
※この記事は「レクリエーション・日常生活支援」に関する介護現場あるあるQ&Aの一つです。
介護の現場で、
「この方、あまり趣味がないみたい」
「レクリエーションの誘いにも反応が薄い」
と感じることは珍しくありません。
そこでつい、
「何か趣味はありませんか?」
「これ、やってみませんか?」
と聞いてみても、
「特にない」「興味ない」と返ってきて、
どう関わればいいのか悩んでしまうこともあります。
しかし実は、
“趣味がない”のではなく、“言葉にしにくい”だけ
というケースも多いのです。
この記事では、趣味が少ないように見える利用者さんに対して、
無理なく興味のヒントを見つけ、
その人らしい時間につなげていくためのアプローチ方法を、
現場目線で詳しく解説します。
① 「趣味は?」と聞かれて答えられない人は多い
まず知っておきたいのは、
「趣味は何ですか?」という質問自体が難しい
と感じる方は、想像以上に多いということです。
特に高齢の方の場合、
- 趣味という言葉に馴染みがない
- 「立派な趣味じゃないと答えられない」と感じる
- 今は体力的にできないため、思い浮かばない
といった背景があります。
そのため、いきなり「趣味」を聞くよりも、
生活やこれまでの人生をたどる関わりのほうが、
ヒントを見つけやすくなります。
② 昔の仕事や役割を振り返ってみる
趣味のヒントを探すときに有効なのが、
その方がこれまで担ってきた役割に目を向けることです。
例えば、
- 長年続けてきた仕事
- 家族の中での役割(家事・育児・家計管理など)
- 地域活動や近所付き合い
こうした経験の中には、
本人も意識していない「得意」「好き」が隠れていることがあります。
料理を長くしていた方なら、
食材や味付けの話から会話が広がるかもしれません。
ものづくりの仕事をしていた方なら、
手を動かす作業が心地よい可能性もあります。
③ 家族や生活の思い出を一緒にたどる
趣味を探そうとするとき、
「今、何ができるか」だけに目を向けると、
選択肢が狭くなりがちです。
そこで、
家族との思い出や、若い頃の生活
を一緒に振り返ってみることが大切になります。
例えば、
- 子どもや孫との思い出
- よく行っていた場所
- 当時流行っていた遊びや音楽
こうした話題は、
本人の中に自然と感情や記憶を呼び起こします。
そこから、
「この話、楽しそうだな」
「この時間は好きなんだな」
というヒントが見えてくることも少なくありません。
④ 新しい趣味を無理に作らなくていい
レクリエーションや活動を考えるとき、
「何か新しい趣味を見つけてもらわなきゃ」
と考えてしまうことがあります。
しかし、無理に新しいことを勧めると、
- 「できない自分」を意識させてしまう
- 不安や抵抗感が強くなる
- かえって消極的になる
といった逆効果になる場合もあります。
それよりも、
「懐かしいこと」「少し心地よいこと」を広げていく
という視点が大切です。
昔好きだった音楽を聴く、
写真を見る、
短時間だけ手を動かす。
それだけでも、
その方にとって意味のある時間になります。
⑤ 「やる」より「関わる」ことを目的にする
趣味や活動というと、
「何かを完成させる」「参加してもらう」
ことが目的になりがちです。
しかし介護の現場では、
その時間をどう過ごすか
のほうが、ずっと重要です。
例えば、
- 見ているだけでもOK
- 途中でやめても問題ない
- 会話が生まれれば十分
というスタンスで関わることで、
利用者さんもプレッシャーを感じにくくなります。
「できた・できない」ではなく、
「その時間、どう感じていたか」を大切にしましょう。
⑥ 小さな反応を見逃さない
趣味が少ない方の場合、
反応がとても控えめなことがあります。
そのため、
- 表情が少し緩んだ
- 話が長くなった
- 自分から質問が出た
といった小さな変化を拾うことが大切です。
「これは好きかもしれない」
というサインは、
派手には表れません。
日々の関わりの中で、
少しずつ集めていくイメージを持ちましょう。
⑦ スタッフ間で気づきを共有する
一人のスタッフだけで、
趣味や興味を見つけようとすると、
どうしても限界があります。
「〇〇の話をすると表情が良かった」
「この作業のときは集中していた」
といった気づきを、
スタッフ間で共有することで、
関わりの幅が一気に広がります。
記録や申し送りで、
ほんの一言添えるだけでも十分です。
まとめ:趣味は「見つける」より「思い出す」もの
趣味が少ないように見える利用者さんに対しては、
① いきなり趣味を聞かない
② 昔の仕事や役割を振り返る
③ 家族や生活の思い出をたどる
④ 新しいことを無理に押しつけない
⑤ 小さな反応を大切にする
この視点を意識してみてください。
趣味は、
新しく作るものではなく、
その人の人生の中に、すでにあるものです。
焦らず、押しつけず、
一緒に思い出しながら広げていくことで、
その方らしい時間が少しずつ増えていきます。
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