インカム導入が現場で急増:介護スタッフの連携が劇的に変わる理由とは

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ここ数年、特養・老健・サ高住・グループホームなど、さまざまな介護現場でインカム(無線イヤホン・トランシーバー型の連絡ツール)を導入する施設が増えています。
「ナースコール対応にすぐ飛んでいける」「応援要請が早く出せる」一方で、「うるさい」「誰が何を話しているか分からない」とストレスになってしまうケースも。
この記事では、介護スタッフ目線で、インカム導入のメリットと“運用のコツ”を整理します。

なぜ今、介護現場でインカムが求められているのか

  • 人手不足で移動時間を減らしたい。
  • 事故・急変時に応援をすぐ呼びたい。
  • 走り回らない働き方に変えたい。

スタッフ数が限られる中、「呼びに行くためにさらに人が必要」という状況は珍しくありません。
インカムがあれば、利用者さんの居室やフロアにいながら、その場から応援要請や情報共有ができます。
また、転倒や急変などの場面で、「誰か来て!」ではなく、役割を指定した呼びかけができるようになり、対応のスピードと質が上がります。

“探す時間”をどれだけ減らせるかがカギ

  • 職員を探す時間。
  • 物品場所を確認する時間。
  • 状況説明を繰り返す時間。

現場では、これらの“探す時間”が積み重なることで、体力的にも精神的にもじわじわと負担になっています。
インカムを使うことで、「今どこに誰がいるか」「必要なものが足りているか」「どの利用者さんに誰が入っているか」を、その場から確認できるようになるのが大きなポイントです。

「誰か、2階の食堂にいる人、車椅子もう1台持ってきてもらえますか?」
とインカムで呼びかけるだけで、わざわざ2階まで探しに行く必要がなくなります。

インカム導入で現場はどう変わるか

  • 移動距離・歩数が減る。
  • 応援要請が数秒で届く。
  • 新人フォローがしやすくなる。

実際に導入した施設では、「一日の歩数が少し減ったのに、仕事量は変わらない」という声も出ています。
現場からは、「コール対応中に手が離せない時でも、“あとでここを見てほしい”と依頼できる」など、細かな動きやすさが増したという実感も多く聞かれます。
新人に対しても、インカムを通して「今からそちらに行くね」「その利用者さんは○○に注意してね」と、そっとバックアップできるのが利点です。

「○○さんの移乗、今から入ります。不安があれば声かけしてくださいね。」
と新人がインカムで事前に言えるようにしておくと、
周囲もサポートに入りやすくなります。

一方で増えている“インカム疲れ”の声

  • 一部の人だけが話し続ける。
  • 雑談や関係ない情報まで流れる。
  • 常に音がして集中しづらい。

インカムは便利な反面、「何でもかんでも喋ってしまう」と、すぐにストレスの原因になります。
特に夜勤や静かな時間帯では、小さな雑音や短いやり取りでも負担として感じやすくなります。
また、「インカムで話している人が限られてしまい、結局一部のメンバーだけで回している」というケースも見られます。

「いま忙しい?」といった雑談に近い呼びかけが増えると、
本当に必要な連絡が埋もれてしまうことがあります。

今日からできる“インカム運用のコツ”

  • 話す内容の優先順位を決める。
  • 利用者名の扱いルールを決める。
  • 発話の長さとタイミングを揃える。

まずは、「インカムで話すこと・話さないこと」をチームで決めることが大切です。
緊急・応援要請・情報共有・確認といったカテゴリーごとに、「これはインカム」「これは直接口頭で」と線引きしておくと、使う側も迷いにくくなります。
利用者さんの名前についても、フルネームで呼ぶか、イニシャルや部屋番号を使うかなど、施設方針として統一しておくと安心です。

「○○様のトイレ誘導、どなたか対応できますか?」
「201号室の○○様のナースコール、近くの方お願いします。」
といった形で、呼びかける相手・緊急度・場所が一度で分かるように伝えるのがポイントです。

発話ルールを決めると“聞きやすさ”が変わる

  • 最初に誰に向けた話かを言う。
  • 要件は短く、一文で伝える。
  • 返事は「了解」「あとで対応」など簡潔に。

インカムは、「話す内容」だけでなく「話し方」も重要です。
「○階フロア担当の方へ」「夜勤リーダーへ」など、最初に“誰宛てか”を言うだけでも、聞く側の負担が軽くなります。
また、要件は一度で伝えきるように意識し、「えーっと」「あとで」など曖昧な言葉はできるだけ減らすと、全体が聞きやすくなります。

「夜勤リーダーへ。3階の○○様、37.8℃です。あとで状態確認お願いします。」
のように、誰に・誰の・何をしてほしいのかを一息で伝えるとスムーズです。

まとめ:インカムは“現場をラクにする道具”、カギは運用ルールづくり

  • インカム自体はあくまで道具。
  • 使い方次第で「便利」にも「疲れる」にもなる。
  • ルールと慣れをセットで整えることが重要。

インカム導入は、介護現場の負担軽減と安全性向上につながる大きなチャンスです。
一方で、ルールなしで使い始めるとストレスの種にもなりかねません。
ポイントは、「何を」「誰が」「どんな言い方で」インカムに乗せるのかを、チームで話し合って決めておくこと。
まずは、小さな約束事からでも構いません。
明日の勤務から、「呼びかけ方を一言変えてみる」「要件を短くまとめてみる」といったところから、インカムとの付き合い方を調整してみてください。

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