密着の小規模施設や、在宅支援に力を入れる法人も多く、「地元で安定して働きたい」「1つの地域と深く関わりたい」という人には向いています。夜勤が多い分、収入面で安定しやすいのも地方ならではのメリットです。
全体として、札幌市は「選択肢の多さ・働き方の柔軟さ」、地方は「採用されやすさ・経験を積みやすい環境」といった違いがあり、自分が重視するポイントによって適したエリアは大きく変わります。
4|北海道で働くメリット・デメリット
北海道は広大な地域性や気候の影響を受けやすいため、介護職として働くうえでのメリットとデメリットが全国でもはっきり分かれるエリアです。「どんな働き方が合っているのか」を判断する材料として、事前に把握しておくことが重要です。
■ メリット
- 自然が多く、静かな環境で落ち着いて働ける
- 地方は採用率が高く、未経験でもスタートしやすい
- 特養・老健が多く、実務経験・技術力がつきやすい
- 訪問介護の需要が高く、スキルの幅を広げやすい
北海道は自然に囲まれた環境が多く、ゆったりとした地域性の中で働けるのが魅力です。地方エリアは慢性的な人手不足のため、無資格からの実務者研修サポートや、OJTに力を入れる施設も多く、キャリアを始めるには適した地域です。また特養・老健の割合が高く、身体介助や医療連携などの経験を積みながら、着実にスキルアップできる点もメリットと言えます。訪問介護の需要も全国的に高く、希望すれば在宅ケアや外回りの仕事にも挑戦しやすい環境があります。
■ デメリット
- 冬季の通勤負担が大きい(雪道・早番など)
- 給与は全国平均よりやや低め
- 車が必須の地域が多く、維持費も含め負担になりやすい
- 都市部以外は施設の選択肢が少なめで、比較がしにくい
一方で北海道特有の課題もあります。最大の負担となりやすいのは冬季の通勤で、雪道運転・早番・道路状況による遅延など、他県にはない苦労が発生します。また、基本給は全国平均よりやや低めで、夜勤手当や回数によって収入を補う働き方が一般的です。さらに、地方は車が必須で、ガソリン代やタイヤ交換など維持費がかかる点も見逃せません。都市部以外では施設数が少ないため、希望条件に合う職場を見つけるまで時間がかかるケースもあります。
5|北海道で介護職が向いている人
北海道は独特の地域性・施設構成・気候の影響が強いため、向いているタイプの介護職像が他県と少し異なります。特に「どんな働き方をしたいか」「どんな環境で長く働けるか」をイメージすることで、職場選びの満足度が大きく変わります。
- 身体介助のスキルを磨きたい人
- 訪問介護に挑戦したい人
- 落ち着いた雰囲気で働きたい人
- 車の運転に抵抗がない人(特に冬季の雪道)
- アットホームな施設で長く働きたい人
北海道は特養・老健の割合が多いため、身体介助・夜勤・医療連携など、介護職としての基礎をしっかり身につけたい人には最適な環境です。また在宅介護の需要が高いことから、訪問介護でスキル幅を広げたい方にも向いています。
都市部を離れると、アットホームで地域密着型の施設が多く、利用者さんや家族との距離も近くなります。「落ち着いた地域で長く働きたい」「人間関係が温かい職場が良い」というタイプの方にとっては、やりがいが大きい環境です。
一方で広い地域を移動するため、車の運転はほぼ必須。特に冬季の雪道運転は道外では経験しづらいため、運転に抵抗がない人・安全運転が得意な人は訪問系でも施設系でも大きく活躍できます。
6|北海道で求人を探すコツ
北海道で介護の求人を探す際は、「札幌市で探すか」「地方エリアで探すか」によってポイントが大きく変わります。さらに、北海道は地域差が大きいぶん、求人サイトごとの取り扱い状況にも偏りが出やすいため、情報の集め方が非常に重要になります。
■ 札幌市:選択肢の多さを活かす
- 大手法人・研修制度が整った施設が豊富
- 働きやすさ・給与条件・勤務時間のバランスが良い
札幌市は道内で最も求人数が集中しており、施設の種類・法人規模・働き方のバリエーションが圧倒的に豊富です。大手法人も多いため、研修制度やOJTが充実している職場を選びやすいのもメリット。シフトの自由度が高い施設も多く、初めての転職や働き方の見直しをしたい人にとって選びやすい環境です。
■ 地方エリア:採用率の高さを活かす
- 未経験・ブランクありでも採用されやすい
