介護職の面接では、他の業界とは少し異なる質問が多く、人柄や現場理解を重視される傾向があります。
「何を聞かれるの?」「どう答えたらいい?」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、介護職の面接でよく聞かれる質問10選と、“好印象”を与える回答例を紹介します。
介護職の面接で重視されるポイント
介護職の採用担当者が重視しているのは、次の3点です。
- ① 人柄・協調性: チームで働く姿勢があるか
- ② 利用者への思いやり: 利用者に寄り添う姿勢があるか
- ③ 定着性: 長く働いてくれそうか
つまり「経験よりも人柄」が評価されやすいのが介護職の面接の特徴です。
そのため、回答では「誠実さ」「前向きさ」「柔軟さ」を意識して伝えることが大切です。
質問①:なぜ介護の仕事を志望したのですか?
意図: 介護への興味・動機を知りたい。
回答のコツ: 具体的なエピソードを交えて、「人を支えたい理由」を伝える。
好印象な回答例:
「祖母の介護を手伝った経験をきっかけに、人の生活を支える仕事に興味を持ちました。
感謝の言葉をいただく中で、人の役に立てる喜びを感じ、介護職を志望しました。」
質問②:前職(または現職)を辞めた理由を教えてください
意図: 転職理由を通じて、仕事への姿勢や人間関係を見ている。
回答のコツ: ネガティブな理由を避け、前向きな転職目的を伝える。
好印象な回答例:
「より利用者様に寄り添ったケアを実践できる環境で成長したいと感じ、転職を決意しました。」
質問③:これまでの経験で学んだことは?
意図: 経験からどんな成長を得たかを知りたい。
回答のコツ: 学びを次の仕事にどう活かせるかを伝える。
好印象な回答例:
「利用者様一人ひとりに合わせた声かけの大切さを学びました。
相手の表情をよく観察し、安心して過ごしていただけるよう努めています。」
質問④:仕事で大変だったこと、どう乗り越えましたか?
意図: ストレス耐性・問題解決力を確認している。
回答のコツ: 苦労をどう受け止め、改善に向けて行動したかを伝える。
好印象な回答例:
「夜勤続きで体力的に厳しい時期がありましたが、先輩に相談して勤務スケジュールを見直しました。
無理せず働けるようになり、仕事の質も向上しました。」
質問⑤:介護の仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
意図: 仕事へのモチベーションを確認。
回答のコツ: 利用者との関わりを具体的に話す。
好印象な回答例:
「利用者様から“ありがとう”と声をかけていただいたときや、笑顔を見られた瞬間にやりがいを感じます。」
質問⑥:どんな職場環境を希望しますか?
意図: 自社とのマッチ度を確認。
回答のコツ: 理想だけでなく、協調的な姿勢を見せる。
好印象な回答例:
「チームで協力しながら利用者様を支える職場を希望しています。
お互いに声を掛け合いながら働ける環境で成長したいです。」
質問⑦:苦手なタイプの人はいますか?
意図: 協調性や対人スキルを見ている。
回答のコツ: 否定的な言い方は避け、柔軟な姿勢を示す。
好印象な回答例:
「最初は意見が合わない方でも、話し合いを重ねて理解を深めることを大切にしています。」
質問⑧:夜勤やシフト勤務は可能ですか?
意図: 勤務条件の確認。
回答のコツ: 正直に伝えつつ、協力的な姿勢を見せる。
好印象な回答例:
「家庭の事情で夜勤は月に2回までであれば可能です。
チーム全体で助け合えるよう柔軟に対応したいと思っています。」
質問⑨:将来どんな介護士になりたいですか?
意図: 成長意欲・キャリアビジョンを知りたい。
回答のコツ: 明確な目標を持っている姿勢を見せる。
好印象な回答例:
「利用者様に“あなたがいてよかった”と思っていただける介護士を目指しています。
資格取得や研修にも積極的に取り組み、専門性を高めたいです。」
質問⑩:最後に何か質問はありますか?(逆質問)
意図: 仕事への理解度・意欲を確認。
回答のコツ: 給与や休暇ではなく、現場理解につながる質問を。
好印象な質問例:
- 「新人研修や教育体制について教えてください」
- 「職員間の連携で大切にされていることは何ですか?」
- 「長く働いている職員の方は、どんな点に魅力を感じていらっしゃいますか?」
このように質問することで、「学ぶ姿勢がある」「職場理解に前向き」という印象を与えられます。
面接で“印象アップ”する3つのポイント
- 笑顔とアイコンタクト: 相手の目を見て話すことで信頼感を与える。
- 落ち着いた話し方: ゆっくり・はっきり話すことで誠実さが伝わる。
- 姿勢とあいさつ: 面接室に入る瞬間から印象は始まっている。
介護職の面接では、「一緒に働きたい」と思わせる温かい人柄が何よりの武器です。
難しい言葉よりも、素直で誠実な受け答えを意識しましょう。
まとめ:介護職の面接は“経験より人柄”で勝負
介護職の面接で評価されるのは、特別なスキルよりも人柄・協調性・思いやりです。
どんな質問でも、「利用者様を大切にしたい」「チームで支え合いたい」という姿勢を伝えることが、好印象への近道です。
この記事の例文を参考に、自分の言葉に置き換えて練習してみてください。
準備を重ねることで、自信を持って面接に臨めるはずです。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。