介護施設ではシフトによって担当フロアが変わることがあり、新人スタッフや配置換え直後のスタッフは、「動線が分からずスムーズに動けない」という悩みを抱えやすくなります。
特にフロアの構造が複雑だったり、部屋数が多かったりすると、どこに何があるのか把握できず、不安や焦りにつながります。
しかし、フロアの特徴を効率よく覚える“コツ”を押さえておけば、短時間で動けるようになり、ラウンドや誘導の質も安定します。
この記事では、初めてのフロアでも迷わず動けるようになるための優先ポイント・覚え方・実践的な工夫を紹介します。
① 最優先で把握すべきは「トイレ・ナースコール・非常口」
初めてのフロアでは、すべてを一度に覚えようとすると混乱しやすくなります。
最初に覚えるべきなのは、利用者の安全とスタッフの動きに直結する3つの場所です。
● トイレの位置
排泄介助・誘導・急な訴えに対応するため、最優先で把握すべき場所です。
● ナースコールの設置位置と対応が必要な部屋
頻繁にコールが鳴る部屋は動線の中心になるため、把握しておくと動きが安定します。
● 非常口・避難経路
緊急時に負担のかかりやすい利用者を迅速に誘導するために必須です。
この3つが分かるだけで、初日の不安は大きく軽減します。
② 一度ベテランと一緒にラウンドして理解を深める
動線を掴む最も効率的な方法は、ベテランスタッフと一緒にフロアを回ることです。
ポイントを説明してもらいながら歩くことで、
・重要な場所
・危険ポイント
・動きやすいルート
・利用者の特徴的な配置
が短時間で理解できます。
ただ歩くだけではなく、次の点に注目しながら回ると効果が倍増します。
- 「どの通路が広いか」「どこが混雑しやすいか」
- 「見守りが必要な人はどの位置にいるか」
- 「ラウンドの開始地点と終了地点はどこか」
- 「頻繁に使う物品はどこにあるか」
ベテランから「この順番だと効率いいよ」「ここは転倒が起きやすいよ」といった現場の知恵を直接学べるため、独学より圧倒的に早く慣れることができます。
③ 自分専用の“簡易マップ”を作っておくと次回以降が楽になる
フロアの動線は慣れるまで不安が大きく、記憶が曖昧になりがちです。
そこで役立つのが、自分専用の簡易マップを作ること。
紙にざっくりとした図を書くだけでOK。
正確さより、「動くイメージが湧くこと」が目的です。
簡易マップに書くべき内容:
- トイレ・ナースコール・非常口
- 転倒リスクの高い場所
- 見守りが多い部屋
- 物品の配置(車いす・ナプキン・掃除用具など)
- 動線上の狭い箇所・注意が必要な場所
一度書いておくだけで、
・次の日の仕事が格段に楽になる
・迷いが減り、焦りも減る
・応援に入ったときでもスムーズに動ける
という大きなメリットがあります。
④ 初めてのフロアは「覚える順番」が大事
初めての環境では、情報量が多いほど混乱します。
そのため、覚える順番を意図的に決めておくことが重要です。
覚えるべき順番(おすすめ):
- トイレ・ナースコール・非常口
- 見守りが必要な利用者の位置
- 物品の場所
- ラウンドのスタート地点と流れ
- 細かい部屋割りや利用者の特徴
この順番で覚えていけば、“覚えるべき”優先度が整理され、無理なくフロアに慣れていくことができます。
⑤ 忙しいときほど「動線の工夫」が命を守る
初めてのフロアでは、緊急対応やナースコール対応の判断が遅れがちです。
だからこそ、動線の理解は利用者の安全に直結する要素になります。
動線を理解することで──
- 緊急時に最短距離で移動できる
- 転倒しやすい場所に気づける
- 点在する物品を迷わず使える
- スタッフ同士で連携が取りやすい
“フロアが掴めている”というだけで、業務の質が大きく変わります。
まとめ:最初の3つを押さえればフロアは必ず慣れる
初めてのフロアで動きづらくなるのは当然のことです。
大切なのは、一度で全てを覚えようとせず、優先度の高い部分だけ確実に押さえていくこと。
① トイレ・ナースコール・非常口を把握
② ベテランとラウンドしてポイントを理解
③ 自分専用の簡易マップを作る
この3つができれば、初めての環境でも短期間で安心して動けるようになります。
焦らず少しずつ、新しいフロアの“地図”を自分の中に作っていきましょう。
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飲食・WEB・デザイン・出版など、様々な業界を経てきた現役のケアワーカー。介護にたどり着いたのは、大好きだった祖母の自宅介護がきっかけ。ケアチルでは、現場での視点も交えつつ、これから介護業界に携わろうとしている方、すでに業界にいて岐路に立っている方に向けて、介護業界の情報を分かりやすくお届けします。