- 夜勤回数を増やすことで収入を伸ばしやすい
旭川・函館・北見・帯広などの地方エリアは慢性的に人手不足が続いているため、経験よりも「人柄」や「地域に長く関われるか」を重視して採用する施設が多いのが特徴です。夜勤回数を安定して確保しやすいため、収入面を重視する人にはメリットが大きい環境です。また、地域密着型でアットホームな施設が多く、利用者との距離が近いケアをしたい人にとっても魅力があります。
■ 求人サイト選びがもっとも重要
北海道は地域ごとに求人の偏りが大きく、介護職は特に「求人サイトによって掲載施設が大きく異なる」という特徴があります。札幌市は扱うサイトが多い一方、地方はサイトによって掲載数に差が出やすいため、
➡ 2〜3サイトを併用して情報を集めるのが最も成功率が高い方法です。
比較することで、同じ施設でも条件の違いに気づいたり、非公開求人を紹介してもらえる可能性が高まるため、特に北海道では複数利用が効果的です。
7|北海道で使うべき求人サイト

北海道はエリアごとに求人の偏りが大きいため、「どの求人サイトを使うか」で集まる情報量が大きく変わります。特に札幌市は非公開求人が多く、地方はサイトごとに掲載状況の差が出やすいため、複数サイトの併用が最も効果的です。ここでは、北海道での転職に強いサイトを厳選して紹介します。
■ レバウェル介護(基軸にすべき1社)
- 全国トップクラスの求人数を保有
- 札幌市の非公開求人が特に豊富
- 施設の内部情報(人間関係・雰囲気・評判)に詳しい
レバウェル介護は、北海道で転職するなら「まず登録すべき」基軸の1社です。求人数が多いだけでなく、札幌市の有料老人ホーム・特養・サ高住の内部情報に強いため、ミスマッチを防ぎやすいのが最大の魅力です。働きやすさや離職率、夜勤体制のリアルな情報が得られるため、初めての転職でも安心して比較できます。
■ クリックジョブ介護(働きやすさ比較に最適)
- 施設ごとの雰囲気・人間関係・評判を丁寧にヒアリング
- 働きやすさ重視の人に特に合う
クリックジョブ介護は「働きやすさ」を重視する人向けで、職場の雰囲気や人間関係に関する情報が豊富なのが特徴です。介護職の離職理由は人間関係が多いと言われるため、こうした内部情報をしっかり持っているサービスは比較に非常に役立ちます。札幌市だけでなく、地方エリアの施設情報にも強いため、バランス良く使えます。
■ ジョブソエル or かいご畑(未経験・サポート重視)
- 資格取得支援制度が充実している
- 未経験・ブランク向けの求人が豊富
ジョブソエルとかいご畑は、未経験者・ブランクがある人をしっかりサポートしてくれるタイプの求人サイトです。資格取得支援があるため、初めての介護職でもスムーズに現場に入れるメリットがあります。地方エリアに強い求人も扱っているため、「まずは資格を取りながら無理なく始めたい」という方に最適です。
この3社を併用することで、北海道の都市部〜地方まで求人の取りこぼしがなくなり、希望に合った最適な職場を見つけやすくなります。求人数・内部情報・サポート体制のバランスが取れるため、比較しながら転職を進めたい人にとって非常に有効な組み合わせです。
まとめ|北海道は地域差が大きい。特徴を理解すれば失敗しない
北海道は面積が広く、生活環境・交通環境・施設構成がエリアによって大きく異なるため、札幌市と地方エリアでは介護職の働き方が大きく変わるという特徴があります。同じ介護職でも、求人数・夜勤回数・通勤手段・施設の種類がまったく違うため、求人選びでは「地域性を踏まえた比較」がとても重要です。
地域差を理解したうえで求人を比較すると、次のようなメリットがあります。
- 自分に合う職場を見つけやすくなる
- 給与や夜勤回数のミスマッチを防げる
- 働き方に対するストレスを減らせる
- 長く続けられる環境を選びやすくなる
北海道は都市部・地方それぞれに強みがあり、どの地域が自分に向いているかで働きやすさが大きく変わります。あなたの希望やライフスタイルに合わせて、北海道全体の特徴を踏まえながら転職活動を進めてみてください。地域の違いを理解して選ぶことで、より満足度の高い職場と出会いやすくなります。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。


