
※この記事は「レクリエーション・日常生活支援」に関する介護現場あるあるQ&Aの一つです。
介護の現場では、体力低下や病状の影響で、
一日の大半をベッド上で過ごしている利用者さんも少なくありません。
「このままずっと寝ていて大丈夫かな」
「少しは動いたほうがいい気がするけど、無理はさせられない」
そんなふうに、活動量を増やしたい気持ちと、
体調悪化への不安の間で悩むことも多いのではないでしょうか。
ベッド上で過ごす時間が長い方への支援で大切なのは、
“とにかく動かす”ことではなく、“安心して続けられる動き”を積み重ねることです。
この記事では、無理なく活動量を高めていくための考え方と、
現場で実践しやすい具体的な工夫を、段階ごとに詳しく解説します。
① いきなり活動量を増やそうとしない
活動量を増やそうとすると、
「起き上がってもらおう」
「離床時間を長くしよう」
と考えがちですが、
急な変化は利用者さんにとって大きな負担になります。
無理に動かすことで、
- 疲労が強くなる
- 不安や拒否感が増す
- 体調を崩して逆に寝たきりが進む
といったリスクもあります。
まずは「今の状態を維持しながら、少しだけ動きを足す」
という意識を持つことが大切です。
② 最初の一歩はベッド上でできる体操から
活動量UPの第一段階としておすすめなのが、
ベッド上で完結する簡単な動きです。
例えば、
- 手足をゆっくり動かす関節運動
- 深呼吸と一緒に行う軽い体操
- 足首や指先を動かす運動
これらは、
- 体力消耗が少ない
- 安全性が高い
- 「できた」という感覚を持ちやすい
というメリットがあります。
「運動」という言葉を使わず、
「一緒に体をほぐしましょう」
「少し楽になる体操をしましょう」
と声をかけると、受け入れられやすくなります。
③ 座位時間は“少しずつ”が基本
ベッド上での動きに慣れてきたら、
次のステップとして考えたいのが座位です。
ただし、
いきなり長時間座らせる必要はありません。
最初は、
- ベッドを少し起こす
- 数分だけ端座位をとる
- 食事の前後だけ起きる
といった短時間から始めます。
「今日はここまでできた」
という成功体験を積み重ねることで、
本人の安心感や意欲につながります。
体調や表情を見ながら、
日によって量を調整する柔軟さも重要です。
④ 活動は“生活の流れ”に組み込む
活動量を増やそうとして、
「体操の時間」「リハビリの時間」
を別枠で作ると、負担に感じられることがあります。
そこで意識したいのが、
生活動作の中で自然に体を動かす
という考え方です。
例えば、
- 着替えの際に腕を少し動かしてもらう
- 洗顔時に姿勢を保つ時間をつくる
- 食事前後に深呼吸を取り入れる
こうした小さな動きの積み重ねも、
立派な活動量アップにつながります。
「運動させる」より
「生活を一緒に行う」
という視点を持つと、関わりやすくなります。
⑤ 疲労や拒否のサインを見逃さない
活動量を増やす過程では、
常に利用者さんの反応を観察することが欠かせません。
例えば、
- 表情がこわばる
- 息が荒くなる
- 返事が少なくなる
こうした変化は、
「頑張りすぎ」のサインであることも多いです。
調子が良い日もあれば、
そうでない日もあります。
「昨日できたから今日も」
と決めつけず、
その日の状態に合わせて調整することが、
長く続けるコツです。
⑥ 医療職・リハ職との連携が安心につながる
活動量の調整に不安がある場合は、
看護師やリハビリ職と連携することが重要です。
例えば、
- どこまで動いてよいか
- 注意すべき症状は何か
- 避けたほうがよい動作
を共有しておくことで、
介護職も安心して関われるようになります。
「ちょうどいい活動量」は、
一人で決めるものではありません。
チームで確認しながら探していく姿勢が、
安全と継続につながります。
⑦ できない日があっても問題ない
活動量アップに取り組んでいると、
どうしても「できた・できなかった」に目が向きがちです。
しかし、
できない日があっても、それは後退ではありません。
体調や気分によって波があるのは自然なことです。
大切なのは、
「続けられる関わり」を途切れさせないこと。
今日は体操ができなくても、
声かけや関わりの中で安心感を保てていれば、
それも立派な支援です。
まとめ:活動量UPは「安心・段階・連携」がカギ
ベッド上で過ごす時間が長い方の活動量を高めるには、
① 無理に増やさない
② ベッド上から始める
③ 少しずつ段階を踏む
④ 生活動作に組み込む
⑤ チームで連携する
この考え方がとても重要です。
「動かすこと」よりも、
「その人に合った動き」を大切にすることで、
安心して続けられる活動につながります。
利用者さんと一緒に、
ちょうどいい活動量を、
少しずつ探していきましょう。
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