
※この記事は「訪問介護・外勤系」に関する介護現場あるあるQ&Aの一つです。
ターミナル期(終末期)の訪問介護は、
介護職として最も重く、そして最も深い時間と向き合う場面のひとつです。
「何を話せばいいのか分からない」
「帰り道、気持ちが沈んでしまう」
「この関わりで本当によかったのだろうか」
そんな思いを抱えながら、次の訪問に向かっている方も多いのではないでしょうか。
ターミナル期のケアは、大きなやりがいがある一方で、
感情的な負担を避けて通れない支援でもあります。
この記事では、ターミナル期の訪問で心が重くなる理由を整理しながら、
介護職としてどう向き合えばよいのか、
そして一人で抱え込まないための考え方を、現場目線で丁寧に解説します。
① 心が重くなるのは「自然な反応」
ターミナル期の利用者さんと関わる中で、
心が重くなるのは、決して弱さではありません。
それは、
相手の人生や苦しさ、家族の思いに真剣に向き合っている証
でもあります。
もし何も感じなくなってしまったとしたら、
それは感情が麻痺している状態かもしれません。
つらさを感じること自体を、
「向いていない」「自分はダメだ」と否定する必要はありません。
② 「何かしてあげなければ」と思いすぎなくていい
ターミナル期の訪問では、
「役に立たなければ」「正しい言葉をかけなければ」
と自分を追い込んでしまうことがあります。
しかし、終末期においては、
できることが限られている場面も多く、
「解決」や「改善」を目指すケアではありません。
そのため、
- 無理に励まそうとしなくていい
- 前向きな言葉を探さなくていい
- 沈黙があっても問題ない
という視点を持つことが大切です。
③ 「そばにいること」自体が大きなケアになる
ターミナル期のケアで最も大切なのは、
何かをすることよりも、
「その人の時間にそばにいること」です。
利用者さんにとって、
- 一人ではないと感じられること
- 静かに見守ってくれる人がいること
- 普段と変わらず接してくれる存在がいること
は、大きな安心につながります。
言葉が出なくても、
手を添える、声をかける、
いつも通りのケアを行う――。
それだけで、
十分に意味のある関わりです。
④ 利用者さんや家族の感情を「受け止めすぎない」
ターミナル期の訪問では、
- 不安
- 怒り
- 悲しみ
といった感情が、
利用者さんや家族から向けられることもあります。
その感情に触れるたび、
「自分が何とかしなければ」と抱え込んでしまうと、
心の負担はどんどん大きくなります。
大切なのは、
感情に寄り添うことと、背負い込むことは違う
と理解することです。
共感はしても、
すべてを自分の感情として引き受ける必要はありません。
⑤ 訪問後の「振り返り」が心を守る
ターミナル期の訪問後は、
気持ちをそのままにせず、
言葉にして外に出すことがとても重要です。
例えば、
- 事業所での申し送りの中で気持ちを共有する
- 信頼できる上長や同僚に話す
- 「今日はしんどかった」と正直に伝える
感情を言語化することで、
心の中で渦巻いていた思いが整理され、
次の訪問に向かう力を取り戻しやすくなります。
一人で抱え込むほど、
つらさは大きくなってしまいます。
⑥ チームで関わる意識を持つ
ターミナル期のケアは、
一人の介護職が背負うものではありません。
訪問介護であっても、
- ケアマネジャー
- 看護師
- 医師
- 他のヘルパー
と連携しながら支えるチームケアです。
「自分が弱いからつらい」のではなく、
それだけ重いケアをチームで担っているという認識を持ちましょう。
⑦ 自分の心を守ることも、専門職の大切な役割
ターミナル期の訪問を続けるためには、
自分の心の状態に目を向けることが欠かせません。
もし、
- 訪問が近づくと強い不安を感じる
- 眠れない日が続く
- 気持ちの切り替えができない
といった状態が続く場合は、
無理をせず、業務調整や相談を行うことも必要です。
自分を守る行動は、
決して逃げではありません。
まとめ:ターミナル期のケアは「そばにいること」と「支え合い」
ターミナル期の訪問で心が重くなるのは、
利用者さんの人生に真剣に向き合っている証です。
① 心が重くなるのは自然な反応
② 正しい言葉を探しすぎなくていい
③ そばにいること自体がケア
④ 感情を背負い込みすぎない
⑤ 訪問後は振り返りを行う
⑥ チームで関わる意識を持つ
⑦ 自分の心を守ることも専門職の役割
あなたがその場にいたこと、
寄り添ったことには、
確かな意味があります。
一人で抱えず、
支え合いながら、
無理のない形でターミナル期のケアに向き合っていきましょう。
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