転倒リスクが高い人の特徴は?|危険な時間帯・場面を把握して予防につなげる

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介護現場で最も注意が必要な事故のひとつが「転倒」です。
転倒は骨折・入院・生活機能の低下などにつながりやすく、利用者本人の生活だけでなく、ご家族やスタッフにも大きな影響を与えます。

しかし、転倒は“偶然”で起きるのではなく、ほとんどの場合一定のパターンや前兆があります。
この記事では、転倒リスクが高い人の特徴、危険な時間帯、観察のポイント、チームでできる予防策をわかりやすくまとめています。

① 転倒リスクが高い人に共通する特徴

転倒はひとつの理由だけでなく、複数の要因が積み重なって起きることがほとんどです。特に次のような特徴を持つ方はリスクが高くなります。

  • 筋力低下(下肢筋力の弱り)
  • ふらつき・バランス機能の低下
  • 認知症による判断力の低下
  • 歩行補助具を正しく使えない
  • 不安定な歩き方(すり足・小刻み歩行)
  • 急ぎや焦りがある
  • 服薬(睡眠薬・向精神薬)の影響

特に筋力低下 × 認知症状 × 夜間の不安といった複数要因が重なると、転倒の可能性が大きく高まります。

② 転倒が起きやすい“時間帯”がある

転倒は一日の中でも特にリスクが上がる時間帯があります。
その時間帯を知っておくことで、見守りのポイントが明確になります。

● 排泄で立ち上がるタイミング(特に深夜〜早朝)

夜間は視界が悪く、眠気やふらつきも重なり、転倒のリスクが急上昇します。

● ベッドから起き上がる直後(朝の起床時)

体温が低い・血圧の変動・寝ぼけなどでバランスを崩しやすい時間帯です。

● 食後(食堂から席を立つ時)

椅子の位置や床の状態、周囲の人との動線が重なり危険になりやすい場面です。

● トイレへの移動前後

急いでしまう方が多く、“焦り”が転倒の大きな要因となります。

つまり、“いつ転倒が起きやすいか”を知ることが最初の予防策と言えます。

③ 転倒は“場面”にも特徴がある

時間帯だけでなく、転倒しやすい「場面」もあります。
以下は介護現場で特に多いケースです。

  • 段差・敷居・マットのつまずき
  • ベッド・車椅子の乗り移り時
  • 靴やスリッパの不適合
  • 床の濡れ・滑りやすい環境
  • 荷物やテーブルなどの障害物
  • 暗い場所や影になっているスペース

こうした“転倒しやすい場面”を把握することで、具体的な環境調整のアイデアが見えてきます。

④ 日々の観察を積み重ねて「危険パターン」をつかむ

転倒予防で最も重要なのは、特別な知識より日々の観察の積み重ねです。

観察ポイント:

  • 歩行スピードが変化していないか
  • ふらつき・歩幅の変化があるか
  • 最近転びそうになった様子があるか
  • 服薬の変更後に眠気や注意散漫が増えていないか
  • 同じ時間帯や同じ動作で不安が出ていないか

利用者によって“転倒しそうになる場面”は違うため、個別性の観察が欠かせません。

⑤ チームで「危険な時間帯と場面」を共有することが重要

転倒リスクは、スタッフによって見え方が違います。
だからこそ、情報共有が予防の核心になります。

共有の例:

  • 「〇〇さんは夜間のトイレでふらつきが増えています」
  • 「△△さんは朝の立ち上がりが不安定」
  • 「食堂のこの席だと足元が引っかかりやすい」

こうした情報を共有することで、スタッフ全員が共通の危険ポイントを把握し、
見守り強化・環境調整・声かけの統一につなげることができます。

⑥ 環境調整も“転倒予防の大きな武器”

転倒は、利用者本人の状態だけでなく環境によっても大きく左右されます

改善ポイント:

  • 通路を広くする・障害物を置かない
  • 明るさの確保(特に夜間の廊下)
  • ベッド・椅子の高さを調整する
  • 滑りにくい靴・靴下の選定
  • トイレの手すり・動線の見直し

環境の工夫は転倒予防の即効性が高く、
本人の能力を生かしながら安全に移動できるようになります。

まとめ:転倒は“予測できる事故”。観察と共有が鍵

転倒は「突然起こったように見えて、実は前兆がある」事故です。
筋力低下・ふらつき・認知症状・時間帯・環境など、さまざまな要因が重なって起きます。

・危険な時間帯
・危険な場面
・その人特有のパターン

これらをチームで共有していくことで、転倒は大幅に防ぐことができます。

利用者が安心して過ごせる環境を整え、転倒の“予兆”を見逃さない観察力を育てていきましょう。

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