実務者研修を検討していると、「どんな内容を勉強するの?」「450時間ずっと通学するの?」「スクーリングでは何をする?」と気になる方も多いでしょう。
実務者研修は、無資格から受講する場合、20科目・合計450時間のカリキュラムで構成されています。ただし、450時間すべてを教室で受けるわけではありません。通信学習を取り入れている養成施設も多く、通学が必要となる代表的な科目は「介護過程Ⅲ」や「医療的ケアの演習」です。
この記事では、実務者研修の科目一覧、スクーリングで学ぶ内容、保有資格による免除、課題の進め方までまとめて解説します。
実務者研修の内容は20科目・450時間が基本
厚生労働省が示す実務者研修のカリキュラムは、無資格者の場合で20科目・合計450時間です。介護の基本だけでなく、認知症、障害、介護過程、医療的ケアなど、介護職としてより専門的な判断をするための知識と技術を学びます。
また、実務者研修の修業年限は原則6か月以上です。初任者研修など一定の研修を修了している場合は、科目の読み替え・免除によって必要な受講時間が短くなることがあります。
実務者研修の20科目・450時間のカリキュラム一覧
無資格から受講する場合の科目と時間数は次のとおりです。
| 科目 | 時間数 |
|---|---|
| 人間の尊厳と自立 | 5時間 |
| 社会の理解Ⅰ | 5時間 |
| 社会の理解Ⅱ | 30時間 |
| 介護の基本Ⅰ | 10時間 |
| 介護の基本Ⅱ | 20時間 |
| コミュニケーション技術 | 20時間 |
| 生活支援技術Ⅰ | 20時間 |
| 生活支援技術Ⅱ | 30時間 |
| 介護過程Ⅰ | 20時間 |
| 介護過程Ⅱ | 25時間 |
| 介護過程Ⅲ | 45時間 |
| こころとからだのしくみⅠ | 20時間 |
| こころとからだのしくみⅡ | 60時間 |
| 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 |
| 発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 |
| 認知症の理解Ⅰ | 10時間 |
| 認知症の理解Ⅱ | 20時間 |
| 障害の理解Ⅰ | 10時間 |
| 障害の理解Ⅱ | 20時間 |
| 医療的ケア | 50時間+演習 |
| 合計 | 450時間+医療的ケア演習 |
特に実務者研修らしい内容となるのが、介護過程Ⅲと医療的ケアです。単に介助手順を覚えるのではなく、利用者の状態を整理し、根拠をもって支援を考える力を身につけていきます。
初任者研修などの資格があると科目が免除される
すでに介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー研修、介護職員基礎研修などを修了している場合は、一部科目が読み替えられます。
たとえば、厚生労働省資料では、初任者研修修了者の必要受講時間は320時間とされています。無資格者の450時間より短くなるため、すでに持っている資格は申込時に必ず伝えましょう。
ただし、実際の受講日程や提出課題、受講料は養成施設によって異なります。「資格があるから何日で終わる」と一律に考えず、学校ごとのカリキュラムを確認することが大切です。
介護過程Ⅲでは何を学ぶ?
介護過程Ⅲは45時間で、実務者研修の中心となる科目の一つです。面接授業、いわゆるスクーリングで実施されます。
主に学ぶのは、利用者の情報を集めて課題を整理し、介護計画を立て、実施後に評価・修正していく一連の考え方です。
- 利用者の情報を整理する
- 生活上の課題を考える
- 目標と支援内容を組み立てる
- 介護計画の根拠を説明する
- 実施結果を評価して見直す
正解を暗記するというより、事例をもとに「なぜこの支援が必要なのか」を考える力が求められます。
医療的ケアは50時間の講義に加えて演習がある
医療的ケアでは、喀痰吸引や経管栄養について、安全に実施するための基礎知識を学びます。カリキュラム上は講義50時間ですが、それとは別に演習の修了が必要です。
演習では、シミュレーターなどを使い、手順だけでなく安全確認や感染予防、異常時の対応なども確認します。
医療的ケアの評価が不安な方は、実務者研修の医療的ケアで落ちた場合の再評価と苦手対策も参考にしてください。
スクーリングでは何をする?通学日数は学校ごとに違う
実務者研修は通信中心で受講できる学校も多い一方、すべてを自宅だけで修了できるわけではありません。介護過程Ⅲや医療的ケア演習など、対面で受ける授業があります。
実際の通学日数は、1日の授業時間や時間割、医療的ケア演習の組み方によって異なります。そのため、スクールを比較するときは料金だけでなく、次の点も確認しましょう。
- スクーリングの総日数
- 平日・土日コースの有無
- 欠席時の振替制度
- 通学会場までの距離
- 通信課題の提出期限
働きながら受講する場合は、特に振替しやすさと通学日程が続けやすさを左右します。
通信課題・レポートの勉強はどう進める?
実務者研修では、通信課題を計画的に進める必要があります。まとめて終わらせようとすると負担が大きくなりやすいため、提出期限から逆算して進めるのがおすすめです。
- 最初に全科目の提出期限を確認する
- 週単位で学習する科目を決める
- 分からない問題だけ後で調べ直す
- 勤務が忙しい週は学習量を減らす
- スクーリング前に介護過程を復習する
働きながらの学習方法は、実務者研修の勉強方法と課題を進めるコツで詳しく解説しています。
また、「試験や評価に落ちたら修了できないのでは」と心配な方は、実務者研修で落ちるケースと修了できないときの対応も確認しておくと安心です。
実務者研修を修了すれば介護福祉士を受験できる?
実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受ける場合、実務者研修を修了するだけでは要件を満たしません。原則として、3年以上の実務経験と実務者研修の修了の両方が必要です。
実務経験の数え方が分からない場合は、介護福祉士の実務経験3年・540日の数え方で勤務日数の考え方を確認できます。
実務者研修そのもののメリットや費用、取得する意味から整理したい方は、実務者研修とは?取得目的・内容・費用・メリットもあわせてご覧ください。
実務者研修の内容についてよくある質問
実務者研修は450時間すべて通学しますか?
いいえ。通信学習を取り入れている養成施設も多く、450時間すべてが通学になるわけではありません。ただし、介護過程Ⅲや医療的ケア演習など、対面授業が必要な部分があります。
初任者研修を持っていると短くなりますか?
はい。初任者研修修了者は一部科目が免除され、厚生労働省資料では必要受講時間は320時間です。実際の日程は学校によって異なります。
実務者研修は難しいですか?
介護過程や医療的ケアなど、初めて学ぶ内容を難しく感じる人はいます。ただし、課題を期限内に進め、スクーリングで分からない点を確認しながら学ぶことで修了を目指せます。
無資格でも受講できますか?
受講できます。無資格の場合は20科目・450時間を基本として学びます。介護福祉士を実務経験ルートで目指す人は、実務経験を積みながら並行して実務者研修を受講することも可能です。
まとめ|実務者研修は20科目・450時間を基本に専門性を学ぶ研修
実務者研修は、無資格から受講する場合、20科目・450時間のカリキュラムを基本として、介護の基礎から介護過程、認知症、障害、医療的ケアまで幅広く学びます。
- 無資格者は20科目・450時間が基本
- 初任者研修などの修了者は一部科目が免除される
- 介護過程Ⅲは45時間のスクーリング
- 医療的ケアは50時間の講義に加えて演習が必要
- 通学日数や通信課題の進め方は学校によって異なる
「内容についていけるか」だけでなく、勤務と両立できる日程か、振替制度があるかまで確認して、自分に合う受講方法を選びましょう。
参考:厚生労働省「実務者研修の科目及び時間数について」
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