介護の仕事はやりがいがある一方で、「収入が低い」と感じている人も少なくありません。
しかし、近年は処遇改善加算や人材確保の強化により、給与水準は年々上昇傾向にあります。
この記事では、2025年最新のデータをもとに、介護職の平均給料・地域別・職種別の相場を徹底比較します。
介護職の平均給与(全国平均)
厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査(2024年度)」によると、
介護職員全体の平均給与(常勤・正社員)は月給29.1万円、年収約390万円となっています。
数年前と比べて約2万円ほど上昇しており、改善が進んでいます。
雇用形態別の平均月収(全国)
| 雇用形態 | 平均月収 | 平均年収(推定) |
|---|---|---|
| 正社員(常勤) | 約29.1万円 | 約390万円 |
| 契約社員 | 約25.3万円 | 約340万円 |
| パート・アルバイト | 時給1,200〜1,400円前後 | (週4日勤務で年収約200万円前後) |
2025年以降も、介護報酬改定や賃上げ政策の影響で上昇傾向が続く見通しです。
職種別の給料相場
介護業界では、保有資格や職種によって給与差があります。
特に介護福祉士・サービス提供責任者・ケアマネージャーは高収入の傾向です。
| 職種 | 平均月収 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 介護職員(無資格) | 約22〜23万円 | 生活援助・補助業務中心。経験により昇給あり。 |
| 初任者研修修了者 | 約24〜25万円 | 身体介助が可能。資格手当あり。 |
| 実務者研修修了者 | 約26〜28万円 | 医療的ケア対応。サービス提供責任者候補に。 |
| 介護福祉士 | 約29〜32万円 | 国家資格保有者。リーダー・教育担当などを担う。 |
| サービス提供責任者 | 約30〜34万円 | 訪問介護の中心役。責任手当がつく。 |
| ケアマネージャー(介護支援専門員) | 約32〜36万円 | ケアプラン作成・調整業務。日勤中心で安定。 |
| 施設長・管理職 | 約38〜45万円 | マネジメント職。法人規模によって差が大きい。 |
介護福祉士を取得することで、年収ベースで50〜70万円程度アップするケースも珍しくありません。
地域別の給料相場
介護職の給与は地域によっても差があります。
都市部は物価や家賃の影響で高め、地方はやや低めの傾向です。
| 地域 | 平均月収 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京都・神奈川県 | 約30〜32万円 | 処遇改善手当が手厚く、求人も多い。 |
| 大阪府・兵庫県・京都府 | 約28〜30万円 | 都市部と郊外で差があり。夜勤ありで収入増可。 |
| 愛知県・静岡県 | 約27〜29万円 | 製造業地帯で人材競争が激しく給与水準高め。 |
| 福岡県・広島県 | 約25〜27万円 | 物価に対して安定。中規模施設の募集が多い。 |
| 北海道・東北地方 | 約23〜25万円 | 地方は低めだが、家賃補助・住宅支援あり。 |
| 新潟県・長野県・富山県 | 約24〜26万円 | 地域密着型施設が多く、家庭的な雰囲気。 |
地方では給与が低い傾向にありますが、生活コスト(家賃・交通費など)を考慮すると、
実際の可処分所得は大都市圏と大きな差がない場合もあります。
手当・待遇で差がつく!注目すべき項目
同じ給与額でも、手当の内容によって実際の収入や働きやすさが変わります。
求人票では、以下の項目を必ず確認しましょう。
- 処遇改善手当: 介護職全員に支給される手当。月1〜3万円が目安。
- 特定処遇改善手当: ベテラン職員向け。月2〜5万円支給されることも。
- 夜勤手当: 1回あたり5,000〜8,000円前後。
- 資格手当: 初任者研修:5,000円前後/介護福祉士:10,000円前後。
- 住宅・家族手当: 法人によって金額に大きな差あり。
また、賞与支給実績が年2回あるかどうかも、長期的な年収に大きく影響します。
給料アップを目指す3つの方法
- ① 資格を取得する
初任者研修→実務者研修→介護福祉士→ケアマネージャーへとステップアップすることで、
資格手当や役職手当が増え、収入アップに直結します。 - ② 転職で待遇を見直す
同じ介護福祉士でも、法人によって月収3〜5万円の差が出ることがあります。
転職で年収が50万円以上上がるケースも珍しくありません。 - ③ 管理職・リーダー職を目指す
施設運営やスタッフ育成に関わることで、役職手当や管理職手当が支給され、
年収400〜500万円台も目指せます。
まとめ:介護職の給料は「資格+職場選び」で決まる
介護職の給与は、確かに一般職より低めと言われがちですが、
近年は処遇改善やキャリアアップ制度の充実により、待遇は確実に向上しています。
大切なのは、資格を活かせる環境で働くことと、待遇の良い法人を選ぶこと。
スキルを磨きながら、自分に合った職場で安定した収入を得ることが、
これからの介護職キャリアのスタンダードです。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。