
※この記事は「レクリエーション・日常生活支援」に関する介護現場あるあるQ&Aの一つです。
訪問介護や施設で支援をしていると、
「一日中テレビを見て過ごしている」
「声をかけても、あまり動こうとしない」
と感じる利用者さんに出会うことがあります。
テレビは、利用者さんにとって
安心できる居場所であり、
孤独感や不安を和らげる大切な存在でもあります。
一方で、長時間テレビ中心の生活が続くと、
- 活動量の低下
- 筋力や体力の衰え
- 昼夜逆転や食欲低下
などにつながりやすく、
介護職としては気になるポイントでもあります。
この記事では、テレビ中心の生活を無理に否定せず、
安心感を守りながら、自然に活動量を増やしていく関わり方を、
現場目線で詳しく解説します。
① テレビを見る時間は「悪いこと」ではない
まず大切なのは、
テレビばかり見ている状況を、
すぐに「良くない習慣」と決めつけないことです。
テレビには、
- 時間の流れが分かる
- 音や映像で安心できる
- 一人でも孤独を感じにくい
といった役割があります。
特に高齢者や認知症のある方にとって、
テレビは不安を減らす大切な支えになっていることも多いです。
そのため、
「テレビをやめさせる」「減らさせる」
という発想よりも、
テレビの時間に“少し動きを足す”
という考え方が現実的で、受け入れられやすくなります。
② 無理に運動を勧めると逆効果になりやすい
活動量を増やそうとして、
「体操しましょう」
「少し歩きましょう」
とストレートに声をかけても、
拒否されてしまうことは少なくありません。
その背景には、
- 疲れるのが嫌
- 失敗したくない
- 今の安心を崩したくない
といった気持ちがあります。
無理に運動を勧めるほど、
「動く=嫌なこと」
という印象が強くなり、
かえって活動量が減ってしまうこともあります。
③ テレビの「前後」を活用するのがコツ
活動量を増やすために有効なのが、
テレビを見る前後の時間を活用する方法です。
例えば、
- 好きな番組が始まる前に水分補給
- 番組の合間に軽く体を伸ばす
- 終わった後にトイレや立ち上がりを促す
といったように、
テレビと動きをセットにします。
「テレビを消して運動」ではなく、
「テレビを見る流れの中で、少しだけ動く」
ことがポイントです。
④ 「体操」ではなく「ついで動作」に変える
「体操」という言葉に抵抗を示す方も多いですが、
動作そのものを変えなくても、
活動量は増やせます。
例えば、
- CMの間に足踏みを数回
- 座ったまま肩を回す
- リモコンを少し離れた場所に置く
これらはすべて、
立派な活動です。
「運動をする」という意識ではなく、
「ついでに体を動かす」くらいの感覚が、
継続につながりやすくなります。
⑤ 好きな番組や内容を“きっかけ”にする
テレビの内容そのものを、
活動につなげることもできます。
例えば、
- 旅番組を見ながら「行ったことありますか?」と会話
- 料理番組の後に「少し立ってみます?」と声かけ
- 音楽番組に合わせて手拍子
こうした関わりは、
会話量や表情の変化も引き出しやすく、
心身の刺激になります。
テレビを「活動の敵」にせず、
活動の入口として使う視点が大切です。
⑥ 「選べる楽しみ」を用意する
活動を促すときに意識したいのが、
選択肢を渡すことです。
例えば、
- 「この番組の後に、体を伸ばすかお茶にします?」
- 「座ったまま動くのと、立って動くの、どちらがいいですか?」
選べる形にすると、
「やらされている感」が減り、
本人の主体性が保たれます。
小さな選択の積み重ねが、
活動量アップにつながります。
⑦ できたことを言葉にして積み重ねる
活動量を増やす支援で重要なのは、
結果よりも過程を評価することです。
例えば、
- 少し立ち上がれた
- 水分を取りに行けた
- 体を動かす話題に反応してくれた
こうした小さな変化を、
「今の動き、良かったですね」
「さっきより楽そうですね」
と声に出して伝えましょう。
「できた」という実感が、
次の行動への意欲につながります。
⑧ 活動量が極端に少ない場合は共有を
テレビ中心の生活が長く続き、
- 立ち上がりがほとんどない
- 外出や移動を強く嫌がる
- 体力低下が目立つ
といった場合は、
介護職だけで抱え込まず、
- 事業所内での共有
- ケアマネジャーへの相談
- リハビリ職との連携
も検討しましょう。
環境調整やサービス内容の見直しで、
無理のない改善につながることもあります。
まとめ:テレビを否定せず「動きを足す」視点を
テレビばかりで活動量が少ないと感じたときは、
① テレビは安心の時間と理解する
② 無理に運動を強制しない
③ 番組の前後に動きをセットする
④ ついで動作を増やす
⑤ 好きな内容をきっかけにする
⑥ 選べる楽しみを用意する
⑦ 小さな変化を言葉にする
この視点が役立ちます。
活動量アップは、
一気に変える必要はありません。
安心できる時間を守りながら、
ほんの少しの動きを積み重ねていくことが、
長く続く支援につながります。
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