
ケアマネージャーの平均年収・月給
厚生労働省「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、ケアマネージャーの平均年収は約420万円〜480万円です。月給にするとおよそ28万円〜33万円が全国平均となっています。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
平均月給 | 約30万円 |
ボーナス(年間) | 約60万円〜80万円 |
平均年収 | 約420万円〜480万円 |
この数字は介護職全体の平均年収(約380万円)よりも高く、介護業界の中では比較的安定した給与水準と言えます。
勤務先別のケアマネージャーの給料
ケアマネージャーの給与は、勤務する施設の種類によって大きく異なります。
勤務先 | 平均月給 | 特徴 |
---|---|---|
居宅介護支援事業所 | 約28万〜33万円 | 一般的な勤務先。担当件数によって歩合がつく場合も。 |
特別養護老人ホーム | 約27万〜32万円 | 入所者のケアプラン作成が中心。チームでの調整力が必要。 |
介護老人保健施設(老健) | 約30万〜35万円 | 医療職との連携が多く、給与水準はやや高め。 |
地域包括支援センター | 約33万〜38万円 | 主任ケアマネとして活躍する人が多く、行政との連携も多い。 |
もっとも多い勤務先は居宅介護支援事業所で、全国のケアマネの約6割が勤務しています。地域包括支援センターや老健は業務の専門性が高いため、給与もやや高くなる傾向です。
経験年数別の年収目安
- 1〜3年目:年収350万〜400万円(新人・試用期間中)
- 4〜7年目:年収400万〜450万円(主任・中堅)
- 8〜10年目以降:年収450万〜550万円(ベテラン・管理者)
経験を積むにつれて担当件数が増え、リーダーや管理職に昇格することで年収500万円を超えるケースも珍しくありません。
主任ケアマネージャーの給与
ケアマネージャーとして5年以上の実務経験を積み、所定の研修を修了すると「主任介護支援専門員」(主任ケアマネ)になることができます。
- 主任ケアマネの平均月給:約35万円〜40万円
- 平均年収:約480万〜550万円
主任ケアマネは、他のケアマネへの指導や地域包括支援センターでの相談業務など、より責任の重いポジションを担います。その分、役職手当・資格手当が加算されるため、収入面でも大きな差が出ます。
ケアマネージャーの給料が決まる要素
① 担当件数
居宅介護支援事業所では、1人あたりの担当利用者数(ケアプラン件数)によって収入が変動します。標準件数はおおむね35件前後ですが、件数が多いほど事業所の収入が増えるため、歩合制やインセンティブが付くケースもあります。
② 勤務地域・施設規模
都市部では物価・人件費が高いため、地方よりも平均で2〜3万円ほど給与が高い傾向があります。また、大規模法人・医療法人が運営する事業所は手当が充実している場合が多く、安定性も高いです。
③ 保有資格・役職
主任ケアマネ資格や管理職への昇進により、月給で+3万〜5万円程度の差が生じます。さらに、社会福祉士・看護師などのダブルライセンスを持つ人は、採用時に優遇されやすく、昇給のチャンスも増えます。
ケアマネージャーの給料を上げる方法
- ① 主任ケアマネ資格を取得する:最も確実に年収を上げる方法。資格手当や役職手当が増加。
- ② 管理職を目指す:居宅介護支援事業所の管理者・センター長クラスでは年収600万円超も可能。
- ③ 医療法人・社会福祉法人に転職:福利厚生・賞与が安定しており、長期的に収入を伸ばしやすい。
- ④ 副業・講師活動:ケアマネ試験対策講師や研修講師など、知識を活かした副収入も可能。
また、行政や地域包括支援センターで働くと、公務員に準じた給与体系になるため、安定性を重視する人にもおすすめです。
他の介護職との年収比較
職種 | 平均年収 | 特徴 |
---|---|---|
介護職員 | 約380万円 | 現場での介助が中心。夜勤手当で収入差が出やすい。 |
サービス提供責任者 | 約400万円 | 訪問介護の計画・管理を担当。責任手当あり。 |
ケアマネージャー | 約450万円 | 介護計画の作成・調整を行う。日勤中心で安定。 |
主任ケアマネージャー | 約500万円以上 | 指導・管理職を兼ねる。高収入・社会的信用が高い。 |
このように、ケアマネージャーは現場の介護職よりも平均で約70万円前後高い収入が見込めます。
まとめ:ケアマネージャーは安定と専門性を兼ね備えた職種
ケアマネージャーの平均年収は約450万円前後で、介護業界の中では上位に位置します。経験を積み、主任ケアマネや管理職にステップアップすれば、年収500万円以上も十分に可能です。
また、日勤中心で夜勤がなく、家庭との両立がしやすい点も魅力。経済面だけでなく、ワークライフバランスと専門性を両立できるのがケアマネージャーという仕事です。
将来的に安定したキャリアを築きたい方は、介護福祉士などの現場経験を積みながら、ぜひケアマネージャー資格の取得を目指してみてください。

飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。