介護の現場では、「通い・泊まり・訪問」を組み合わせたサービス形態が急速に広がっています。
特に、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護(通称:看多機)が注目されています。
この記事では、制度の最新動向とともに、現場スタッフに求められる新しい働き方のポイントを解説します。
制度・市場動向から見る複合型サービス拡大の背景
- 高齢者の在宅志向が強まっている。
- 医療と介護の連携が求められている。
- 地域密着型サービスの再編が進んでいる。
高齢者の約7割が「できる限り自宅で過ごしたい」と回答しています。
これを受けて、国は在宅生活を支える複合サービスの整備を推進。
通い・泊まり・訪問・看護を一体的に提供する仕組みが全国で拡大しています。
特に中山間地域では、単一サービスでは運営が難しいため、複数機能をまとめて提供できる事業所が増えています。
介護スタッフに起きる“働き方の変化”
- 業務範囲が拡大する。
- 医療職との連携が日常化する。
- シフトが柔軟化する。
複合型サービスでは、通所支援・宿泊支援・訪問支援を横断して担当するケースが増えます。
また、看護師やリハ職と日常的に連携するため、記録・申し送り・アセスメントなどに新たなスキルが求められます。
加えて、泊まりと訪問の業務が組み合わさるため、シフト設計にも柔軟性が必要となります。
現場スタッフとして押さえておきたい“実践チェックポイント”
- 自施設のサービス構成を把握する。
- 多機能サービス間の連携ルールを確認する。
- 医療連携の基礎知識を強化する。
複合型では、利用者一人に対して「通い」「訪問」「泊まり」が同じスタッフでつながるケースも多くなります。
サービスごとの境界を意識しすぎると、記録や引き継ぎにズレが生まれるため、共通フォーマットでの情報共有が重要です。
また、看護小規模型では医療的ケア(褥瘡・服薬・インスリン等)に触れる機会も増えるため、医療理解力を高めておく必要があります。
複合サービス化が進む現場で求められるスキル
- 観察・記録スキルの標準化。
- 多職種チームとの協働力。
- 柔軟な勤務・役割対応力。
複合型サービスでは、利用者の生活が24時間体制でつながります。
このため、「誰が・どの時間に・どんな支援をしたか」を明確に残す観察・記録スキルが求められます。
また、医療・介護・リハ・ケアマネなど多職種が一堂に関わるため、伝える力・聞く力も評価される時代です。
スタッフが準備しておきたい“キャリアの方向性”
- 複数サービスを横断できる資格を目指す。
- 在宅医療・訪問介護の知識を広げる。
- 地域包括ケアに関わる経験を積む。
今後は、複合型サービスが介護の主流になると予想されています。
そのため、初任者研修→実務者研修→介護福祉士の資格ルートに加え、医療・在宅支援の学びを取り入れることで、現場価値が上がります。
また、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所との連携を経験することで、地域ケアの視点が養われます。
まとめ:複合型が“当たり前”になる時代に備える
介護保険制度は、「住み慣れた地域で暮らし続ける」ことを軸に再設計が進んでいます。
その中で、小規模多機能・看多機といった複合型サービスは、今後さらに拡大する見込みです。
現場スタッフにとって大切なのは、サービスを超えて支援をつなぐ力。
「通い・泊まり・訪問」を一体で支えるスキルが、これからの介護現場で求められる“新しい常識”になっていくでしょう。
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飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。