介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験したいものの、「3年働けばいいの?」「パートや夜勤は何日で数える?」「転職した期間も合算できる?」と迷う方は少なくありません。
結論からいうと、実務経験ルートでは対象となる施設・事業や職種での従業期間が3年以上(1,095日以上)、かつ実際に介護等の業務に従事した日数が540日以上という2つの条件を満たす必要があります。どちらか一方だけでは足りません。
この記事では、介護福祉士を目指す方向けに、実務経験の数え方を具体例とともに整理します。パート・アルバイト、夜勤、転職、複数事業所、休職、過去の勤務歴、見込み受験についても確認していきます。
介護福祉士の実務経験は「3年」と「540日」の両方が必要
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターでは、実務経験ルートの受験資格として、試験実施年度の3月31日までに次の両方を満たすことを求めています。
- 従業期間:3年以上(1,095日以上)
- 従事日数:540日以上
さらに、実務経験ルートでは原則として実務者研修の修了も必要です。受験資格全体を確認したい方は、先に介護福祉士になるための資格取得ルートも確認しておくと整理しやすいでしょう。
「3年間在籍した」だけでも、「540日出勤した」だけでも受験資格は完成しません。2つを別々に確認するのがポイントです。
従業期間1,095日の数え方
従業期間とは、実務経験の対象となる施設・事業と職種で在職していた期間です。一般的な「出勤日数」とは意味が違います。
たとえば、対象職種として2023年4月1日に入職し、2026年3月31日まで在職していれば、日付上の在職期間をもとに従業期間を確認します。
産休・育休・病休などの休職期間は従業期間に含まれる
試験センターのFAQでは、産休・育休・病休などの休職期間も従業期間に含まれるとされています。ただし、その期間に実際の介護業務をしていなければ、後述する「従事日数」には入りません。
つまり、休職期間がある場合は「在職していた期間」と「実際に働いた日数」を分けて考える必要があります。
従事日数540日の数え方
従事日数とは、従業期間のうち、雇用契約に基づいて実際に介護等の業務に従事した日数です。
休暇・欠勤・出張・研修など、実際に介護等の業務をしていない日は原則として従事日数に含まれません。
1日の勤務時間は問われない
試験センターは、従事日数について「1日の勤務時間は問わない」と案内しています。そのため、対象職種で実際に介護等の業務に従事していれば、短時間勤務だから一律に対象外になるわけではありません。
ただし、勤務先や職名が実務経験の対象に該当するかは別の確認が必要です。
パート・アルバイトでも実務経験に含まれる?
非常勤、パート、アルバイトでも、対象となる職種で雇用されていれば実務経験の対象になり得ます。正社員であることは必須条件ではありません。
一方で、週2〜3日勤務など勤務日数が少ない場合、従業期間3年以上を満たしていても、従事日数540日に届かないことがあります。
たとえば週3日勤務を単純計算すると、年間の勤務日数は約156日です。実際には休暇などもあるため、3年経過時点で540日に届かない可能性があります。勤務表や事業所が作成する証明内容で確認しましょう。
夜勤は1日?2日?従事日数の考え方
夜勤は日付をまたぐため、「2日分にできるのでは」と考えやすいところです。
試験センターのFAQでは、夜間勤務の従事日数は事業所の雇用・就業規程に基づいて計算するとされています。単純に「日付をまたいだから必ず2日」とは判断できません。
夜勤が多い方は自己判断で日数を足すのではなく、勤務先の担当者に実務経験証明書上の扱いを確認しておくと安心です。
夜勤そのものの働き方に不安がある方は、介護職の夜勤がつらいと感じる原因と対処の選択肢も参考にしてください。
転職しても実務経験は合算できる
対象となる施設・事業、職種で働いていたのであれば、転職前後の従業期間・従事日数を合算できます。
たとえば、A施設で1年6か月、B施設で1年6か月働き、双方が実務経験の対象であれば、期間を通算して確認できます。
現在は介護職を離れている場合でも、過去の勤務先で対象となる施設・事業・職種に該当していた実務経験は有効とされています。
退職した勤務先にも証明を依頼する場合がある
