普段は元気に過ごしている利用者さんが、急に静かになったり、表情が曇ったりすると「何かあったのかな…?」と不安になりますよね。
高齢者の場合、体調不良や精神的な不安が言葉として表れにくいことも多く、スタッフの気づきが早期対応に直結します。
この記事では、利用者さんが「元気がなくなるとき」に見られやすい変化と、その見極め方、そして違和感に気づいたときの対応ポイントをわかりやすくまとめています。
① 表情・食事量・会話量の“いつもとの違い”を見る
利用者さんの元気の有無は、派手な変化で気づくというより、小さな違和感の積み重ねとして表れやすいのが特徴です。
まずチェックするべき基本の3ポイントはこちらです。
● 表情の変化
- 笑顔が減った
- ぼんやりしている時間が増えた
- 眉間にしわが寄っている
- 顔色がいつもより悪い
● 食事量の変化
- 食べるスピードが遅い
- 残す量が多くなった
- 「いらない」と拒否する場面が増える
● 会話量・反応の変化
- 話しかけても返事が短い
- 独り言が減る
- 普段の話題に興味を示さない
最も大事なのは、他の人と比較するのではなく「その人の普段」と比べることです。
誰にでも“その人らしい調子”があり、そこから外れた変化が最初のサインになります。
② 元気がない背景には、身体の小さな不調が隠れていることが多い
高齢者は不調があってもはっきり言えなかったり、自覚がなかったりすることがあります。
表面だけを見るのではなく、「元気のなさ=体調サイン」と考えて観察してみましょう。
よくある隠れた原因としては──
- 便秘(腹痛・不快感で機嫌が悪くなる)
- 発熱(微熱でも大きく影響)
- 痛み(腰・関節・頭など)
- 脱水(ぼんやりする、食欲低下)
- 睡眠不足(不機嫌・集中低下)
- 尿路感染症(頻尿・倦怠感・食欲低下)
元気がなくなった背景に身体的な原因があるケースは非常に多いため、「様子が変だな」=何かのサインとして読み取る意識が大切です。
③ 精神面の影響も大きい:不安・環境変化・寂しさ
身体だけでなく、精神面の影響で元気を失うケースもあります。
- 家族と会えず寂しい
- イベント後で気が張っていた反動が出る
- 部屋替え・職員交代などの環境変化
- 新しい利用者との関係疲れ
- 認知症による不安の高まり
精神的な理由は目に見えにくいため、表情の変化や言葉の端々に注目しながら、いつもより丁寧に関わる・安心できる声をかけるなどのサポートが必要になります。
④ “普段と違う動き”にも注目する
元気がないときは、行動面にも小さな変化が表れます。
- 立ち上がりに時間がかかる
- ふらつきが増える
- 歩くスピードが遅い
- 居室で横になる時間が長い
- いつも参加しているレクに参加しない
- お風呂を拒否する
こうした行動の変化は、身体のだるさ・痛み・精神的な負担など、さまざまな原因によるものです。
「何がいつもと違うのか」を具体的に観察し、記録に残しておくと後の対応がスムーズです。
⑤ 違和感を覚えたら「早めの共有」が一番のリスク回避
元気のなさに気づいたときは、「ちょっと気になるだけだから」と自分の中で処理しないことが重要です。
介護現場では、早期の共有が大きな事故防止につながります。
共有の例:
- 「食事量がいつもより少なかったです」
- 「午前中ずっとぼんやりしていました」
- 「痛がっているような表情がありました」
- 「動きがとてもゆっくりです」
曖昧でも問題ありません。
むしろ“なんとなく変”という感覚こそ重要な気づきであり、早めの共有が重症化防止につながります。
まとめ:小さな変化の積み重ねに気づくことが最初のサイン
利用者さんの元気のなさは、大きな症状よりも日常の小さな違和感に表れます。
① 表情・食事量・会話量の変化を見る
② 身体の小さな不調が隠れていないか観察
③ 精神的な不安にも注目
④ 行動面の変化を見逃さない
⑤ 違和感は早めにチーム共有
この5つを意識しておくことで、利用者さんの異変にいち早く気づき、安心・安全なケアにつなげることができます。
新人のうちほど、“普段との違い”に敏感でいることが強みになります。
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飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。