介護現場あるあるQ&A｜認知症ケア・コミュニケーション編

認知症ケアでは、同じ質問の繰り返しや介助拒否、帰宅願望など、対応の難しい場面が多くあります。
ここでは、現場でよくある“困りごと”を、背景と対策に分けて分かりやすくまとめました。
安心感のあるコミュニケーションづくりのヒントとして活用してください。

このカテゴリのQ&A一覧

同じ質問を何度もされる…どう返す？

否定したり注意したりするよりも、安心につながる短い答えを繰り返すのが基本です。
背景には不安・記憶の混乱・生活リズムの乱れなどが隠れていることがあります。
視線を合わせたり、手をそっと添えるなど、安心感を伝える工夫も効果的です。

利用者さんに怒られた時の気持ちの切り替え方は？

認知症状や不安からの反応であり、あなたを否定しているわけではありません。
一旦距離を取り、深呼吸したり同僚と交代したりして気持ちを整えましょう。
後でチームに共有し、対応方法を話し合うことで負担が軽くなります。

介助を拒否される…どう向き合えば？

背景には「恥ずかしい」「痛い」「分からない」「怖い」など様々な理由があります。
まずは“何が嫌なのか”を観察しながら、動作を予告しつつゆっくり進めましょう。
一度離れて時間を置いたり、別のスタッフが関わるとスムーズにいくこともあります。

機嫌の良い日と悪い日の差が激しい…？

体調・睡眠・便通・季節・環境など、多くの要因が感情に影響します。
日々の小さな変化を記録していくと、原因のパターンが見えてきます。
傾向がつかめると、ケアや声かけのタイミングを調整しやすくなります。

同じ話を繰り返す…対応は？

繰り返しには「安心したい」「誰かに聞いてほしい」という思いが隠れていることがあります。
無理に話題を変えず、適度に相槌を打ちながら寄り添う姿勢が大切です。
疲れてきたら「少しお茶にしましょう」など自然な場面転換を提案しましょう。

「家に帰る」と言われた時の声かけは？

帰宅願望には、不安や生活リズムの混乱、環境変化への戸惑いなどが背景にあります。
否定せず「今日は暗くなってきたので、明日一緒に考えましょうね」など共感と安心を伝える言葉が有効です。
好きな話題や落ち着く空間に誘導し、安心感を高めていきましょう。

妄想や被害感が強い時の接し方は？

被害的な訴えは、強い不安や混乱が背景にある場合が多いです。
「そんなことありませんよ」と否定するより、「そう感じておられるんですね」と気持ちを受け止める対応が効果的です。
環境調整や関わり方をチームで見直し、安心できる空間をつくりましょう。

昼夜逆転してしまう…どう整える？

日中の活動量が少ないと、夜眠れず昼夜逆転が起きやすくなります。
昼間に軽い体操や散歩、レクリエーションを取り入れることで自然な眠気を誘発できます。
医師や家族と連携しながら、生活リズム全体の調整を行いましょう。

暴言が続くとき、どう気持ちを保つ？

暴言そのものより、背景にある「不安・恐怖・疲れ」を理解すると受け止めやすくなります。
一人で抱え込まず、同僚と共有して気持ちの負担を減らしましょう。
必要に応じて配置換えや関わり方の変更も検討し、自分を守ることも大切です。

家族と本人の希望が食い違う場合の調整は？

本人の意思と家族の心配が対立する場面は少なくありません。
双方の話を丁寧に聞き、「どこなら歩み寄れるか」を一緒に探る姿勢が重要です。
必要ならケアマネジャーや施設長も交えて、多職種で話し合いましょう。

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