複数の勤務先の経験を合算する場合、それぞれの事業所に実務経験証明書の作成を依頼することになります。受験直前になって慌てないよう、過去の勤務先の連絡先を確認しておきましょう。
複数事業所で同じ日に働いた場合は二重計上できない
ダブルワークなどで同じ期間に複数の事業所へ所属していても、同じ日に2つの事業所で介護等の業務を行った場合、その日の従事日数は1日として扱われます。
また、同じ期間に複数事業所へ所属している場合は、実務経験証明書に加えて「従事日数内訳証明書」が必要になるケースがあります。
勤務先が多いほど計算が複雑になるため、早い段階で必要書類を確認しておくことが大切です。
すべての介護・福祉の仕事が実務経験になるわけではない
実務経験は、単に「福祉施設で働いていた」というだけでは認められません。対象となる施設・事業と職種の両方を確認する必要があります。
試験センターでは、主たる業務が介護等ではない職種として、生活相談員、支援相談員、看護師、ケアマネジャー、調理員、事務員などを対象外の例として示しています。一方、介護業務との兼務が明確で、主たる業務が介護等である場合には対象となるケースがあります。
職名だけで自己判断せず、受験する年度の「実務経験の範囲」で勤務先と職種を確認してください。
まだ3年・540日に届かなくても「見込み」で申し込める場合がある
受験申込時点で必要な実務経験を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに従業期間・従事日数の両方を満たす見込みであれば、「実務経験見込み」として申し込める場合があります。
ただし、見込みで申し込んだ場合は、実務経験を満たした後に改めて必要な証明を提出する手続きが発生します。提出期限や様式は受験年度によって確認が必要です。
実務経験ルートでは実務者研修の修了時期も重要です。研修の全体像は実務者研修とは?内容・費用・メリットの解説、受講期間や費用を整理したい方は実務者研修の費用と期間もあわせて確認してください。
自分の実務経験を確認する5ステップ
- 勤務してきた施設・事業が実務経験の対象か確認する
- 職種が対象か確認する
- 各勤務先の在職期間を整理する
- 実際に介護等の業務をした従事日数を確認する
- 必要な実務経験証明書を勤務先へ依頼する
手元の勤務表だけで正確な証明日数を確定できるとは限りません。最終的には勤務先が作成する証明書と、試験センターの最新案内を確認してください。
実務経験を数えるときのよくある勘違い
- 3年間在籍すれば自動的に受験資格を満たすと思う
- 540日働けば3年未満でも受験できると思う
- 研修や有給休暇の日も従事日数に入れる
- 日付をまたぐ夜勤を必ず2日として数える
- 同じ日のダブルワークを2日分として数える
- 福祉施設で働いた期間なら職種を問わず対象だと思う
特に「従業期間」と「従事日数」の違いを理解しておくと、多くの勘違いを避けられます。
受験前に必ず最新の公式情報を確認しよう
介護福祉士国家試験の受験資格や証明書の様式は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの案内が基準になります。
勤務形態や職種の兼務など判断が難しい場合は、勤務先の担当者や試験センターの案内で確認するのが確実です。
まとめ|3年と540日を分けて確認すれば実務経験を整理しやすい
介護福祉士の実務経験ルートでは、従業期間3年以上(1,095日以上)と従事日数540日以上の両方が必要です。
パートやアルバイトでも対象職種なら実務経験になり得ます。転職前後の経験も対象条件を満たせば合算できます。一方、夜勤やダブルワーク、休職、兼務職種などは単純な日数計算では判断しにくいケースがあります。
まず自分の勤務歴を一覧にし、「どこで・何の職種として・いつからいつまで・何日介護業務をしたか」を整理してみましょう。そのうえで公式情報と実務経験証明書を確認すると、受験できる時期が見えやすくなります。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経験し、今は日々利用者さんと向き合う現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。
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